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総合内科専門医/第138問(膠原病)/2019

総合内科専門医試験
2019年度予想

42歳の男性。関節痛と皮疹とを主訴に来院した。以前から皮疹をよく認めていたが、約3か月前から背部の皮疹が拡大してきた。同時期から、手指の関節痛、腰痛および殿部痛を自覚するようになった。貼付剤で様子をみていたが、改善しないため受診した。意識は清明。体温36.5℃。心音と呼吸音とに異常を認めない。上腕部と背部とに皮疹を認める。両手の爪に点状陥凹を認める。両手の示指、中指、環指の遠位指節間関節〈DIP関節〉および近位指節間関節〈PIP関節〉に腫脹と圧痛とを認める。アキレス腱付着部に軽度の圧痛を認める。血液所見:赤血球452万、Hb 14.1g/dL、Ht 45%、白血球5,600、血小板16万。免疫血清学所見:CRP 0.3mg/dL、リウマトイド因子〈RF〉陰性、抗核抗体陰性。背部の写真を別に示す。

この患者でみられにくいものはどれか。1つ選べ。
a. 角化性紅斑
b. 尋常性乾癬
c. 仙腸関節炎
d. 末梢性関節炎
e. 多発単神経炎

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解答

e

解説

背部の皮疹と関節痛。皮疹の写真からは落屑を伴う隆起性紅斑がみられており、乾癬性関節炎を疑う。アキレス腱付着部の圧痛も、同部位の炎症によるものと考えられる。
a. b. 正しい。尋常性乾癬としてみられる。
c. 正しい。仙腸関節炎は、乾癬性関節炎の一症候としてみられる。
d. 正しい。皮疹とともに関節の変形・疼痛がみられることがある(下記画像参照)
e. 誤り。乾癬性関節炎では見られず、血管炎で見られる。

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