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パリ・オペラ座の日々1993~1994:10月24日 イタリア・ローマ③


10月24日

とうとうイタリア最終日。今日はヴァティカンのみの予定でまわることにする。12時くらいにチェックアウトして、まずは例の美味しいタヴェルナで昼食。その後は雨も上がったので地下鉄でサンピエトロ大聖堂へ。

広場は聖堂に向かって傾斜している。中はおそろしいくらい巨大で荘厳な空間。今まで見てきた教会建築の中では断トツNo.1のスケール。大理石の色使い、装飾彫刻など豪華の一言に尽きる。うす暗く煤けたようなフランスのゴシック式教会との違いに驚く。明るくて豪華絢爛。ミケランジェロの手になるクーポラは☆マークを上手に使っていてハイセンス。システィーナのピエタは、ガラス越しなのであんまりよく見えない。でも本物と対面できて嬉しかった。

その後クーポラに登った。フィレンツェよりは楽だったけど、それでも結構な運動量でフーフー言いながら登る。ローマの街を一望した。

バスでホテルへ戻り、荷物を受け取って駅へ。19時10分発の列車でパリへ。米国人×2、イタリア人×1、我々という構成で静かな客室だった。

昼レストラン 3800L
地下鉄 200L
サンピエトロのクーポラ 1200L
バス 240L
カフェ 650L
ホテル代 32300L


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サン・ピエトロ大聖堂は、まあとにかく凄かったです。カトリックの総本山ですからね。世界中のどのカトリック教会よりも壮大で荘厳で。


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内部が明るいことが印象的でした。パリのノートルダムなんかとは全然違います。大理石の色が明るいというのもあるし、窓からの光も力強く入ってきます。ステンドグラスで光を遮らないというのはルネサンスということなのか、それとも土地柄なのか?美術史的にはいろいろストーリーがありそうですね。


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ド迫力のベルリーニによる天蓋。彫刻も超絶テクのひとですけど、こういうの作らせてもやはり突き抜けた表現ですね。バロックここにあり、と。


ミケランジェロが最晩年の日々を捧げて建設に尽力したというクーポラへ。

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ここも最上部に上ることができます。フィレンツェと同じく上る階段が結構大変でした。


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16世紀の段階で、こういった巨大建築、巨大空間を作るためには、相当な力学的な研究が必要だったはずで、皆が苦労していたドーム建設を完成へと導いたブルネレスキ、ミケランジェロの偉大さを実感しました。しかも500年が経過して、まだまだ現役でたくさんの観光客を受け入れているんですから。


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クーポラから降りてきて、聖堂の屋上的な部分で。ここに立ち並ぶ彫刻類は間近で見ると意外とざっくりした作りでした。


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ローマもフィレンツェも見どころが多すぎて、たった一週間では本当にチラッと見た程度というのが実感でした。まだまだ行きたい教会、美術館(信じられないことですが、カピトリーノ美術館はスルーでした…涙)がたくさんありましたが泣く泣く帰路に。

イタリアに行って感動したのは、街そのものが美術館!という感覚です。パリも素晴らしい歴史と美しい街並みですが、現代的な大都会という側面が強いように思います。それに比べて、フィレンツェはルネサンスがそのままそこに、さらにローマは古代ローマそのものを歩いているような気持ちになりました。これは15世紀以降に延々と続けられてきた発掘、再生のための人々の膨大な努力の成果なのでしょう。そして2000年という長い年月を経て、なおもそこに存在し続ける古代ローマ帝国の偉大さ。

イタリアはいつの日か必ず再訪したいと思っています。こんどはじっくりと。

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