企業分析の手法とOB/OG訪問(サンプル付)
私が本業であるファンドマネージャーとしての職域で企業を迅速かつ本質的に分析するためには、重要な指標に焦点を当てた効率的な方法が必要です。
1社にかけられる時間は短く、わずか30分程度で本質を得るためには、まず業界の基本情勢を把握し、それに続いて企業の戦略的ポジショニングを評価しています。
このアプローチでは、企業の財務報告、市場データ、業界レポートなどから得られる情報を効果的に活用し、迅速ながらも深い理解を目指しています。
そして、これらの情報を総合して、企業の将来性、リスク、そして価値を判断しているのです。
しかし、すべての企業がIRを出しているわけではありません(ない場合はこのセッションは読み飛ばしてください)。
IRとは、Investor Relationsの略で、日本語では「投資家向け広報」と訳されます。
このIRを行う目的は、投資家に対して、企業の経営状況や財務状況、事業戦略などについて、正確かつタイムリーに情報を提供し、企業の価値を高めることです。
IRを行うためには、企業の規模や業種、上場有無などによって、さまざまな要件を満たす必要があります。
そのため、中小企業や非上場企業などでは、IRを行うための体制やコストを整えることが難しい場合もあります。
また、IRの必要性を感じていない企業も少なくありません。
例えば、株式を公開していない企業や、株式の持ち合いが強い企業などは、IRを行う必要性が少ないと考えられます。
また、企業の経営方針や経営者の考え方によっても、IRを行うかどうかは異なります。
例えば、経営方針として、IRを重視していない企業や、経営者がIRに積極的でない企業などは、IRを行っていない可能性があります。
なお、近年では、IRの重要性が高まっており、中小企業や非上場企業でも、IRを行う企業が増えています。
また、IRのコストや手間を軽減するためのツールやサービスも登場しており、IRのハードルは下がりつつあります。
それではここから、具体的な企業分析のやり方について、どのように効率的に情報を処理し、意思決定に活かすかをお伝えします。
ここでは例として、就職人気ランキング常連の株式会社三菱UFJ銀行で説明します。
まずは、ホームページにアクセス
するとブラウザの上部に、以下のメニューが表示されます。
次に、『企業情報』をクリックすると多くの企業では以下のようなメニューが広がっていると思います。
ここから『投資家の皆様へ』や企業によっては『IR情報』をクリック
この会社の場合は、こちらですね。
これをクリックして、IR情報の画面を表示させます。
ここで見るべき資料は、『決算の短信』か『プレゼンテーション資料(2023年11月16日 投資家説明会)』のみです。
IR資料の短信は、企業が株主や投資家に向けて公開する財務状況や業績の概要を提供する文書です。
通常、四半期ごとに公表され、企業の収益性、成長性、財務健全性などが要約されています。
大抵は『決算短信』のなかに中長期計画が書かれているので、就活ではそれを読むだけで十分です。
株式会社三菱UFJ銀行の場合は、プレゼンテーション資料に記載されていました。
業界人やOB・OGから学ぶ
業界人やOB・OGに話を聞くことは、キャリア形成や就職活動において非常に有益です。
彼らから得られる現場のリアルな情報は、ウェブサイトや公式の資料では手に入らない貴重なものです。
特に、自分が所属する学校や学部からの卒業生であるOB・OGは、共感しやすく、自分のキャリアパスを考える上での参考になります。
また、これらの関係を通じて、将来的なキャリア形成の支援や仕事上のつながりを得ることも可能です。
さらに、彼らの意見は面接や企業研究においても役立つことでしょう。
しかしながら、これらの情報源にはデメリットも存在します。
個人の経験に基づく情報は、一面的で偏った見方をしている可能性があるため、様々な意見を聞くことでバランスを取ることが大切です。
また、特に推薦や紹介を受けた場合、相手に良い印象を残そうとするプレッシャーを感じることもあります。
さらに、業界人やOB・OGの話から過度な期待を持ってしまい、現実とのギャップに直面することもあります。
このようにOB・OGに話を聞く際には、これらのメリットとデメリットを理解し、得た情報を総合的に分析することが重要です。
自分からも積極的に質問し、有意義な交流を目指すことが望ましいでしょう。
このようにして、業界人やOB・OGからの学びを最大限に活用することが、あなたのキャリア形成に役立つはずです。
業界のOB・OGを訪問する方法
業界のOB・OGを訪問する方法は、大学のキャリアセンターを使う方法以外に以下の手順に従って進めることができます。
これにより、業界の経験豊富な人々から貴重なアドバイスや情報を得ることができます。
リサーチとリストアップ
目標とする業界や分野に関するOB・OGを特定します。LinkedInや業界団体のウェブサイト、大学の同窓会などを活用して、関連する人物をリサーチし、リストアップします。
挨拶と自己紹介メール
連絡先を入手したら、丁寧な挨拶と自己紹介メールを送ります。メールの中で、なぜ彼らに会いたいのか、どのような情報やアドバイスを求めているのかを明確に伝えましょう。
面談の準備
面会の前に、質問やトピックをリストアップし、面談の目的を明確にしましょう。彼らの経験やアドバイスを最大限に活用するために、準備が大切です。
面会
面談当日、時間に適切な場所でOB・OGと面会します。相手の経験や視点に耳を傾け、質問を通じて知識やアドバイスを収集しましょう。
フォローアップ
面会後、感謝のメールを送り、受けたアドバイスや情報に対するフィードバックを提供しましょう。これにより、良好な関係を維持し、将来的なコンタクトの可能性を開けます。
注意点として、OB・OGの時間やプライバシーを尊重することが大切です。また、彼らの貴重な時間を無駄にしないよう、面会前に用意周到な質問やトピックを考えることが成功への鍵です。
挨拶と自己紹介メールとフォローアップメールのサンプル
以下は、OB・OGに挨拶と自己紹介メールを送るためのサンプルです。
メールの内容は、具体的な相手や状況に合わせてカスタマイズしてください。
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