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意外と知らない人が多い、書店の現状

 みなさん、こんにちは。私は現代書林のNです。よろしくお願いします。
 さて、取材、原稿執筆、校正、印刷、製本などの流れを経て、いよいよ著作が書店に並ぶ時がやって来ました。
 

●減少する書店 

 小さな版元であれば、書店への流通が少ないのが現状です。
 弊社は営業スタッフによる書店への訪問営業、電話やFAXでの営業活動を行っています。

 出版物取次大手の日本出版販売株式会社(日販)の『出版物販売額の実態』2021年度のデータによると、書店の数は8642店舗で、前年から147店減少しています。
 また、リアル書店の販売額は8,343億円(前年比97.9%)に対して、オンライン書店の推定販売額は2,808億円(前年比106.5%)となり、前年度数値を上回っています。
  都道府県別で見てみましょう。
 書店の店舗数が最多なのは、大型書店が数多く存在する東京都(952店)。2位以下は大阪府の550店、神奈川県の485店、愛知県の481店、埼玉県の471店です。
 一方で、最少は鳥取県の45店。続いて佐賀県の46店、島根県の50店となっています。

  ●伸びているオンライン書店

 リアル書店の減少は時代の流れでもあり、悲しいですが、仕方のないことかもしれません。
 先ほどお話ししたように、アマゾン、楽天ブックスといったネット書店は伸びています。
 オンライン書店のメリットは、自宅にいながら書籍が購入できる、検索することで希望の本がすぐに見つけられる、などです。
 
 MMD研究所の「オンライン書店の利用実態調査」によると、アマゾンがダントツ1位です。
 以下、楽天ブックス、Yahooショッピング、セブンネットショッピング、hontoネットストアと続きます。
 ちなみに、総合満足度では87%と、楽天ブックスがトップの結果でした。
今後もオンライン書店の利用は増えていくでしょう。

●書店の棚

 次に書店の棚についてです。
 例えば、池袋のジュンク堂書店 池袋本店のような大型書店では、1階が雑誌、2階が趣味・暮らし・地図・文具、3階が文芸・文庫・新書、4階が人文・教育・心理、5階がビジネス・法律・経済、6階が医学・コンピュター、7階が理工、8階が語学・学習参考書・児童書、9階が芸術、洋書と、フロアごとにジャンルが分かれています。そして各ジャンルに、2~3人の担当者がいます。
 一方、例えば、巣鴨駅前の成文堂書店 巣鴨駅前店のようなワンフロアの書店では、店長が全ての本・雑誌を担当していることが多いです。
 
 通常、書店では入口付近に新刊書や話題の本が並ぶ平台があります。
平台に本を積んで陳列することを「平積み」(ひらつみ)といいます。
 また、表紙を見せて本棚にたてかけることを「面陳」(めんちん)と呼びます。
 そして、背表紙を見せるように本棚に並べるのが「棚差し」です。
平台や本棚の陳列は、「いま」を伝えるメッセージとしての役割があります。
 そして、書店に立ち寄った人が目を留め、購入したくなるような棚を作れるかどうかが、店の売り上げを左右します。
 

 弊社は、実用書とビジネス書を中心としながら、総合出版として様々な本を出版しています。
 書店の本棚は限られたスペースです。
 どういった書籍を、どのように陳列すればお客様に手に取っていただけるのか、営業スタッフは書店員さんと相談しながら、日々、知恵を絞っています。                                                                                  

現代書林 N