【振り返り】La Liga 第23節 バルセロナvsアトレティコ・マドリー


2022/2/7
@カンプ・ノウ
【スターティングメンバー】
バルセロナ

バルセロナスターティングメンバー


GK
1 テア・シュテーゲン
DF
8ダニ・アウヴェス
3ピケ
4 アラウホ
18ジョルディ・アルバ
MF
16ペドリ
5セルヒオ・ブスケツ
21 フレンキー・デヨング
FW
11アダマ・トラオレ
19 フェラントーレス
30 ガビ

アトレティコ・マドリー

GK
13 オブラク
DF
24 ブルサリコ
22 エルモソ
15 サヴィッチ
2 ヒメネス
MF
5 デ・パウル
6 コケ
11 レマル
21 カラスコ
FW
9 スアレス
7 ジョアン・フェリックス

【感想】
いやぁ、アトレティコを応援する僕にとっては悔しい試合でした、、、
悔しいとは言っても、もう少しで勝てそうだったかと言うと全くそうは思いません。
アトレティコはとにかくカンプ・ノウでは勝てませんね。今回もその負の印象は拭いさることはできませんでした。アトレティコは攻撃の有効な手立て、守備時のインテンシティなど昨シーズンまであった良さがこの試合でも見ることができませんでした。
この試合の最も注目すべき点だったのは、アメフト選手の並のガタイのトラオレでもなく、冷え切った関係の中ベンチに入ったデンベレの表情でもなく、再びバルセロナに舞い戻ったダニ・アウヴェスでしょう。いろんな意味でゲームを動かしてくれました。笑

【キックオフ前までの互いの状況について】
6ポイントマッチ。後半戦の行方を占う大一番。もちろん偶然でしょうが移籍市場閉幕直後にこのゲームを組んだところはさすがLaligaというところでしょうか。
バルセロナは前節はアラベスに辛くも勝利。フレンキー・デヨングの苦しみながらも魂を感じる試合後のインタビューが印象的でした。
また冬の移籍マーケットでは市場を大いに賑わせました。ダニ・アウヴェスの復帰から始まり、今シーズン良いサッカーを展開している(らしい)ウルブスからアダマ•トラオレを獲得。オーバメヤンの締め切り直前のサプライズ獲得も驚きました。おそらくですがCLの出場できるかどうかが、トラオレの買取オプションのトリガーなんだろうなと。厳しい条件ながらも上手いことやりましたね。


アトレティコは直前のリーグ戦では劇的逆転でバレンシアから勝利を奪いました。この劇的勝利をカンフル剤として上昇気流に乗りたいですね。
冬の移籍マーケットではバレンシアからダニエル・ヴァスとリールからヘイニウドを獲得。ヴァスはLaLigaを見てる人はお馴染みかと思います。ヘイニウドは僕も知らなかったのですが、昨シーズンのリーグ・アンでベストイレブンに選ばれている選手なんですね。
余談ですが、ヴァスはLaLigaでTOP3に入るイケメンだと思います。笑

【試合について】
当初アトレティコの布陣予想では5−3−2でしたが、キックオフ直後はカラスコが 右のハーフ、フェリックスが左のハーフの4−5−1だった思います。試合前の予想の5−3−2の時はカラスコが左サイド、蓋を開けるとカラスコが右にいて4−5−1。これは見てる側は混乱しますね。笑
アトレティコの先制点は上手く隙を突くことができました。試合を通じてアトレティコがシュートまで運べたのは中盤の底やDFからサイドの選手への対角線のフィードが通った時のみに限られていたように思います。先制点もコケのフィードが起点でしたし、フェリックスに何度か見られた決定機もロングボールからでした。
アトレティコは先制点は取りましたが、この試合の主導権は終始バルセロナでした。その要因はバルセロナの攻撃時の配置に現れていました。守備時と比較的自陣に近い位置でボールを持った際は4−3−3でしたが、攻撃時に押し込みはじめると2-3-4-1の様な配置になっていました。ダニ・アウヴェスが従来のサイドバックではなくフレンキー・デヨングとブスケツと3枚でボランチを形成、4の両サイドはアダマ・トラオレとジョルディ・アルバ。基本的にはこの2人はタッチライン際まで開き幅と取ったポジショニング。4の内側はぺドリとガビ、そしてトップがフェラントーレスという形でした。
この陣形の対応にアトレティコは苦慮していました。ボランチの3枚に入った時の誰がプレスをかけるのかが終始曖昧でした。まぁ、いきなりこれまで見たことない布陣を展開されたら致し方ないでしょう。これが1−0、もしくは1−1で前半を終えることができていたらシメオネは対応策を講じることができたのでしょうが、2点をリードされてしまえば、リスクを犯して前に出るしかありません。21分までのバルセロナの2得点はサイドの深い位置まで人数をかけて侵入できた、尚且つ失っても即時奪回ができたため取れた点でした。チャビが求めてサッカーが出たも言っても過言ではないゴールだったのではないでしょうか。

1点目のジョルディ・アルバのシュートも振り返らずにはいられません。アウヴェスの完璧なパスから華麗なボレー。綺麗に当たっていない感じはありましたが、枠に持っていく技術が流石です。
ちょっと話はそれますが僕はこの試合はDAZNで観ており、2点目が入った際、解説の戸田さんの「彼は相手と接触するコンタクトプレーを全く恐れない若者ですから」という少し独特な言い回しに痺れましたね。笑

バルセロナの2点目の後にはアトレティコはカラスコを左においた5−3−2に変えています。根本的な対応というより、守備によりハードワークが期待できるカラスコに、エルモーソと2枚でトラオレを止めようという意図だったのではないかと思います。
確かにこの変更でトラオレにはそれまでと同じようにはプレーさせていませんでした。ですが、今度はアトレティコの右サイドを頻繁に崩されるようになりました。特にジョルディ・アルバの裏を狙う動きは効果的でしたね。
バルセロナにとっては得点は時間の問題と言っても過言ではないくらい崩していました。良い時のアトレティコだと、ゴール前のハードワークが効いて凌げたりするんでしょうが、それもこの試合はあまり見ることができませんでした。セットプレーでの3失点目にもそれが表れていたのではないかと思います。

後半に入ってアトレティコはサイドバックに新加入のヴァスを入れてきました。ですが開始早々に右サイドを崩され失点。ハーフタイムで修正しきれなかったですね。この位置にアウヴェスが入ってきてシュートを打てたのは先述したバルセロナの攻撃時の配置が理由でしょう。
その失点後にアトレティコはコレア、クーニャ、ヘイニウドを入れてきました。するとようやくアトレティコにも僅かな可能性が見え始め、
積極的な前からのプレスとボールを持った時の味方の駆け上がりがチームとして出るようになってきます。
58分にはその流れでコーナーからスアレスが1点を取り返します。しかしこのゲームを終わらせたのはアウヴェスでした。結果的にですがあのレッドカードがバルセロナの選手達の意識を守備に振り切るキッカケになったと思います。もちろんレッドカードが出た時はバレンシア戦の再来かと思わせる期待感はありました。
しかしバルセロナの守備陣も良く集中していましたし、崩し切るには至らず試合終了となりました。

全体を振り返った時、アトレティコも全くチャンスがない訳ではありませんでした。むしろ試合の入りは100点に近い出来だったと思います。しかしバルセロナは開始早々の失点に気落ちすることなく、早々と試合をひっくり返すことに成功しました。中でもジョルディ・アルバはオフザボールの動き何度も相手の裏を取り左サイドを制圧していました。やはりアタッキングサードでの、攻撃参加のタイミングは現役選手の中でもピカイチだと思います。フレンキー・デヨングも非常に良かったと思います。今シーズンはペドリに加え、ガビの台頭もあり立場がどうなるかと言う意見もありましたが、この試合で見せた3人の共演は今後に向けてとてもポジティブなものだったと思います。
そして最後にダニ・アウヴェスを忘れてはいけませんね。もし退場にならなかったらキング・オブ・マッチの第一候補だったことでしょう。僕はチャビにとってこの試合の形を具現化させるための最後のピースがダニ・アウヴェスだったような気がしてなりません。それだけ違いを見せましたし、この試合で見せた役割をこなすことができる選手はバルセロナでは他にいないと思います。
残念ながら退場になり、少なくとも1試合は出場停止ですが、この形を手に入れたバルセロナがダニ・アウヴェス抜きの次の試合でどういう組み立てでくるのかは楽しみです。
またバルセロナはヨーロッパリーグのメンバーからアウヴェスを外していることも個人的には注目したい点です。年齢的なことを考慮してヨーロッパリーグでは可動させないという判断なのでしょうか。この判断が吉と出るか凶とでるかはいずれわかるでしょう。

いずれにしてもこの試合、バルセロナは暗いトンネルから出口の光が見えたような試合だったのではないでしょうか。それぐらい何かを掴んだ感が画面から感じ取れる試合でした。シーズンの転機となった試合として後々取り上げられるようになるのはアトレティーの僕にとっては避けたい事態ですが、もしこの試合がチャビが引き起こす革命の始まりだったのであればそういう試合を観ることができたのはリーガファンにとって喜び以外の何物でもありません。

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