Salesforceの導入から11ヶ月が経った導入担当CIO視点の話

*2014/12/04作成記事の転載です

前回はこんなの書いたのですが、思ったより見てくれた方が多かったようなので続編を。
Salesforce World Tour 東京2014でパネルディスカッションに出ます(600人とか来るらしい)ので、その辺で話しそうな事を書いておきます。

Salesforceの導入から9ヶ月が経った導入担当CIO視点の話 | いつか創造される何かは、今想像出来る未来 @geeorgey 吉田丈治

前回の要点は、Salesforceは動きを止めない為のツールであるという事でした。
そこを踏まえてこの2ヶ月で考え、実行してきたことを書こうと思います。

社内的な話ですが、自分の役割が少し変わりました
社内には事業部が6つあり、週に1回事業部長で集まってミーティングを行っているのですが、そちらの統括になりました。事業部長の役割は、会社の日々の業務を滞り無く動かし、自社の商材を立案した事業計画になるべく沿った形で売り上げていく事です。

その為には数字の変化についての取りまとめが必要ですし、日々集まってくる情報を適切に分析して提示しながら打ち手を考えるという立ち位置にいる自分が、そこにいるというのは自然な事かなと思っています。そんな中で6weeks程度時間が経っています。

なんといっても売上予測が楽
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代表及び、事業部長に事業計画の数値を目標値として持たせ、そこに対してどの程度のパフォーマンスが出ているのかがぱっと見で分かります。

事業部の数字となると、こちらについては商談所有者に紐付いて積算されるため、弊社のように異動がそれなりに発生すると、異動後に数字が変わってくるのが困った点ではあるっちゃあるのですが、その辺は運用でカバーかなと。

商談のフェーズが4段階に分けられるのですが、リバネスでは以下の4段階を設定

請求済み:請求書出力済みの商談
契約済み請求前:契約が完了していて実行中の商談
商談確度高:だいたい取れるだろうという算段が付いている商談
商談初期段階:これから動かしていく商談
過去の月のセルに契約済み請求前、商談確度高、商談初期段階の商談が残っている事はあり得ないという運用にしているので、月が変わったら前月のセルをつついて、何が動いていないのかを見れば取りこぼしが無いという状態になります。全部が綺麗になると、スッキリですね。

スナップショットが便利
Salesforceのレポート機能はリアルタイム出力ですので、元々設定した事をレポート実行時に計算して出力してくれます。ただ、それだと、一週間前の時点でどうだったかという数字が分からないので、スナップショットという機能があり、定期的にレポートの数字をスナップショットとして残しておくことで、時系列変化が取得できます。

例えば、総売上高とかを設定する訳ですね。

事業部ミーティングでは、売上高だけではなく、様々なアクションについてトラッキングをするという事ができるようになりました。

直接的に売上に寄与するものはなにかを導き出し、その目標についてのアクション数をスナップショットとしてトラッキングし、結果として売上向上に寄与できたのかが把握できるというイメージです。

こういったスナップショットの設定なんかは、Salesforceの構造の勘所が分かっている人が、ニーズを元に立案する必要があると思うので、そんな人員配置が良いと思う。私の場合は、経営者としてSalesforceを使いこなす立ち位置を続けてきたという事もあって(というか、そこを狙って時間を使ってきた訳ですが)調度良いですね。

リードを活用しよう
弊社は、割りと人とのネットワークが多く、日々色んなスタッフが色々な人と名刺交換をしてきます。

これまで、それらを体系的に取り扱った事があまりなかったため、どんな人とつながっているのかを可視化することが難しかったのです。

改めてデータをSalesforceで掘り返してみると、例えば大学に所属している人がxxxxx名とか、企業のhogehoge部門の人がこれくらいとか、そういうことが見えてくる訳です。

新しい商談機会を作るにあたり、こういった分析が適切に出来れば、更に色々な提案を社内に向けてすることが出来るでしょう。全然意識していなかったあの人が、こんなサービスで喜んでくれましたというような事が出来ると皆ハッピーだなと思いながら、最近はこの辺りに注目しています。

とは言え、マーケティング機能については素晴らしいとは言いがたい
弊社リバネスは、事業ドメインがたくさんあり、一つの事が刺さった人に別のものが提案できるだろうなという可能性を持った会社だと自負しています。

ただ、今までは、お客様からみたら、ある一つのサービスを提供している会社として見られることも少なくなく、入り口によってはそのイメージのみで成長していかないというパターンが散見されました。

Webサイトも色々ありますし、メルマガもそれなりに打っています。セミナーやイベントもやっているのですが、それらを統合的に扱うことが出来なかったために、どこの誰が何に興味があるのかを体系的に見ることが出来ませんでした。

その辺については、Salesforceが買収したサービスでPardotというものがあり、こちらの導入を現在検討しているという段階です。

商談の把握方法を変えました
Salesforceは冒頭でも言った通り、動き出した商談の動きを止めない為のツールとして大きな威力を発揮します。しかし、走りだしの商談なんかについては余り入ってこないんですよ。

あんまり反響が無かったとか、次に繋がりそうに無いとか。

人間は自分で判断して、情報の登録の負荷を嫌い、結果としてSalesforceに情報が入ってこないという状況になります。こればっかりは、正直な所強制しても無駄でしょう。僕も嫌です。

なのでやり方を変えました。

既に浸透しているのは、各自の予定をGoogleカレンダーに入れるという事です。誰がどこで何をやっているかについては、Googleカレンダーを通して把握する事ができます。これを利用しようと。

営業用のカレンダーを一つ作って、全社員に共有。営業機会を作った場合はそこに入れるようにします。

そのカレンダーの情報を、情報共有用のSalesforceアカウント(弊社の場合は私の活動情報)にZapierというサービスを使って同期するのです。

同期時に、ルールを作り営業の種類によって接頭辞を追加するようにしました。それによって、この商材についての営業機会が何件程度入っているかという事が、ほぼ自動的に分かるようになります。

Zapierは有料アカウントが必要ですが、月額20ドル程度でも十分かなという感じ。これによってGoogleカレンダーとSalesforceが同期するのであれば安いと思います。

やっと、細かな営業機会についても全てを把握することが出来るようになりました。あとは進捗を追ったり、アドバイスをしてみたりという事が文化になれば楽ですね。

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ちょっと長くなりましたのでこの辺でしめますが、検討していく事で色々な打ち手を作ることが出来る便利なツールではあると思いますが、それと同時にスタッフの負荷を以下に下げていくのかも課題としてあると思います。

最低限で最大限を得るためにはどうすれば良いか。

それを考えないと、負荷だけが増えてしまう。

バランス感覚のある人が必要な世界だなと強く感じます。


noteにはこれまでの経験を綴っていこうかと思います。サポートによって思い出すモチベーションが上がるかもしれない。いや、上がるはずです。