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E-715 セレネの馬(Parthenon Selene Horse)

石膏像サイズ: H.64×W.86×D.22cm(原作サイズ)
制作年代  : 紀元前438年
収蔵美術館 : 大英博物館
作者    : フェイディアス(Pheidias B.C.490-430)に帰属

「セレネの馬」は、アテネのアクロポリスの丘に建つパルテノン神殿の破風彫刻の一部だったものです。東側破風彫刻(“アテナの誕生”がテーマ)の構成要素で、一番右端で月の女神セレネが操る四頭立ての馬車を引っ張る馬の中の1頭がこの彫像です。破風の右の端には”セレネ(月の神)の馬”、左側の端には”ヘリオス(太陽神)の馬”がおり、セレネ(月)は夜の空を駆けた役目を終え海中へと沈んでゆこうとするところ、逆にヘリオスは夜明けとともに、今まさに海中から上ってくるという夜明けの場面が描かれます。

紀元前5世紀のパルテノン神殿の完成以降、様々な困難にも関わらず2200年の歳月を生き延びてきた破風彫刻群でしたが、19世紀初頭に英国のトルコ大使として赴任したエルギン卿(第7代エルギン伯爵:トマス・ブルース)によって略奪同然に英国へと持ち去られ、大英博物館の収蔵品となりました。

大英博物館収蔵 「セレネの馬」 紀元前5世紀
(写真はWikimedia commonsより)


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