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L-607 パルテノンレリーフ(parthenon frieze west)

石膏像サイズ: H.28×W.23×D.2cm(縮小サイズ)
制作年代  : 紀元前442~438年
収蔵美術館 : アテネ・アクロポリス博物館
出土地・年 : アテネ・パルテノン神殿

このレリーフは、アテネ・アクロポリスの丘に建つ、パルテノン神殿西側フリーズの一部だったものの縮小像です(オリジナル作品は高さが1m以上)。

パルテノン神殿は、基本的に柱の列が外周と内周(こちらは一周はしていなくて、二辺のみ)の二層に作られており、外側の柱の上部の欄間のような場所にあるのものが”メトープ”、内側の柱の上部に据え付けられていたレリーフ群を”フリーズ”と呼びます。メトープ(紀元前447年~442年製作)は、立体感が強く、壁面から突き出た立体彫刻のような体裁で、一枚づつの間には”トリグリフ”と呼ばれる、柱のような部分が差し挟まれます。そして、フリーズ(紀元前442年~438年に製作)の方は、立体感は控えめですが、彫刻面が何十枚も連続しており、長い長い絵巻物のようになっています。製作年代としては、メトープ→フリーズという順序で製作されたようで、彫刻家たちがより経験を積んだ後で製作されたフリーズのほうが、表現面ではより進化していると言われています。

フリーズの全体像としては、都市国家アテネの守護神であるアテナ神を祭る”パンアテナイア祭”の場面が表現され、祭りに参加する市民の姿(かなりの部分が兵士たちではありますが)が描かれています。この石膏像のレリーフは西側のフリーズの一部で、パンアテナイア祭の行列の先頭部分、馬を引いたり、馬に乗って行列に参加する人々が描かれています。

大英博物館収蔵 パルテノン神殿のフリーズ彫刻
(写真はWikimedia commonsより)


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