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最後の夜になりそうな気がして

いつからこんな風に体調を崩しやすくなったんだろう。インフルエンザにも小学生以来かかってない。片頭痛は常にあるけれどそれ以外の体調不良はほとんどない、健康優良児であることが数少ない取り柄だったのに。そろそろ歳かあ。

熱が出ているとき、結局どうしたらいいのかわからない。安静にして横になっているのが正しいと思うけれど、横になっていると病人感がすごくて気持ちが滅入る。気持ちから熱に負けている気がする。そう思っていつも通りに活動をしてみるけれどこれもまたしんどい。テレビを観る集中力はないし、部屋の掃除をする元気もない。
あと、どうして夜になると熱が上がったり喉が痛くなったりするんだろう。いくら眠りが深いわたしでも流石に熱でうなされたり喉の痛みに耐えられず眠れなかったりした。

そう、本当に死ぬかと思った。
苦しくて苦しくて初めて救急車を呼ぶかどうか迷った。

あぁまずいな、このまま呼吸できなくて死ぬのかなって思った時に考えた。今死んでしまったらどうなるんだろう?この部屋は事故物件になるのかなとか、どうやって親とか友達に連絡が行くんだろうとか、スマホって誰かに中身見られちゃうのかなとか、逆に誰にも見られずに終わってしまうのかなとか、来週から職場に新しい人が来るけど仕事の引き継ぎできなかったなとか、今年はいろんな旅行が決まっているけれどそれに行けなくなっちゃうな、飛行機もキャンセルしないとな、とか。
死の間際には走馬灯のように今までの人生が駆け巡るというけれど、わたしは過去のことよりも自分が居なくなった後の世界はどうなるのかなと考えていたみたいだ。それだけ今、自分の先の人生に楽しみなことがあって、大事に思える人たちがいて、幸せに過ごしているのだな、と。

世界からひとり消えても変わらず明日は来るし、自分の周りの人たちも少し経ったら日常に戻っていくんだろう。すこし寂しいけれど、人生はそんなものなのかもしれない。

でも、まだ死ねない!

やりたいことがたくさんある。大きいこと、小さいこと。そういう楽しみを繋いで日々を大事に生きていくんだと、命の危機にさらされて改めて気がついた。
だからわたしは会いたい人には会いにいくし、伝えたい言葉は時間がかかってしまってもちゃんと自分の言葉で伝えよう。あまり器用じゃないから少し寄り道をして届くそんな言葉を、どうか、これからも大事に伝えていけますように。

薬は偉大。これからも頼りにしてるね。



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