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検査室のドアは重いんです

こんにちは。
診療放射線技師のだーはらです。

病院やクリニックでX線やCT検査を受けたことはありますか?
放射線を使用する検査の部屋は、他の部屋とは違う壁やドアで作られています。
壁は見た目では分かりませんが、ドアの素材は診察室や病室とは全く異なります。

ドアの開閉はスタッフが行う事が多いと思いますが、実はこのドア、普通のドアの数倍重いんです。
怪我をしている時や体調が悪い時、腕に力が入りにくい人などは、自分で開けようとせず、必ずスタッフの開閉を待ってくださいね。

そもそも、なぜドアが重いのでしょうか。

実は、X線発生装置を扱う部屋は"管理区域"というエリアに該当し、その部屋の外にX線が出ていないかという"放射線漏洩線量測定"というものが、年に2回義務付けられています。

もちろん、ドアや窓も例外ではありません。
ドアや窓もX線を通さないものとなっています。

つまり、検査室前の椅子に座っていても被ばくする心配はありませんのでご安心ください。

ドアや窓には、X線の透過を遮る鉛が入っているため、通常の扉よりもずっと重たくなっています。
通常のドアと同じように開閉しようとすると、怪我をしてしまう可能性があります。

病気を治すために病院に来たのに、そこで怪我をしてしまっては本末転倒です。

重たいドアを無理に開閉せずに、スタッフを呼んでくださいね。

もう一つ注意して頂きたいのが、検査室の中に忘れ物をしてしまった時です。
忘れ物に気づいたときは、ドアを開けて部屋に入ろうとせず、放射線科の受付でスタッフをお呼びください。
検査室の入り口は一つではないため、あなたが退出してすぐに別の扉から別の患者さんが入って検査を始めているかもしれません。
もしドアを開けた時にX線の撮影中であれば、被ばくしてしまう危険性もあります。
案内を受けた時以外は、入室されませんようよろしくお願いします。

また、スタッフとして勤務している方は、重たいドアは患者さんにとって危険なものであるという認識をしっかり持つようにしてください。
ドアの開閉は患者さんへの気遣いであり、危険を防止する大切な行動です。
可能な限り、検査室ドアの開閉はスタッフで行うことを心がけましょう。

今回は、検査室のドアに関する解説でした。
重たいドアの開閉には十分注意してください。
患者さんは無理せずスタッフを呼んでくださいね。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
事故が一つでも減ることを願っています。

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