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ハンセン病と人権

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ハンセン病元患者の社会復帰を支援するための取材と、講演・うたと語りの上演活動をつづけています。
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わたしたちの問題としてのハンセン病

わたしたちの問題としてのハンセン病

(NPO現代座レポート2003年発行号より)

 日本のハンセン病患者は長いこと、「らい予防法」という法律によって強制収容され、終生家族のもとに帰ることができませんでした。
また、断種、堕胎が強制され、ほとんどの人に子どもがありません。
ハンセン病問題は、実は病気の問題ではなく、憲法によってさえ国民の人権を守ることができなかったという国策と日本人のあり方を問う問題です。

 1996年に「らい予防

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遠い空の下の故郷~ハンセン病療養所に生きて 語り2 遠い空の下のふるさと

遠い空の下の故郷~ハンセン病療養所に生きて 語り2 遠い空の下のふるさと

(※このノートは有料設定ですが、台本は最後まで無料でご覧になれます。)

語り台本 木村 快
音楽 岡田 京子
語り 木下 美智子
アコーディオン 松本 真理子

 わたしは大正十一年生まれですから、すっかり年をとってしまいました。
わたしは五十三のときに目が見えなくなってですね、もうずーっと暗闇の中を生きてきとるとですよ。
それでもね、自分の育った村のことやお父さんのこと、お母さんのこと、弟のこ

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遠い空の下の故郷~ハンセン病療養所に生きて 語り1 魚のように自由に

遠い空の下の故郷~ハンセン病療養所に生きて 語り1 魚のように自由に

(※このノートは有料設定ですが、台本は最後まで無料でご覧になれます。)

語り台本 木村 快
音楽 岡田 京子
語り 木下 美智子
アコーディオン 松本 真理子

導入の音楽のうちに朗読者登場。

 わたしは小さいときから川辺で遊ぶのが好きでした。
子どもごころに、水がぬるんでくると春が近いなと感じたものです。
冬を越して春になると、木の枝が薄赤く芽吹いてきます。
枝の先にきらっと光る新芽が出てき

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