見出し画像

脳梗塞から5カ月

ビリー・ジーン・キングcupの日比野奈緒戦を見ながら、noteを読んでいた。

あやまなママさんのこのnoteに大きく頷いた。
わたしの場合、脳梗塞はかなり軽症で済んだからそれほどでもないけれど、1型糖尿病のあとは同じ思いを始終していた。

「元気?」と聞かれると返事に詰まる。いちおう、普通に暮らしているけれど、前と同じ状態じゃないから、元気じゃない。そんな捻くれた気分に悩まされたものだ。

今はほぼ、あやまなママさんの言う「大人の気分」で微笑んでいられる。子どものわたしは、大抵はおとなしくしているけれど、時々かまってあげたほうが良いのかもしれないとも思う。ほったらかしだと爆発してしまうこともあるようだから。

先日、ご近所さんに出くわして
「いつも本当にお変わりなくて。お元気そうで」
と、言われて思わず
「こう見えて、病気だらけなんですよ」
と、言ってしまった。
滅多に出くわさないのに、会うたびに何故かこう言われる。良い加減うんざりしていた。はっきり言わなきゃ伝わらないとプンプンした思いで発した言葉は、相手の心を突き刺してしまったようだ。

実際、「お元気そう」とか「元気?」という言葉に意味なんかない。習慣で普通に軽い挨拶のひとつにすぎない。そんな言葉に反応してしまうこと自体、哀しいけれども、これからも同じことはあるんだろう。
地団駄踏んで悔しがる子どものわたしをどうなだめたらいいんだろう。こうやって書くことが、多少なりとも発散に繋がるかもしれないと思いながら書いている。

気がつけば、脳梗塞を発症し、退院してから5カ月が過ぎた。
昨日、今日と8時間以上たっぷり眠れた。5時6時に目が覚めても、すぐに眠れる。ふとんのなかで時計を見ながら、まだ6時かぁとかなんとか思いつつ眠りに入る、かつてのわたしに戻ってきた。
3月半ばごろまでは、その時間ならしっかり目が覚め、起きてしまっていたはずなのにね。

血圧もグーンと下がった。今朝は115-62。
眠れるのは血圧も関係しているのか。ヤクルト1000のシロタ株がここへきてようやく定着してくれたとか?
この調子を維持して、何とか再発はくい止めたい。

1型糖尿病のほうも4月に入ってから日々、驚くほど血糖が安定し始め、基礎インスリン増量実験が功を奏しているようだ。

腰は痛いけれどね。脳梗塞のせいで、弱った筋肉の影響で腰痛が出たんじゃないかと思ってみたところで、腰痛を治したければ整形外科で手術ということになる。
脳梗塞のせいなのか老化のせいなのかなんて、原因は関係ない。傷んでいるから直す。そういうことらしい。

手術はもう絶対、嫌だから、筋肉をつけて頑張ってみよう。お散歩するのは、いい季節になったしね。

月末には糖尿の定期検診と眼科のゴールドマン視野の検査がある。視野検査は、脳梗塞の影響が疑われるのだけれど、脳梗塞なら左に見えない部分がありそうなのに、右側に視野欠損があるというので、再検査となった。

同じ病気の人のnoteなどを拝見すると、脳梗塞の影響はリハビリ病院などで検査を受けるなどして、判明したりしているっぽい印象なのだけれども、リハビリ病院なしに急性期病院のみで退院できてしまった私は、行きつけの病院であっちこっちの科にかかり、あっちこっちの不具合を確かめざるをえないということらしい。

脳神経内科の先生がアドバイスしてくれるものと思っていたけれど、薬を出すだけで何も言ってくれない。聞けば、答えは返ってくるけれども、何を聞けば良いかもわからないので、同じ病気の方のnoteはほんとうに参考になる。
最近、できなくなったことが、ただの老化なのか脳梗塞の影響なのかを次回に検診時に聞くことができるから。
腰痛と同じで、脳梗塞のせいかどうかなんて問題じゃないかもしれないけれど、原因がわかると我慢もできるし、対処法もいろいろ考えられるじゃないか。

と、書いていて思い出した。
発症直後、意識しないうちに物を落とすことがよくあった。でも、そういうことはすっかりなくなっている。
落とすのは、左側に持ったものばかりだった。普通、落とすときには、あっ落ちるという感覚がある。手が滑ってとか指が離れたとか、そういう感覚があるものだ。それがまったくないまま、スポーンと落としてしまうのだ。

哀しかったのは、買ったばかりの日本酒。田舎に帰ったとき、お土産に新年限定の日本酒を、わざわざ遠くの酒店まで行って買ったのだけれど、お店から出て歩いている途中で、いきなりパーンと酒瓶がくだけ散った。ビニールの買い物袋のなかに入っていたから、ガラスが飛び散ることはなかったけれど、お酒はすべて渇いた道路が飲み込んでしまった。

落とす感覚、落とした感覚、まったくない。ただ、ただ落ちていてほんとうに驚いた。

でも、そんなこともこの2カ月ほどは全くといっていいほどなくなった。その症状にさえ気づかぬうちに、少しずつ快復しているところもあるらしい。ダメになった脳細胞の代わりに働く神経ルートが少しずつ少しずつできている退院5カ月なのだろうと思いたい。

自分の身体と向き合って、いい状況にもっていくことが、子どものわたしをなだめる最良の方法なのかなという気がしてきた。

チビぷれちゃん、大丈夫よ。
いまなら胸をはって「元気」って言える。
あっ、日比野も大接戦の末に勝ったね♪



写真は2014年10月19日の皆既月食。
明るく光が戻ってきつつある感じを選んでみました。

この記事が参加している募集

振り返りnote

いただいたサポートは、これからも書き続けるための大きな糧となることでしょう。クリエイターとしての活動費に使わせていただきます!