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ラーメン4.0@開業日記#93 保有効果

今日は行動心理学の保有効果について考えていきたいと思います。
自分が手に入れた物は他の物に比べて、愛着がわき、自分の中で価値が上がっているという心理学です。
それでは今日も最後までよろしくお願いいたします。

保有効果とは

保有効果は「授かり効果(Endowment effect)」とも呼ばれ、「自分が所有する“もの”に高い価値を感じ、それを手放す事に心理的な抵抗を覚える心理効果」の事を指します。

つまり、「自分の持ち物に対して愛着を持つ心理」に対して「保有効果」という名前を付けているという事です。

あなた自身にも何か「大切にしている物」が1つはあると思いますが、それを「無条件でその商品をこっちの新品と交換します」

と提案されたらどのように応じるでしょうか。もちろん中には「新品ならそっちの方が良い」と交換する人もいると思いますが、「愛着があるから新品には変えたくない」と考える人も多いと思います。

商品としての価値を考えるなら明らかに「長く使ってきた物」よりも「新品の物」の方が価値が高いので、理屈の上では「無条件で新品に交換できるのにしない」というのはおかしな話です。

何故なら、自分の物の価値 < 新品の価値と考えているのなら「新品の商品と交換しない理由」が無いからです。
よって「新品と交換しない」という事は、自分の物の価値 > 新品の価値と考えているのだという事になります。

もし何も知らない第三者に対して「中古品と新品、どちらか好きな方を選んでください」

と提案したとすれば、わざわざ中古品を選ぶ理由が無い限りは、ほぼ100%の人が新品を選択するはずです。

あなたからすれば「思い出が詰まった大切な物」「長く大事に使ってきた相棒」だったとしても、それを知らない人からすれば「ただの中古品」に他ならないからです。

このように、「ただ持っている(保有している)だけなのに、価値が高くなったように感じる心理効果」を「保有効果(授かり効果)」と呼びます。
言い方を変えれば、「人間には、自分の所有物の価値を高く見積もる心理的な傾向性がある」という事です。

保有効果による実験

保有効果の事例としては、次のような行動経済学の実験が挙げられます。

実験1:携帯電話の買い替え

まずはこちらの質問に答えてみてください。

<質問1>あなたは今、Aを所有しています。Bへ買い替えますか?

A:安価で基本的な機能を持つ携帯電話
B:高価で豊富な機能を持つ携帯電話

少し考えてから、次の質問に回答してみてください。

<質問2>あなたは今、Bを所有しています。Aへ買い替えますか?

A:安価で基本的な機能を持つ携帯電話
B:高価で豊富な機能を持つ携帯電話

今度はさっきと買い替える携帯電話が逆になっています。
あなたはどのように回答したでしょうか?
普通に考えれば、<質問1>のケースと逆の回答になりそうです。

ところが、実験結果としてはどちらのケースでも回答が「現状維持」に偏る傾向がある事が分かりました。

つまり、<質問1>の状況でも<質問2>の状況でも関係なく「買い替えない」と回答する人が多かったという事です。

一例ではありますが、現状維持を好む傾向が人にはあります。
これを応用して、返品無料などのサービスを通販会社はしています。一度手に取ったら愛着がわき返品することが少ないとわかっているのですね

それではまた明日!!

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