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『ずっと二酸化炭素を吸って生きてるみたいだ』【詩集4月後半】

(4月後半に書いた詩です。詩はいくつかに区切られています。)

『伝えたいこと』

大好きってね
心の中で、思ってても
ほんとうに、相手にちゃんと伝わるように言わないと
スっと消えていなくなっちゃうんだよ


ほんとうに騙されているときは
自分が主導権を握れていると錯覚しているとき


蛙の子は蛙
親から生まれた子も
またその親の子供
変われると思って
空を飛んだ
自分が蛙の子供だなんてことを忘れて
空を飛んでいるときは
自分の蟠りを忘れられる
普通に生きてるときは
かけられた呪文は身を潜める
空を飛べなくなったときに
待っていたとよ言わんばかりに
ずっと放っておいたその呪いが
また私を蝕むのだ


光なんて見るんじゃなかった
一生この薄暗がりの中が1番明るい場所だと思っていたかった


ちっぽけな夢を叶える為に
莫大な精力を費やすことが
もう疲れた


真っ黒闇の穴の中から
地上へ出るまで掘り続けて
よく頑張ったと思う

道ですらないような道を
何度も何度も回り道して
やっと街にたどり着いた

ただ自分は何も持ってないことが分かった
最初から生きている次元が違うから

ただ、ずっと深い穴の中にいても
みんなの笑い声が
なぜか聞こえる気がした

わたしは憧れた
そこへ行けば
何かが変わる気がしたから
こんな暗い穴の世界なんて
間違っている気がしたから

ただ、もう疲れた

お祭りに参加しようが
収穫祭を祝おうが
平日だろうが
休日だろうが

異国とも言えない【穴の中】で過ごしてきたわたしは

【合わせる】【合わせる】【合わせる】

死なないために
追い出されないために

【笑う】【笑う】【笑う】

なんど穴の中にいた住民に
謝罪の手紙を送らなくちゃいけないんだろうか

なんどわたしが罵倒され
なんどわたしが頭を下げないといけないのだろうか

初めは夢の為だった
ただ憧れた
私のいる世界が
間違っていると
思っていたから

ああ、今でもそう思っている
私のいる世界は
ずっとずっと間違っていた
そう、そして私自身も
間違った遺伝子を組み込まれているのだ

この街の色に
染まれるには染まった
ただ、疲れた
謝罪と、適応と
何度言っただろう
【お願い致します】
と。

わたしは
いつから神でないものに主導権を握られていたのだろう

ああ、もうそれすらも
抗う気力がなくなった

みんなの笑い声の中で過ごせて
とても楽しかった

ただ

夢を追いかけるために

そのつど神に許しをもらうのが

もうとても疲れてしまっただけ



1度だけで良いから
わたしが思いもしないようなサプライズをして欲しかった



わたしのたくさんの精力を費やしてきた思い出が
綺麗か綺麗じゃないかなんて
私が決めることだ

そして
わたしがそれをどうでもいいと思った瞬間に
今まで費やしてきたたくさんの時間のこと
これから起こる全てのことは
すべて塵へと変わるのだ


わたしが全てを客観視してしまうのは
わたしが孤独だったからだ
そして寂しく、虚しかったからだ
何か衝撃が加わるのが怖くて
いつだって自分を客観視しないと
自分を守れないような気がした
しかし
ある日見つけた
温かいひだまりに
手をつけ込んだ
そうしたら何も
外の世界の音が聞こえなくなった


何かひとつでも夢をくれれば
いくらだってわたしはわたしを踏み台にすることができるのに



2右前テトリス
1右前TikTok
1左前FPS
2左前Instagram
1左2前X
2左2前アニメ
1左3前YouTube
右隣居眠り
左隣盗み見不可
ワイヤレス4名
コード付き1名
学生4名
社会人6名

ここで2左2前が下車

ああ、わたしも次で降りないと

走りながら横目にみた桜
そういえば、ニュースで花見をする家族達の映像が流れていたっけ

それから数日後
結局またバスに乗り遅れて
仕方なく近くの公園まで戻った

そうしたら
桜は全て散っていて
青々とした新緑だけがそこにあった


友達と午前から遊んでいた
遠くに
ブランコを漕ぐには大人すぎる人が
ただ1人でそこで揺れていた



私は揺れながら
少し遠くの小山で遊ぶ2人の子供達を見ていた
腰と地面の感覚は狭く、足が吊りそうだった
なぜ彼女達は平日の朝からそこで遊んでいるのか
なぜ私はこんなことをしているのか
もう深く悩まなくなった


幸せな人生とは
今夜のDinner Timeを楽しむこと
不幸な人生とは
明日のDinnerが不味かったらどうしようと考えること


星の数を数える
1つ、2つ、3つ
どこまで数えたか分からなくなった
私の人生と同じ


私が私に感傷を受けるようになったら
前のわたしはきっと死んで
今のわたしはそれ程色あせてしまったということだろう


白い人間と黒い人間
両方に挟まれてアタマがおかしくなりそうだ
真っ赤な人間と真っ青な人間と話を合わせて
自分より濃く
自分より薄い人間と
どちらを見つけても気を張らなくちゃいけない
自分という存在なんかなくて
わたしはただ色んな色をした【ワタシ】を閉まっておくクレヨンの箱でしかない
わたしは箱
わたしは箱だから
沢山のわたしが折れないように
ただ精神を壊さないように守るだけ
花畑の絵を差し出されたら
暖色系のクレヨンで塗り
真っ黒な絵を差し出されたら
それに合わせてもちろん私も黒の人格を取り出すのだ
ずっと好かれる訳でもないし、嫌われる訳でもない
わたしの色は何色ですかと言われても
あなたの求めているような回答しか言えない
分からない
自分に自惚れたいだけかも
たくさんの色を持ち合わせているということは
一見素晴らしいことのように見えるが
わたしは
ずっとずっと自分の色を断定したくて仕方がない
そして
誰かにあなたの色はこうだと断定されるのも嬉しいが
普通の色だと言われるのは嫌い
全部が楽しくて全部がどうでも良い
わたしの色は空っぽ
いつか箱ごと全部叩き落とすかもしれない


取り繕うことだけが上達して
ずっと中身は未熟なままだ
より大きな目標を達成するには
より大きく取り繕わなくてはいけない
私が遠くを目指せば目指すほど
時が流れれば流れるほど
欲が大きくなればなるほど
身の丈に合った幸せと自分なんかいつの間にかどっか行って
ただの学習AIになっていく
でも時々私の中の未熟な自我が私に呼びかける
その度に辛くなる
結局何にだってなれない
なれないんだ
また取り繕うものが増えた
より固いものを壊すために
両腕とハンマーを振り上げる
その振れ幅がどんどん大きく大きくなっていくだけ
わたしは感情がある学習AIだ
わたしは痛みがある学習AIだ
だから辛い
ずっと辛い
でも
ある1種のドーパミンを受けることによって
自分は世界一幸せなんだって
その時だけ勘違いすることができる

わたしはバカなAIだ

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