見出し画像

【EDH】≪生命起源の御神体≫はどこまで頑張れるか ~湧出編~

はじめに

昨年 11 月に≪生命起源の御神体≫記事を書いたわけですが、あれから何回か回したところ「爆発するとすごいけど、やっぱり安定感にかけるな?」となったのと、スローペースすぎてちょっと地蔵になってる時間が長いということで改良を始めてみました。

最初のデッキについては下記の記事をご覧ください。

ちなみに、改良の路線は、あくまで「祭殿デッキである」というコンセプトを守りつつ、レベル6でちゃんと戦えるくらいを目指します。
よろしくお願いします。

生命起源の御神体を見つめなおす

まず最初に≪生命起源の御神体≫の復習です。

起動型能力で5色統率者扱い

強み

  • 緑シングルシンボル4マナ
    緑統率者ということで出すのに色事故を気にする必要があまりないです。

  • 伝説のエンチャント・クリーチャー
    エンチャントのコスト軽減を受けられます。

  • 普通のエンチャントをリアニメイトできる
    実は祭殿にかぎらないので、いろんなユーティリティエンチャントを使えます。

  • 祭殿トークン(エンチャント・クリーチャー)が出せる
    ブロッカー確保やエンチャント数の水増しなど、祭殿カウント以外にもいろいろ用途があります。

短所

  • EDHにおいてあまりにも脆い
    タフネス4 のエンチャントクリーチャーはちょっとした除去で死にます

  • 単体ではなにもできない
    手札に祭殿、墓地にエンチャント&5色マナが無いとただの置物です。

  • クリーチャータイプを持たない
    クリーチャータイプ参照のカードや5色土地が使えません。

  • 5色統率者であり警戒されやすい
    言わずもがな。「祭殿が出てくる」というネタバレでカジュアル感を出していくしかない。

総評

書いてあること自体はそんなに弱くないのですが、他の5色統率者に比べるとどうしても見劣りはします。アドバンテージ能力はあるのですが、統率者単体ではほとんど仕事ができないので勝負を決められないというのが実情です。(祭殿やエンチャントの発動もラグがあるのもネックです)
デッキとして成立させるには「とにかく高速で祭殿を展開する」というところに持っていき、除去されても立て直せるようにする必要があるので、そこを軸に見直しをしてみます。

デッキ構築方針

「祭殿」デッキとしてのルールとコンセプト

  • 祭殿は全種類入れる。

  • 統率者を使った勝利手段(祭殿かエンチャントか統率者ダメージ)を使う

これはね、カジュアル帯云々じゃなくて美学の問題なんです。
5色なんて無限コンボも即死コンボも腐るほどあるわけですが、それで買ったところで祭殿デッキを回したという満足感は得られないわけです。
≪生命起源の御神体≫という統率者を最大限使うというところに主軸を置いて組むというのが今回の目的となります。

今回の挑戦:ジェガンサを相棒に採用する

シカでした。

≪湧き出る源、ジェガンサ≫はイコリアで登場した悪名高き"相棒"持ちクリーチャーで、「同じマナシンボルを2つ以上含むカードが入っていない」を条件に相棒に指定することができます。
祭殿は全てシングルシンボル+≪万物の聖域≫のコストを一発で支払えるということからやたら相性が良く、イコリア&M21のスタンダード時期には祭殿デッキで使ってました。
EDHに舞台が移ったことで≪生命起源の御神体≫の能力や≪神の乱≫、≪大渦のきずな≫などにも使えるようになった他、ロングゲームでの1ターンでの祭殿複数展開がしやすいとだいぶ使いやすくなっています。サイズも5/5と優秀です。

ジェガンサを相棒採用する上での最大の問題は、各種ドラゴン・スピリットと明神をあきらめることになり神河デッキとしての密度や派手さが下がることになりますが、今回は「祭殿デッキがどこまで頑張れるか」なので、泣く泣く受け入れます。

デッキリスト

ジェガンサを相棒にするためにシングルシンボルでまとめたデッキリストです。
祭殿デッキは、祭殿共通の性質である"伝説"と"エンチャント"にシナジーがあるカードを使って展開し、大量のドローとマナ確保して盤面を作っていくのが基本ムーブなので、そこを強化する伝説クリーチャーやエンチャントを守るための除去・カウンターを多めに採用しています。

課題である祭殿の展開については、≪収穫の手、サイシス≫による軽減・ドローと≪ウェザーライトの艦長、シッセイ≫のサーチを採用してみました。とくにシッセイはジェガンサからほぼすべての祭殿を引っ張って場に出せるので期待度の高い1枚です。
「ジェガンサ+シッセイ使うならもっと強い構築あるんじゃないの?」と言われそうですが、そういうのは別の人に任せておきます。僕は祭殿を使いたいんだ。

余談ですが、値段の8割が土地でした。
祭殿17種全部揃えても1000円いかないです。みんな組もう!

運用方法

基本戦術

≪豊かな実りの聖域≫ ≪静かな水の聖域≫の2枚を軸にマナと手札を確保し、状況に合わせた祭殿もしくは5色エンチャントをだして盤面を育てていきます。ある程度盤面が育ったらフィニッシャーとなるカードを出し一気に決めに行きましょう。
ただ、祭殿は一つ一つが地味に強いことが書いてあるのと、クリーチャーが貧弱なので、うかつに動いて狙われると守り切れなくてあっという間に死にます。気を付けましょう。

キープ基準

前述の2種の聖域とそれを出せるマナがそろっているのがベストですが、ひとまずは緑マナ含む3マナと継続ドロー手段が確保できれば(カジュアル帯なら)なんとかなります。
逆に、下記の場合マリガンです。

  • 土地と出せるカードの色が合わない。

  • 出せる祭殿が黒、赤系しかない。

  • 重いソーサリー(≪ウルザの殲滅破≫、≪上古族の栄華な再誕≫)がある。

緑マナと5マナくらいがあれば生命起源かジェガンサを出せるのでブロッカーは確保できますが、普通に除去対象になるのでマナ加速や御神体を守れるカードを優先して出していきます。白祭殿がある場合は耐久戦ができるので見切り発車でもいいかもしれません。

サーチ呪文について

≪緊急時≫
伝説のクリーチャーが持ってこれます。優先度が高いのはドローが加速できる≪神河の歴史、暦記≫、≪収穫の手、サイシス≫です。
暦記は単色でも出る上に、サイシスと違って解呪で割られず、クリーチャーにも反応するので展開が安定します。

祭殿デッキでマナベース除くと一番高いカード

すでにマナ、ドロー共にある程度安定している状態だったらシッセイ、後は状況に応じてという感じです。

≪牧歌的な教示者≫
緑聖域、青聖域の持ってないほうを最優先で確保します。
どちらもある場合は≪万物の聖域≫か≪大渦のきずな≫を持ってきたいところですが、相手がクリーチャーデッキ多めなら安全の領域がよいと思います。各種祭殿は万物の祭殿やシッセイの伝説サーチが引っかからないのでできるだけ祭殿以外のエンチャントを持ってきたいです。

≪栄光の探索≫
伝説のカードサーチなので前2種のサーチと同じ使い方ができます。足りないものを持ってくればよいですが、どちらかと言えば聖域2種が優先です。
「伝説のカードか英雄譚」という指定なので、必要に応じて≪神の乱≫、≪ウルザの殲滅破≫、≪上古族の栄華な再誕≫を持ってこれます。ケイリクスでもいいですが、まくれるほどではないのでちょっと優先度が落ちます。
後半に強いカードなのでできるだけ手元に残しておきたいです。

≪真の木立ち≫
おおむね≪牧歌的な教示者≫です。ライブラリートップに置かれるので、ターン回ってくる直前に起動してドローコントロールする使い方になります。
エンチャントなので御神体で使いまわせるとか、多分小テクがいっぱいあるカードなのですが、あまり引いたことが無いので実戦経験が薄いです。

その他の特殊なカード

≪神河の魂、香醍≫

神河臣民としてはずせないよなぁ!

ドラゴン・スピリット衆で唯一残りました。破壊不能付与がメイン効果ですが、ジェガンサが入ったことにより+10/+10して殴ることも夢じゃなくなりました。

≪アラーラへの侵攻≫

ジェガンサカードです。5色から元が取れるカードなのもそうですが、主に後述の≪めでたしめでたし≫を狙う際にカードタイプとパーマネントカラーの水増しとして使えます。
確認したところ、≪激憤の本殿≫のオラクルは「any target」になっていたので、バトルにダメージを与えられます。激憤の本殿で7点与えられるなら勝てるのでは?という気がしますが、覚えておいて損はない気がします。
ちなみに、≪アモンケットへの侵攻≫もだいたい似た理由で入ってます。あちらはエンチャントリアニと相性がいいです。

テーロスの各種"神"
破壊されないブロッカーかつ各種サポートとして入っています。引けると便利だけど巻き返すほどのパワーはないので、正直優先度は低め。

  • ファリカ(3マナ・黒緑)
    墓地対策として入っています。最悪自分の墓地のクリーチャーを追放して接死ブロッカーを立ててもよいと思います。マナが軽いのもGood。

  • エファラ
    追加ドローソースです。生命起源の御神体がいれば祭殿出すだけで1ドローできます。相手ターンに祭殿をリアニメイトするとトークンが出せるのでカードを引けるという小テクがあります。

  • クルフィックス
    祭殿であふれる手札とマナの受け皿です。ジェガンサから出たマナがクルフィックスで無色化されると、払える場所がほぼ無くなるというのが注意点です。

  • ヘリオッド
    クリーチャーになりやすい&エンチャントトークン出せるのでいます。
    つまるところ壁です。

フィニッシュ手段

基本的には祭殿を並べまくるデッキですが、終着点はちゃんと用意します。

祭殿誘発2倍ルート

祭殿だけでも完結する正攻法の勝利方法です。
祭殿を展開して≪激憤の本殿≫、≪石の牙の聖域≫、≪古伝戦争の御神体≫からのプレイヤーダメージで削り切ります。
≪万物の聖域≫に≪生命起源の御神体≫が組み合わさることで大量の祭殿の展開が安定するので、誘発2倍と合わせて高速でライフが削れます。

≪調和の織り手≫や≪ストリオン共鳴体≫を使うことで誘発をさらに増やして高速化を狙っていきます。この2枚は≪万物の聖域≫が無くても有用なので、基本的には出していきたいです。

≪めでたしめでたし≫ルート

ロマンカードの見せかけてわりと現実的な勝利手段です。
祭殿で調べても"めでたし"は出ないのに、"めでたし"で調べると祭殿採用デッキが出てくるくらいに相性がいいです。
毎ターンダメージを飛ばしてしまう赤黒祭殿にくらべて警戒されにくく、通常の祭殿展開ルートのなかに自然に組み込めるのが強みです。
5色のパーマネントは≪万物の聖域≫の他、≪神の乱≫≪大渦のきずな≫というエンチャント3枚体制で確保できます。
あとは≪浄火の本殿≫でライフを増やし、カードタイプは≪風見の本殿≫≪静かな水の聖域≫による大量ドローや、≪逸失英知の御神体≫による切削で墓地をこやして確保します。(土地、クリーチャー、エンチャント、アーティファクト、ソーサリーまでは簡単に集まるので、インスタント、プレインズウォーカー、バトルから1種類を持ってくれば勝利です。)
問題は、チラ見えしただけで警戒度が跳ねあがることです。

統率者ダメージルート

≪生命起源の御神体≫は戦闘できる統率者ではないですが、エンチャントレスデッキの系譜なので、統率者ダメージ21点もできなくはないです。
≪無尽活力の御神体≫でカウンターを乗っけたり、エンチャント数をカウントして強化するカードを使ってパワーを上げて殴ります。
≪穏やかな光の聖域≫と大量の白マナがあればブロッカーをこじ開けられるので、戦闘バニラでもなんとかダメージは通せます。
ただ、そこまで育てられる展開ができてるなら普通に他の手段で勝てると思うので、あくまでサブサブプランくらいの立ち位置です。


ひとまず回してみたが…

プレイ感

実感として、ジェガンサがいることでのマナベースへの安心感はかなり高まりました。とりあえず5マナまで伸びれば色事故は防げるというのは大きいです。ただ、実戦においては相棒を手札に加えるための3マナを払うタイミングやジェガンサを守り続けるのが若干難しい気がします。
都合上、ゲーム開始時にコンボが見えてしまっているのと、どうしてもランプしていくムーブが隠せないので警戒度は前より高いのも課題です。

あとはキープ基準の項目でも書きましたが、継続ドローソースが無い場合の息切れがキツめです。キープ基準をこれ以上厳しくするのはたぶんまずいので、単体では仕事しにくいカードを減らして、ドローや切削を増やしていく感じかなと思います。

あとはもう一つの問題であった「地蔵になってる時間が長い」の対応としてインスタントタイミングで動けるカードを増やしたいですね。
祭殿の誘発やクリーチャーのタップ能力に頼るとどうしてもフルタップで1ターンを過ごすことになりがちなので、相手への妨害をちらつかせつつ隙をへらして刻む動きがしていきたいです。

ダブシンなので入れられない

余談:ちょっとした悩みどころ ~レベル6と7の境目~

「祭殿」というアーキタイプをやってる上で一番困るのは、「お前は本当にカジュアルなのか?」と問われる微妙なラインのカードがたくさん候補に挙がることです。
今回は「もう土地は多少しょうがねえだろ!」という勢いでフェッチとショックランド5枚ずつ、≪真鍮の都≫と≪マナの合流点≫というわりと強め体制ですが、これすら人によってはカジュアルじゃないかもしれません。

個人的には≪めでたしめでたし≫が一番微妙で「珍しい勝利条件だし、統率者とかみ合ってるからギリ許してくれないかな!?」というラインにあります。あと、ジェガンサ+シッセイも、統率者が御神体で、無限コンボ入ってないからギリ許容範囲だろうという感じ。シッセイが統率者の方が確実に安定すると思うのですが、そうになるとデッキコンセプトの美学に反します。

ちなみにこの記事を書いてる途中に「マッチしてるじゃん…」と思い当って、頭を悩ませてるのがコイツです。

小さいころにパックから引いたので1枚持ってる。

戦いは続く…

ジェガンサ型自体はまだ改良の余地もプレイング直す余地もあるので、しばらくはこれの詰めでやっていけそうです。回数こなさないとわからないとか、他のデッキも回したさがあるので、のんびりやっていこうと思います。
それでは!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?