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Pure PC Audioのページをアップデートしました


Pure PC Audio


Pure PC Audioのページをアップデートしました。

これは一体何のページ?
と思われる方は少なくないでしょう。

一言で言えばこれは
Linux Audio Network Player
作成方法について記載したサイトです。


どうしてわざわざそんなページを作ったのか、
ということについてここでもう一度きちんとお示ししておきたいと思います。

まずは私のオーディオ遍歴から。

私が中学の頃、世の中では「ステレオ」が流行していました。
大型のステレオセットを一家に一セットというのがステータスとされていた時代です。自家用車は所有していない方がまだまだ多かった時代です。

このごろはオーディオといえば大型セットはすっかり姿を消してしまい、あったとしてもせいぜい卓上小型タイプ。むしろオーディオといえばAppleのジョッブズが創造した
iPod
から始まる「ヘッドホン・イヤホンを用いた手軽で便利なタイプ」にすっかり移り変わってしまいました。さらにいえば大きくて音のいいヘッドホンよりも小型のイヤホンタイプの方が売れる時代です。

でも当時は美しくて大きなレコードプレーヤー、アンプとスピーカーを応接間にドーンと据えてあるステータスでした。しかしそういった大型機器を持っておられた方々が本当に音楽を真摯に聴いておられたかどうかはちょっと怪しい部分もありますが。いずれにせよこれがステータスの一つとしてある程度広まっており、それに伴って多くのオーディオ会社がたくさんの製品を作っていました。

そのような状況でしたが、私はステータスではなく美しい音楽を聴くこと自体に興味を強く持ってステレオセットをねだりました。

しばらくのちようやく念願が叶い我が家にもステレオセットがやってきました。その頃新発売された4チャンネルステレオです。最初にデモンストレーションテープを聴いた時は音の立体感にびっくりしたことを覚えています。


こんな感じの4チャンネルステレオ

その頃すでに世の中には本格的な純粋オーディオの世界もちゃんとあって、
いわゆるセパレートアンプ、チューナーそしてスピーカーをそれぞれ導入して組み合わせて使うという人たちも結構おられました。ですが私はそれよりも4チャンネルステレオに興味を持ちこんなふうな大型のセットを買ってもらったのです。

我が家にステレオセットが到着した時から音源ソフトであるレコードの購入が始まりました。本当に色々買いました。当初、父は私にヨハンシュトラウスのウインナーワルツとベートーヴェン田園交響曲のレコードを買ってくれたのを覚えています。そのレコードは今となっては手元にありませんがジャケットの画像もはっきりと覚えています。後者はウイルヘルムケンプ指揮のものでした。

小遣いを貯めてはレコードを買い漁っていましたが、当時2千円前後くらいの値段でした。今考えてみれば結構高いです。自分の小遣いで買うのですから安い方がいいということで、千円シリーズをたくさん買ったりしもていました。はっきり言って演奏や録音の良し悪しなどまではさほど考えたことなどありませんでした。当時の私にとってはみな素晴らしい演奏でした。結構いい音だなあと思って聴いていました。

4チャンネルステレオを買ってもらったのだから4チャンネルレコードを買わなくちゃなりません。でも普通のレコードより高かったです。たしか3千円以上しました。高価でなかなか買えなかったのと、そもそも音源数が少なくこれが欲しい!というものもさほどありませんでした。その後、4チャンネルステレオはさほど流行せずいつのまにか廃ってしまいました。

その頃、エアチェックというのが流行っていました。AMと比べてはるかに音のいいFMステレオ放送をテープに録音して聴くものです。録音用のテープには大型オープンリール式がありましたがテープ自体高価でした。それに加えてカセットテープ式のものがいろいろ出はじめていました。その頃登場したのがドルビーノイズリダクション方式です。ノイズの多いカセットテープのノイズを劇的に減らす方法として登場し、これに対応していると謳っているテープもいろいろ販売されていたものです。

ノイズといえばカセットテープもそうですが、オープンリール式のものでもFM放送やレコードを録音して聴いてみますとどうしてもノイズが乗ってしまいます。それを改善するのがこのドルビーシステムですが、でも何だか音が少しぼやけることを感じました。

Dolby logo

レコードはレコードでチプチノイズがどうしてもでます。またレコードを傷つけてしまいますとバチっという大きな雑音もでます。そんなの気にしなければいいのですが、やっぱりどうしても気になります。静かな演奏中にプチプチたまにブチと雑音が出て邪魔をしてしまうのがどうしても気になりました。レコードの雑音を減らすという器具やスプレーなども販売されていて色々試しましたがあまり効果はあったような気はしませんでした。レコード屋のおやじにも色々相談したりもしましたが、結局レコードは「そんなもの」でした。

そして今現在、レコードが見直されて世の一部の人たちを中心にもてはやされているようですが、私が使っていたシステムが貧相だったためなのかどうか、レコードの音がものすごくよかった!とは今でも正直感じません。それよりノイズの方が気になりました。

アナログコードやテープの次に登場したのがDATと呼ばれるデジタル録音方式のテープ録音でした。AKAIという会社のものが有名でした。ノイズの心配がなくて音もいいということでおもしろそうだとは思いましたが、これを媒介とした音源はほぼ発売されることもいつの間にか廃れたので私自身は買ったことも使ったこともありませんでした。

そしてCDの登場です。これはそれこそノイズがなくてしかもとても音がいい!と登場し、そののち音源ソフトも充実してきました。当然オーディオの世界もこれで発展したところが大いにあります。もちろんアナログオーディオも盛んでしたが、このCDの登場によってレコード業界はすっかり様変わりしました。レコード屋がCD屋になってしまったのです。ただ、私はその頃オーディオ熱が冷めておりまして、CDなんかどうでもいいやとCDの世界に突入することはありませんでした。

その後もCDは発展してゆきました。それまでのレコード音源はほぼ全てCDに置き換わり、新譜もほぼCDだけ発売という状況となってしまいました。また、テープ録音はMDが登場して以来、ノイズの少ない綺麗な音で録音ができるようになりました。しかし仕事で忙しかった私はMDも導入することなく、それまで持っていたレコードをたまに聴いて楽しむくらいでした。

その後、オーディオに再び興味を持ち始め、CDプレーヤーやアンプなどを揃えました。CDドライブはパソコンにも付いておりCD音源がリッピングできることに気づいて試したのがPCオーディオです。当時、Macを主に使っていた私はMacを使って音楽を再生できることを知っていましたので、これをオーディオセットと連携して使ったらどうなるの?と考え実行に移しました。中古でアンプを追加購入したりスピーカーを揃えたり、そして音楽再生の要であるCDプレーヤーを買ったりしていましたが、しだいに「オーディオの泥沼」に入り込んでゆきました。オークションで購入したCDプレーヤーを中心としてLuxmanのプリメインアンプやら中型のスピーカーなど安価な高級品を購入して音楽再生を楽しんでいました。そこにこのMacを使ったPCオーディオを連携させて試したのです。

Luxman L-510

Macの出力はUSBからのデジタル経由です。デジタルなんだからCDプレーヤーだろうとMacだろうとそんなに違いはないだろうと思って聴いてみました。でも実際にMacを使って聴いてみた時、PCオーディオの薄っぺらで奥行きのない音にがっかりしたのを覚えています。同じ音源をCDプレーヤー経由で聴くのとMac経由で聴くのとを比べてみますと、天と地の差があったのです。

しかしデジタルなんだから何とかなりそうなものだ、という根本的な思いがあったので、PCオーディオの改善をいろいろなサイトや書籍などを参考に試みました。USB出力は良くなくてイーサー出力がいいとか、Macが導入したFireWire接続がいい!というような話もあって、今も現役でバリバリ使っているリサンプリングマシーンDCD-8も購入しました。

DCD-8

確かに音はそれまでのものより改善されました。透明感もあって厚みも感じられ、その音だけ聴けばまずまずのできです。これならまずまず聴けると感じたものです。しかしCDプレーヤーの音と比較して聴いてみますとやはりそこには天と地の違いがありました。ピュアオーディオとPC Audioとの間にはいくら埋めようとしても埋め切れることのない深い深い溝があると実感したのです。この溝はいかに機器を変更しようと、イコライザーで調節しようとどうやっても埋めることはできませんでした。ピュアオーディオのゆとりのある豊かな響きを持った厚みを持った音はPC Audioでは再現することはできませんでした。それ以来、PCオーディオの追求は諦め再びCD再生に戻ってしまっておりました。


ある時、ネットでDACの購買者評価ノートを見ておりますと、

Daphile


Daphile logo

というものがあってこれがとても素晴らしい音でこれまでのPC Audioとは全く違ったレベル、しかも無料‥という記載を見つけたのです。この記載を見たのがまさに私のPC Audio第二ステージの始まりでした。

タダなんだし、ものは試しとばかりにDaphileについてネットで探してみますとなんとそのホームページまであって、本当に無料でダウンロードできるようになっているではありませんか。さらにびっくりすることには、外付けUSBメモリーで作成することもできる様子。これまで私はPC AudioはMacしかないという結論に至っておりましたし、MacのCPUがPPCからIntelに変更となったおかげでこのDaphileも使えそうということで早速試しました。

Daphileを試すまでは、一番音がいいと感じたのはPPCで稼働するOS9のSoundAppというソフトウェアの再生音でした。でもその頃、OS9がOSXに変わるにつれPPCがMacから消えてしまい、「Intel入っている」になってしまっていたのです。それでもなんとか手持ちのPPC MacBook ProやらPower Mac G4 Cubeという「スタートレックのボーグの母船」のようなかっこいい透明Macを入手して使ったりしていました。それが「Intel入って」しまったためSoundAppが次第に使えなくなってしまってガックリきていた頃でした。

PPC G4 Cube

ちなみに、Mac Cubeはファンのない無音ともいえるジョッブズも愛したといわれるカッコいいMacで、PC Audioには最適ともいえるものでしたが残念なことに本体内の3.5インチHDDの音がどうしても聞こえてうるさかったのでこれを取り外し、SSDに交換してみたら稼働認識がちょっとおかしくなってしまい、仕方なく2.5インチの外付けHDDをFireWire経由でMac本体に繋ぎ、起動ディスクとして用いることによって限りなく無音に近いMac Cubeを使って楽しんでいたものです。しかしその無音Mac Cube / OS9 / SoundAppでも、やっぱり純粋オーディオには決して敵うことなく、PC Audioってそんなものと諦めていたのでした。

苦労の末、このDaphileをなんとか外付けUSBメモリーにインストールして稼働できるようになり、これを私の所有しているオーディオセットに接続して使ってみたところ確かにとんでもなくびっくりしました。

おお!これならピュアオーディオに負けていないかもしれない。

Daphileはそこまで思わせるものでした。それ以来すっかりDaphileのファンとなってしまった私はDaphileの有する様々な機能を試しました。

その頃、インターネットの世界ではネットワークオーディオストリーミングサービスが出始めていたのを見出し試しました。米国で新たに立ち上がったベンチャー会社やシンガポールあたりの会社のサービスもあったりしてそれらを利用して楽しんでおりましたが、途中、会社が倒産したり、ストーミングサービス部門が閉鎖されたりと紆余曲折がありました。その頃見出したのが

Tidal

Tidal logo

でした。Tidalはネットワーク配信の安定性を高めるべくMQAという音源データ圧縮方式でオンデマンドネットワークストリーミング配信し、再生の際にこれを展開していい音で提供するというサービスを行うという方式でした。そしてより音のいいと言われるハイレゾサービスも徐々に始めていました。なんとしてもこれを利用したい、といろいろ苦労の末VPN方式を使ってようやく契約に辿り着きました。米国での契約でした。Tidalを使って昔聴いたレコードを探し出して聴いてみたり、新曲を聴いてみたりと本当に素晴らしいサービスだと感じられました。

そしてなんとDaphileはTidalに直接アクセスして高音質でオーディオセットに出力してくれるのです。まさに至れり尽くせり、Daphileさまさまです。実際にはTidalをDaphileを使って直接聴けるようにするためには少し設定作業が必要なののですが、それらをなんとかクリアーしてTidalの高音質配信をDaphileの素晴らしい音で楽しみました。

ある日、Tidalでストリーミング再生されるZimermanのピアノの音を聞いているとき音の余韻が「ワウフラッター」のような感じで揺らぐのを感じたのです。なんだか気になり始めるといけません。他の音源ではどうか。カラヤンのブラームス交響曲第一番をはじめとして様々な音源で音の余韻をじっくりと聴いてみたところ、大小の差はあるものの、どの曲もどの曲も「ワウフラッター」のように揺らぐのです。特にドイツグラモフォンの音源でこの傾向が強かったように思います。

たまたまそのころQobuzネットワークストリーミングサービスというのがあるというのを知り、素晴らしいことにはQobuzでは88 kHzとか96 kHz、ものによっては192 kHzなど抗サンプリング周波数音源がたくさん出始めていました。一方、Tidalのハイレゾ音源数はそれに比べて少数でした。なんとしてもこれを聴きたい!と考え、MacやスマホにQobuzアプリをインストールしました。そして再生してみたところこれが結構いい音です。ところが未契約の状況では音楽再生は30秒でストップしてしまい、後は聴くことができません。やっぱりちゃんと契約しないと音楽として楽しむことができません。DaphileではQobuzに直接アクセスしてオーディオセットから素晴らしい音で再生することができるのですからこれはなんとか契約するしかありません。

Qobuz logo

Tidalの時にうまくいったVPNを使ってQobuzにアクセスして契約しようとしましたが、どうやってもうまくゆきません。どうやっても「あなたの国では利用できません」と出てきました。ところがある時ネットの書き込みでQobuzの契約がうまくいったという記載を見出し、実際その通りに行ってみたところこれをクリアー。ようやくQobuzをじっくり聴くことができようになりました。ここに至るまで2年あまり時間がかかりました。それまではTidalを使っていました。

音の比較を行ってみました。これについては以前、私の「オーディオ私見」のサイトに書き込みましたが、音全般もそうでしたが、いちばんの違いは音の余韻の「ワウフラッター」がQobuzには感じられなかったことでした。たしかにドイツグラモフォンの音源、特にやや古目のものではほんの少し感じられましたが、しかしTidalのように気になるほどのものではなく、とても自然に音楽を楽しむことのできるレベルでした。Tidalの音は余韻が強くてとてもよく響きます。TidalのMQAという圧縮方式の関係かどうか、どうもそもそもの音源に少し修飾が加わっているようです。

この時点でTidalに見切りをつけ、ちょっとお高かったですけど契約にこぎつけることのできたQobuzに乗り換えました。その後、2年くらい経ってからでしょうか、TidalもFLAC配信に乗り換えたと聞きました。ちょっと聴いた分には響きが良くていい感じに聞こえるTidalのMQA配信ですが、そのワウフラッターが不評だったのかあるいは全く別の理由なのか、TidalもQobuzと同じFLAC配信に乗り換えたようです。

話がネットワークストリーミングに行ってしまいましたが、TidalにしろQobuzにしろDaphileは直接アクセスできる優れものです。お金持ちの多いオーディオファンの間でじわっと広まりつつある「Roon」なんて必要ない、Daphileを使えばなんでもできますと感じます。このあたり、販売戦略って奴なんでしょう。Daphileを応援しましょう!

Daphileについてその仕組みなどをじっくりと勉強してゆきますと、それがごく小さいLinuxOSとmpdを基本構造として持っているということがわかりました。さらにいろいろみてゆきますとLinxu Audioという世界があってこれが結構音がいいという話です。ならばDaphileの素晴らしい音を他のLinuxと比較したいと始めたのが私のLinux Audioのはじまりでした。

世の中には本当に星の数ほどといっていいほどさまざまなLinux亜型があります。それらの中でいろいろなサイズの小さいLinux亜型にmpdをインストールしてじっくりと聴き比べてみたところ、最終的に私のPure PC Audioに記載しているように

XubuntuCore Audio


Xubuntu logo


SparkyLinux 6.7 Audio


SparkyLinux logo


の二つが優れているという結論に至りました。この二つにはそれぞれ特徴があって、XubuntuCore Audioはピュアオーディオをはじめとした高級機器で使うのに適しており、SparkyLinux Audioは小型仕様のデスクトップオーディオや大型のピュアオーディオにおいてもヴォーカルなどの押し出しを楽しむのに向いているという結論に至りました。他のLinuxオーディオもそれぞれ素晴らしいですが、この2つは最高です。なお、lightMPDはRasberry Piにインストールして使ってみた結果ではレコードのような懐かしいいい感じの音になりました。しかし、これをMacにインストールして使うことには成功しておりません。

さて、ここで気になるのは
Daphlil
との音の比較ではないでしょうか。

詳細は別に譲るとして、はっきり申し上げますと、

XubutuCore AudioとSparkyLinux AudioはDaphileよりも音が優れています。

ただ、Roonのような再生コントーラーとしてはDaphileには敵いません。最終結論として、

音源をたくさん所有していればXubuntuCore AudioあるいはSparkyLinux Audioで聴くのが素晴らしいです。

ネットワーク上のDLNAサーバーの音源やQobuzのようなネットワークストリーミングを聴くときは

RendererとしてXubuntuCore Audio / SparkyLinux Audioを用い、クライエント(コントロールアプリケーション)としてDaphileを用いるのがいいでしょう。AndroidスマホであればBubbleUPnPを用いればDaphileのように使えます。ただしDaphileをクライエントとして用いる場合、実際にはもう一台コントーラーとして別のPCあるいはスマホが必要です。

この聴き方がベスト

現時点の私のPC Audioの結論です。

これを中心としてこの度ようやくPure PC Audioのページを改訂いたしました。


2024/5/6

TimeaによるPixabayからの画像





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