自転車旅 第14話 『再出発 』
・きっかけ
・6月11日。
京都に到着してから9日が経過した。
その間、特に何をしていた訳でもなく、
ただ京都の喫茶店や銭湯を周り呆けていた。
旅の疲れなんてものはとっくに癒え、1周まわって何もしなさ過ぎて疲れるくらいには京都にいた。
何故か一歩が出なかった。
何回か、旅をスタートしようと試みた。
が、そんな時に限って大雨なことが多い。
盆地なのにそんなに降るんかい。
てな感じで出鼻をくじかれ、進めずにいた。
ニートに逆戻りしてしまった僕らは京都の外、いやもはや自宅から出るのすら億劫になってしまっていた。
そんなとき、ある1つの事象が僕達を少しだけ変えた。
僕には同い年なのに師弟関係がある友人がいる。
名前はアキバ。
大学の同期であり、一応僕の弟子ということになっている。
多分ここ何年でずっと行動を共にしてるのはアキバだけであり、多い月は3分の2くらい一緒にいる。半同棲のカップルより多いかもしれない。
そんなアキバが、京都に来たのだ。
昼間電話してる時にテキトーに放った一言。「暇だから来いよ」
その4時間後、アキバは京都へ来た。
なんちゅう早さ。さすがに引いた。
たまたま韓国料理屋でご飯を食べていたところに登場したアキバ。僕らはお酒を嗜んでいたので、彼も参加。
マッコリをひと口とレモンサワー半分。
彼が飲んだお酒だ。
だがみてくれ、並んだ水とコーラのコップの量。
おい大丈夫か?
相棒も流石に心配をし出す。
そう、アキバは死ぬほどお酒が弱いのだ。
京都に到着してから約1時間。アキバは吐いた。
なんちゅう早さ。流石に申し訳なくなった。
母上の自宅に連れていくと、アキバは秒で寝てしまった。
アキバ。京都を嫌いにならないでくれ。
・6月12日
アキバがせっかく京都に来てくれたにも関わらず、京都を楽しまないまま終わるのは可哀想なので、観光することにした。
今まで僕と相棒が10日かけて見つけた京都の良いところをふんだんに案内した。
二年坂や美味しい飯屋に行き、鴨川でゆったりしたり、満喫。
アキバは明日には京都を出て大阪を観光するらしく、それなら僕らも大阪に行くか。とう言うことになり、出発することに。
再スタート
・6月12日。
快晴。
アキバが家を出るタイミングで僕らも出発した。
1度殻に閉じこもってしまった僕らをなんとか外に出してくれたアキバに感謝したい。アキバが来なかったらどうなっていただろうか。。
ということで再スタート。今日は大阪を目指す。
久しぶりのチャリ。
全然前のことでもないのに、何故だか懐かしい。
昼飯。おにぎりと安いパン。このセットだけで旅を感じられる。
久しぶりに運動(?)をしたことと、久しぶりの猛暑で体力の消耗は激しい。
途中ぶっ倒れそうになった。
まだ、過去の慣れがあるらしく、ペースは前と同じ、いやそれ以上のペースを保って大阪に進んだ。
昼前に出発し、17時くらいには大阪に到着。
アキバは先に大阪に着いていたので合流。
せっかくなのでお好み焼きを食べに行くことに。
おおふ、、、。
これまた贅沢品。
やってしまった。
お味は最高。
相棒が大阪行くなら絶対にお好み焼きを食べたいと言っていたので食べに来たけど完全に正解。
少し大阪を満喫したあとアキバが東京に帰った。
ありがとう、アキバ。
ということで僕達はこれから山口県の方を目指して進む。
少しばかり再開に時間がかかったけど、第2章のスタートだ。
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