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(金融)AWS re:Invent ③ 日系企業の場合

さてAWS re:Invent (リンク) を見ながら金融のプレゼンどれ見ようかなーと思っていたところ。

ほほう、Snowflake様とAWS様のコンビネーション。これは面白そう、見てみよう。でもところでTFSってどこの金融機関。。。?と思いながら見てみると。

「TFS」は「Toyota Financial Services」

じゃじゃーん。泣」く子も黙る世界のトヨタ様じゃないですか😱😱😱!!

ってことでAWS様、今度から会社名はぜひもうちょっとわかりやすく、省略しないでよろしくお願いいたします。

で?Toyota Financial Servicesとは?

さて金融にいる人でもいない人でもトヨタの金融というのは想像つかないかもしれない。既にアメリカ最大の自動車系金融機関で(アメリカなのにフォードよりも大きいとのこと)、500万以上の顧客を抱え、世界でも39カ国にフットプリントを持つというすごいスケールである(図①②参照)。

図① Toyota Financial Services - アメリカでのスケール
図② 世界でのフットプリント

500万人以上という顧客数もがすごいがなぜ?という問いにも答えてくれている。リテールの顧客で「車を購入するときにファイナンスのソリューション(ローンやリースなど)」を必要とする顧客の%は?」という問いの答えが。。。

図③ 車を購入するときにファイナンスのソリューションを必要とする顧客の%

なんと80%なのである。自分の予想以上に遥かに高い数字だった。肌感覚で日本はもっと低いと思われたりするがどうなんだろう。

フィテックの世界だと非金融サービスの中に金融機能を埋め込む「埋め込み型金融」などがホットトピックであるが、この場合80%の顧客が関わっているのでそこに専有の金融機関ごと埋め込まれている「埋め込み型金融機関」と言ったモデルか。埋め込みだけで500万以上の顧客ということはある意味小さな「トヨタ経済圏」。恐るべし。

そして車だけではなく、「ボートだろうが自転車だろうが飛行機だろうが」ヒトと乗り物が関わる話には登場したいとかなりアグレッシブ。ロケットが個人が買える世界になったらトヨタ経済圏を考えようww。

新しいビジネスのオンボーディング

さて、そんなトヨタ経済圏の柱であるToyota Financial Services (車が経済圏に土台で、金融が柱かな。反対かも。)であるが今回のトピックはどのようにしてスピード感を持ってたった7か月でMazdaのビジネスも同じデータのプロセスの中に引き込むかという話である(こちらの提携と関係しているのかな?「トヨタとマツダの業務資本提携、豊田社長と小飼社長は“負け嫌い”とそれぞれの自主性尊重を強調」)。

図④ 新しいブランドのスタートとその先

そのマルチブランド戦略を押し進め顧客に
・シンプルでセルフサービス
・スピードや機敏性があり
・スマートで自動化された
サービスを顧客に提供する、とのこと(図⑤ 参照)。ただしここで少し時間を取ったのが最後の「Secure and Shared」、やはり金融なのでセキュリティやコンプライアンスには注目しないとならず
・Security by design
・Privacy by design
・Compliance by design
ということでセキュリティ、プライバシー、コンプライアンスなどは後から足せるものでなく土台やデザインとして最初からないといけないものである(以下にリンクがある「(金融)AWS re:Invent ① ゴールドマン・サックス:金融データ分析の再発明」でも同じことが語られている)。

図⑤ ビジネスのビジョン

そしてそのビジョンに対してとても組織化され構造がデザインされたプロセスで進められているように感じられるプレゼンテーションだった。

図⑥ コンセプト図

・Data producerとconsumerの関係
・Operational Data Hub, Business Data Hub, Consumption Hubについて
・モデルのガバナンス、そして「explainability」(機械がはじき出した答えをどの様に説明するか)
・Visualization pipelineのスタンダードをちゃんと作っていること
・Snowflakeはデータプラットフォームであり、data acquisitionは色々なフォーマットをサポートしており、SFTPでもAPI callでもKafka queueへのプッシュでも可能

など色々な事をはなしているが、「Secret sauce」(秘伝のタレ)はModel driven engineであるとQ&Aのセッションでも締めくくっている。

セッションの中で何度も「all in cloud」と強い意志をもってすべてをクラウド上で進めることを主張している。そして最後にコメントしているが、その利点の大きなものは

"Cost of mistake is little." (「失敗によるコストが少ない」)

という事でクラウドで進めることで大きなリスクを取らずに色々なことがトライでき、失敗したらやり直せばよいと述べている。このセッションも興味を持った人は是非見て欲しい。

(金融)AWS re:Inventシリーズ

AWS re:Inventのカバレッジのシリーズ①と②は以下のリンクから。

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