あと５年だ、あと５年。いや、実質5年も切っててあと、４年と８ヶ月なんだ。それで退職までのだいたいのメドが立つ。それさえ我慢できれば、オレは自由になれるっていうんだぜ。。これまで２０年近くこれだけこき使われてきたんだ、それがあと5年、それでフィニッシュできるっつーのに。

でもあと5年って考えれば考えるほど、その５年の長さに辟易しちまう。大学4年間よりは長くて、小学校6年間よりは短かい長さ。でも歳食ったあとの、働きはじめて以降の5年間ってのは正直いろいろあったが、あっという間だったように感じる。

5年前はまだ、埼玉にいたときだけど、それほど前だなとも思えない。そういえば、琵琶湖に家族で旅行して、溺れかけたのもそのときだ。そんなのは今となっちゃどうでもいいが、5年前で覚えているってのはそれくらいのことだ。

ああでも、やっぱり長えよ、あと5歳も年食っちまうってことで、その分死に近づくことにもなる。5年間、心を無にして働いて自由になったあとも、死ぬまでの間の5年間を浪費しちまっていることにもなる。

それなら、いっそ5年間スキップして、違うことに賭けてみるってことはできる。でも、それができるか、オレに。そんな大それたこと、今までできる人間じゃなかった。

だから、こうやって、仕事を辞めるまでの5年間をどうやって耐え忍ぶかなんて、みみっちいことに拘泥している人間に成り下がってるんだろ？