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パリ・オペラ座の日々1993~1994:1月16日 ルーブル美術館①


1月16日

昼に起きてルーブルへ出掛けた。今回のフランス滞在でなんと初めてのルーブル美術館!手始めに新装オープンのリシュリー翼を観覧した。シリア美術、中世フランス、ルネサンス期の彫刻など。タピストリー、工芸品なども山盛りあって、2時間くらいではとてもとても見切れない。半分くらい眺めた時点で閉館時間になってしまった。レアルまで歩きマックを食べて帰った。

ルーブル入場料 40F
マック 60F


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言わずと知れたルーブル美術館。

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このフランス長期滞在の目的のひとつは、実家の石膏像工房を継ぐための情報収集だったのですが、なんと10か月経過後の一月になってもいまだにルーブル美術館に足を運んでいませんでした(笑) バレエばかり観ていて、これはまずいだろ…という話になって、ようやくこの日新設されたばかりのリシュリー翼を訪れました。

ルーブル自体は、1990年の新婚旅行の時に一度訪れたことがありましたから、この日は二度目でした。

大英博物館、ヴァティカン美術館と並んでとにかく広い&デカいルーブルですが、美術館の整備はとても先進的で素晴らしい鑑賞体験を提供してくれます。一日、二日で全体像を把握するのは到底不可能なので、ある程度的を絞って「今日はルネサンス彫刻!」みたいにテーマを決めて入館するのが大切かもしれません。


ルーブル美術館は、ざっくり見るとドゥノン翼、シュリー翼、リシュリー翼という三つの大きな建築物の集合体です。

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セーヌ川の北側に向かって一番奥がリシュリー翼、右の正方形がシュリー翼、川岸がドノン翼、建物の中庭にガラスのピラミッドという構成です。左がチュイルリー公園&コンコルド広場。チュイルリー公園内には、オランジュリー美術館(印象派、ポスト印象派)&ジュー・ド・ポーム美術館(近現代美術)があります。

1993年がルーブル美術館開設200年の節目の年でしたので、当時のミッテラン大統領の大号令(グラン・ルーブル計画)でルーブルは変貌の真っ最中でした。1993年11月には、1988年まで財務省が占有していたリシュリー翼が美術館の一部として改装オープンとなりました。展示スペースが大幅に増えてより巨大な美術館に💦

この日はリシュリー翼の、それも一部だけを観た感じで終わってしまいました。

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この日どんなものを観たのかはさっぱり記憶に無いですが、たぶんこの辺かな。アッシリアの人頭有翼の雄牛像。紀元前700年頃。これものすごいデカさです。高さが4m!!!幅4m!!! これをフランスへと持ち帰るそのパワーたるや、ほとほと関心します。

ヨーロッパの巨大美術館はどこも同じですが、こういった古代文明の巨大な遺物の展示を観ると、はっきり言って帝国主義の略奪美術館であることも確かで、なんとなく複雑な気持ちにもなります。近世の世界の成り立ち、歴史、美術という概念の偏った形成過程とかあれこれ考えさせられます(そういった思考を喚起するという意味でも美術館は大切な場所かもしれません)。


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こちらも現在のシリア地域に栄えたシュメール人の遺物。

だんだんと帰国後に取り組む石膏像製作の仕事が気になり始めた時期で、ここから2月までルーブルには何度か足を運ぶことになりました。


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