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『 制作 』 .2



『 試行錯誤 』 .1


『 制作 』.1
 で紹介したように、岩絵具の制作に何となく違和感 や もどかしさ を感じるようになってから試行錯誤が始まりました。
何と言っても 薄い絵の具を 塗って塗って塗り重ねるその工程や、ボリューム感の出ないそのテクスチャーに段々ともどかしさを感じ始めるようになったのが一番の原因でしょう。平面的なモチーフならまだいいのですが、形の強いものなどはグッと突っ込めるものが欲しいのです。間接的なものでは無く、直接的な手段が欲しくなって来た様です。
しかしながら、岩絵具の独特の色彩は欲しかったので、まず考えたのは溶剤に使っていたアクリルのマットメディウムに水を入れて薄めていたのを、薄めずにそのままの原液を直接 岩絵具に混ぜ、それを画面に塗る事を試してみました。しかし、それでは岩絵具の隠蔽力の無さをさらに増長させてしまう事になって失敗でした。そこで 次に試みたのは、岩絵具では粒子が粗すぎるのならば、同じ岩絵具でも粒子の一番細かい、岩絵具の白(びゃく)を使ってはどうかと思いたち、同じ様にメディウムを直接混ぜて塗ってみたところ、これは結果が良く、色は岩絵具と同様に美しく、今度は割とボリュームをつけて塗れるとあって、これは使える!という事になりました。しかし、岩絵具の場合は乾くと明るくなったのに比べて、今度は逆に乾くと暗くなってしまうのです。せっかく岩絵具の乾くと明るくなる変化にようやく慣れ、思う様な色を出せるようになったのに、また今度はこの変化に順応しなければならなくなってしまいました。またもやこの作業に長い時間を費やさねばなりません。そしてさらに恐ろしい事に岩絵具の白(びゃく)を買い揃えなければならないのです!!!

こちらは、その頃の岩絵具の白(びゃく)を使っていた頃の作品です。


『 作品 』




以前のものに比べると、だいぶ自由に描けるようになったと思います。段々とこちらの方向に流れていく事になります。








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