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ロマンチックなドイツのお城たち①

ここらでちょっと子供たちの話は一休みで、ドイツのお城について書いてみようと思います。
ドイツといえば、やはりお城、ドイツにはたくさんの美しいお城が存在します。
我が家の滞在中はコロナのロックダウンなど色々な制限がありましたが、それでも合間を縫ってあちこちのお城を見学しに行きました。

第一弾としては、やはり誰もが思い浮かべる有名なお城!
それは、こちら、

ノイシュバンシュタイン城

白くて美しいお城は、ディズニーランドの眠りの森の美女のお城のモデルになったとも言われております。(シンデレラ城ではないんです。)写真の角度だと、まさに「眠りの森」のロマンチックな雰囲気があると思いませんか?

歴史

ノイシュヴァンシュタイン城は1869年にルートヴィヒ2世が建てたお城です。ルートヴィヒ2世は夢の世界に傾倒して、巨額を城の建築に注ぎ込んで謎の死を遂げた非常に興味深い王さまです。

 公務で忙しい両親。寂しさを紛らわすかのように、中世の神話や伝説などの夢の世界に浸って生きてきたルートヴィヒ2世。
12歳の時にワーグナーのオペラ「ローエングリン」と出会います。実際に初めて観劇を許されたのは15歳の時でした。
それはまさに彼の求めていた世界を描いたオペラ!
白鳥の騎士ローエングリン!
まさに彼の理想の人物が壮大な楽曲で表現された素晴らしいオペラだったのです。18歳で誰もが羨む美貌のバイエルン王として即位すると、ワーグナーの絶大な支援者となった事は有名です。

その後、ルートヴィヒ2世はお城の建築にこれでもかと湯水の如くお金を注ぎ込んで行きます。途中何度もこのままでは国が破綻してしまう、建造費を抑えるように計画変更を促されています。しかしその度にルートヴィヒ2世は、進言とは反対にさらに華美で豪華な計画に変更していったのです。聞く耳を持たない辺りは相当病んでいたような感じがしますね。このことが最終的に自らの命を危険に晒すことになってしまったと思います。

余すところなく装飾の施された城の内部を見ていると、意固地になったルートヴィヒ2世が煌びやかな装飾で空間を埋め尽くす事で、離れていく家臣との心の距離を紛らわしていたかのようにも思えてきて、王の狂気の内部を歩いているような気持ちになってきます。
ただで泊まってもいいと言われたとしても、自分だったら1日たりともこの城には泊まれません。装飾が寝てる間に膨らんできて、押しつぶされるのではないか、そんなふうに錯覚するくらい過剰な装飾です。ルートヴィヒ2世が莫大なお金を注ぎ込んで作り上げた渾身の城ですが、私は安らぎのかけらも見出せませんでした。
 みなさんも訪れた際には、実際にこの城で生活することをイメージしてみると面白いですよ。

絵葉書きより
王様の寝室
実際はもっと暗かった。

ルートヴィヒ2世はノイシュバンシュタイン城の建設の途中で廃位させられ、ベルク城に軟禁されてしまい、最後は湖で謎の溺死をしてしまいます。死の真相は暗殺に間違いないと推測しますが、誰も彼の死をあまり追及しななかったようです。

国庫を赤字にするほどの巨額の税金を城建築に注ぎ込んで建てたノイシュバンシュタイン城。その城が現在ではドイツ屈指の観光資源となっているのですから、未来のことはわからないものですね。


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