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ハケンの人:バブル世代。

直属の上司はバブル世代、そして私は氷河期世代だ。高校生の時は女子大生ブーム、大学生になると女子高生ブーム、バブル世代を横目で見ながらさぁ社会人になると言った時にバブルがはじけ、団塊世代ジュニアだけに人数も多く、就職活動が本当に大変だった不遇の世代である。
 
さて、去年のコロナから派遣社員が続々と契約終了で切られてしまったのだが、そうなるとやはり業務が滞るとのことで、この春から復活させることになった。
 
そしてここのところとても奇妙な現象が起きている。派遣会社より紹介される方たちの年令がみな50代のバブル世代ということだった。
 
この年代は私の記憶にある限りとにかく就職に苦労しなかった世代だったはずなので、
来る人来る人がバブル世代というのがとにかく不思議だった。
 
しかも、ここに性別はあまり関係なくて、共通項は「未婚」「正社員に一度もなったことがない」「一人暮らしも一度もしたことなく」「実家から派遣先に通勤」。
国から指定された難病を抱えているとか、例えば離婚して育児と家事のバランスで働き方も変わってきた、そういうわけではなさそうだった。病気のところは個人的な想像だが、その他はご本人が言われているので事実だろう。
 
なんだろう。
あの世の中にお金があふれていて、不動産の価格がめちゃくちゃ高騰して、いいか悪いかは別にして、いろいろな意味でいい思いをしてきたはずなのにそういう香りがいっさいしない不思議な層を生きてきた方たちの人数の多さ。
 
今までは募集をかけても、派遣会社から来る人たちはだいたいは子育てメインの時短勤務を希望される女性が多かったのだが、コロナ以降ジェンダー関係なしの、上記の共通項を持ったバブル世代の希望者が一気に増えた。
 
どうやったら正社員になれますか?とハケンで来られた方々に聞かれることが多いけれど、やはり基本はこれしかない気がする。
 
きもちのよい挨拶ができる。
人の目を見て話す。
笑顔。
社会人としてのマナーがある。
敬語が使える。
仕事のスキルなんてものは、今やほとんどの方がすでにクリアされているので差が出るのはこのソーシャルマナー、そして人間力。
 
毎朝会社の前で会うハケンの方に「おはようございます!」と言うと、聞こえないような小さな声で「あっ、どうも…」。
 
いつか挨拶してくれる日が来るのかなぁと思いながら、契約3ヶ月目に入る。

温かいお気持ち、ありがとうございます。 そんな優しい貴方の1日はきっと素敵なものになるでしょう。