見出し画像

私という人 〜人間不信〜

高校入学のタイミングで

暗かった過去の自分と別れ

大変身を遂げた私は

毎日笑っていました。

塞ぎ込んでいた自分を

忘れてしまうほどに。

背後で感じる視線を気にする事はなく

楽しい日々は

あっという間に過ぎました。

高校一年の冬

私に視線を送っていたのは

退学していったI。

私の目の前へ現れ

「久しぶり」「元気そうだね」と

微笑んでいました。

彼女は何か企んでいる

また私を攻撃しようとしている

と身構えましたが

その日は挨拶程度の会話で

終わりました。

なんだか気持ちが悪い

嫌味の一つもなく

終始笑っていた彼女は

何を考えているのだろう。

突然の再会より

Iに会う回数が多くなり

私は

遊ぶ町が同じなだけと

疑う事なく日々を送っていましたが

それは大きな間違い。

いつも私と遊んでいたNは

遊ぶ予定や場所をIへ

伝えていたのです。

そんな事とは知らない私

最寄りの駅で待ち伏せをされ

Iが温めていた恨みを

買うこととなったのです。

季節は冬

辺りが暗くなったころ

駅に着いた私を待っていたのは

Iです。

Iの後ろには三人の女の子が

立っていました。

「よく会うね」と笑っています。

「いろいろ教えてくれる奴いるんだよ」
「あんたが仲良しごっこしてる子ね」

と自分はすべてお見通しだと

そう言いながら

寄ってきた瞬間に私は殴られ

後方へ飛ばされていました。

ゆっくりと目を開け

Iに殴り飛ばされた事を理解し

立ち上がろうとすると

Iは馬乗りになり

私の髪を引っ張り

顔を殴り続けていました。

反応のない私が面白くなかったのか

「もういい」と

連れとともに去っていきました。

私はIの後ろ姿を見ながら

Iは満足していない。

再び私の前に現れる。

そう感じてしまいました。

私が友達と思っていたNは

何も知らないような顔をして

普段通り私と会話をしている。

いったい何を考えているのだろう。

私はNに何か気に障ることを

したのだろうか?

あの子も、この子も、その子も

みんなIと繋がっているのか?

誰も信用できない。

笑顔の裏で何を考えているのか

私には分からない。

ある日

通学電車内でクラスメートⅯから

声を掛けられました。

Ⅿとはほとんど会話をした事がなく

通学電車が同じことも知りませんでした。

「またIに待ち伏せされるよ」
「〇日に〇〇駅だって」
「サボって家にいたほうが良いよ」と

話していました。

どうして待ち伏せすることを

知っているのだろう。

そして「また」と言うことは

二度目である事を知っている。

どうして教えてくれたのだろう。

Ⅿの考えていることを

汲み取ることが出来ませんでした。

そして

Ⅿが話していた日

私は外出せず家にいました。

PHSに着信があり出てみると

Nでした。

「どうして休んだの?」
「元気なら学校は良いから遊ぼうよ」
「〇〇先輩に誘われたからさ来てよ」

と何とか私を外へ出したい気持ちが

隠せないようです。

しびれを切らし

「あんたに謝りたいんだって!」
「いいから出てきなよ!」

冷静な私は聞き返します。

「誰が?」


・・・・・・・・続く





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?