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物欲が家出した

ここ数年間、物欲が全然ない。
勿論、全くないわけじゃない。衝動的に心がときめいて「欲しい!」と思った服は絶対買ってるし、沼落ちしたアニメ作品は円盤ことポチっている。

ただ、数年前に比べると、「欲しい!」と思う頻度は明らかに減っているし、欲しいものを尋ねられても、すぐに答えられないことが増えた。

元々の性格的なところはあるかもしれない。
私は生粋のドケチだ。
ドラッグストアに行ってはネットの価格と比べ、ドラッグストアの方が安ければその場で買うし、ネットの方が安ければその場を立ち去る。
いらないものは少しでもお金にならないかとメルカリ等に出品するし、電車の切符ひとつでもチケット屋を覗いて安いものを購入する。

こういった性格もあり、「これは後々いらなくなるな」と思ったものは買わない。
それは推しのグッズであっても。服ですら、自分の中で何回、何年着られそうかを計算する。

ただ、中学生〜高校生の頃は、ドケチであっても比較的欲があったように思う。
高校生の時に原宿に行ったら、狂ったように服を買った。どれもこれもキラキラして見えて、トキメキばかりだった。

コトブキヤのラバストも好きだった。
あの絶妙な可愛さがたまらなくて、好きな作品からラバストが発売したら、めちゃくちゃ食いついた。

そんな感じで、かつてはしっかり物欲があったような気がするのだ。
それに比べると、今は全然ない。半分以下。三分の一もあるか怪しい。

私が物を購入する時の判断基準は「トキメキ」だ。
ときめいたら買うし、ときめかなければ買わない。

もしかすると、物欲の家出の原因はこれなのかもしれない。
大人になるにつれて、トキメキが減っているのも確かだと思う。
感受性が枯れてしまったのだろうか。
もしそうであるならば、少し悲しい。

ただ、そのおかげで無駄遣いも減った。そりゃそうだ。買う回数が減ってるのだから。
社会人になって、収入が増えて。買えるものも増えたのに、欲しい物もあまりなく、預金残高だけが増えるので、相場を見ながら投信ばかり買っている。

預金残高が増えるのはいいことだけど、20代は期限付き。あと数年しかアラサーは名乗れない。
20代のうちにしか使えないようなお金の使い方をしたほうがいいとすごく思うのに、海外もあんまり興味ないし、そもそも行きにくいし、やっぱり欲がない。

やはり自己投資か……と思いつつ、歯の矯正は子供のときにやったのに失敗している為、気が進まないし、そもそもあそこまでホイッと出せる預金残高の余裕はない。
脱毛は全回数消化してから更新してないので、これはそろそろ行くべきだなと思う。
思うけど面倒くさい。そして、このままだと多分将来後悔する。

物欲の枯れたアラサー。経済を全然回さない社会の歯車。
錆びついた歯車は、ゾンビのように呻く。
「物欲が欲しい。購買意欲が欲しい。金融商品以外の投資意欲が欲しい」と。
結局のところ、心をキラキラと、きらめかせたいだけなのだ。

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