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(染色9)四本貴資先生のブロックプリント〜染色技法編・型のり着色防染〜

女子美時代の先生で、芹沢銈介さんのお弟子さん
であり、東京造形大学の先生だった四本先生
少年のような笑顔で工房にいらっしゃったのが印象的だった

赤 橙 茶 濃厚な赤い布

四本先生の赤といえば良いのか、濃厚な赤の印象が強いのだが、同時にブロックプリントを追求した工芸家
そのブロックプリントの手法は、型のりに染料を入れ込んだ着色防染による手捺染
って書いてて、これ意味がわかる人が世の中にどのぐらいいるんだろう

インドのブロックプリントに引き込まれて、染めの世界に舞い戻った今、ブロックプリントに型のりを使っている人に辿り着いていないのだ
大好きな四本先生が他界されて久しく、誰か引き継いでいる人は居ないんだろうか

四本先生のブロックプリント(部分)

四本先生の作品がネット上に殆どなかったので作品集を購入した
本から伝わる先生の熱量と懐かしさ
確か女子美の2年生の時が、捺染の授業だった

女子美での捺染は、型紙と型のりを使った染め方

伝統的な型染めとの違いは、型染めが型紙でのりを置いて防染して引き染めするのに対して、捺染は型のりに染料を入れて着色防染といって、直接色のりを布に置くのだ

最近になって知ったのだが、この手順を考えたのが四本先生らしい(違っていたら、どなたか教えてください)

確かに、あまり他所で聞かない染め方なのだ
ブロックプリントを染めようと思い試行錯誤していた時に、京都の田中直染料店で型のりに染料を入れる話をすると、それは知りませんよという感じだったし、注染(主に浴衣を染める)、型染め
、紅型とか型紙と型のりを使う染め方は現存しているけれど、女子美で習った型のりに染料を入れる捺染は、私は他所では見ていない

これも四本先生のブロックプリント

地色が白では無い(白場を残すことは可能だけれど)染め方なのでコックリ仕上がる
2年生の授業では、ずっと型紙を使っていたのだけれど、最後の最後に段ボールを使ったブロックプリントを染めた

筒画きしてから段ボールブロックで着色
最後はしごきと言って地色を布全面にのり置き
今から思うと、かなり大胆な染め方

黒で筒画き→色々段ボールブロックで着色
→最後に地色のオレンジ
私の学生時代の作品の一部

着色防染といって、着色した部分が同時に防染されるので、どんどん色を重ねられる
のりの厚み次第で防染力に差があるので全体に地色が効いている
直接染料のシリアス染料を使っているが、透明感というよりもコックリ染まっている

久々にやってみようかな
四本先生のブロックプリントを真似て
型のりの着色防染のブロックプリント
ちなみに、この手法の場合の染料の定着は蒸し
蒸したくないって気分は既に吹っ飛んでいるのでやるべきなのか、な

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