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解説用の手品。

 そもそもお客さんに手品を教える必要があるのかと思ってる人も居られると思いますが、何をやっても良い反応を得る事が出来ない時があります。
そういった人の話を聞くと、手品と言うことは理解しています。なので、何らかのやり方があるのも分かってます。その“やり方”という物がどう言ったもので、それが何故不思議に見えるのかという部分が分からない様です。
グループの中心人物がそんな感じだったり、グループに複数そういった人が居て盛り上がりにくい時に、簡単な手品を解説します。

 とは言え、前回にも書いたように、他の演者に迷惑にならない様にしないといけません。
その辺を踏まえてやってる手品があるのですが、名前は忘れてしまいました(>_<)

 とりあえず現象の説明から。

 演者は3枚のクイーンを取り出し、表を見せてから伏せてテーブルに置きます。残りもデックも少し離れたところに置きます。
裏向きのまま、クイーンから1枚取り、中央に置きます。
その上にデックのトップから1枚のカードを重ねます。
同じ様にクイーンから1枚置き、デックから1枚と交互に重ねていきます。
最後のクイーンも同じ様に重ねて終わります。
現在は5枚のカードが重なった状態です。
その5枚をデックに重ねて、トップから3枚を表返して見てみると、何故か3枚のクイーンが現れます。

 やり方の説明の前に、『この手品は後でやり方を説明します』と言ってから演技に入ります。
では、解説。
 よく混ざったデックを自分の方に向けて広げて、最初に見えたクイーンをトップから2枚目に来る様に入れ替えます。
再び広げていき、残りの3枚のクイーンをアウトジョグしていきます。
そのカードを抜き取りますが、赤・赤・黒の様にマークの色が1枚だけ違うカードがトップになる様に向き取ります。
まだお客さんはカードの表を見ていません。

 3枚のクイーンを手に持ち、残りのデックはテーブル左側に置きます。
演者は説明します。『3枚のカードを使います。これもクイーン、これもクイーン、これもクイーンです』と言って、1枚ずつ手に持って上げますが、表は見せません。この辺りは後程説明します。

 3枚のカードをファン状にして少し広げて(インデックスが半分程見えてる状態)、表をチラっと見せた後、伏せてテーブルの右側に置きます。

 後は、上の解説通りにやると、現象が起きます。
カードを置く時に『クイーン・別のカード・クイーン・別のカード・クイーン』と言って置きます。
最後にトップの3枚をめくる時も『クイーン、クイーン、クイーン』と言って置き、3枚とも裏向きにして置きます。

 この手品は、終わった時点でセットの状態に戻るので、お客さんに『もう一回見ますか?』と言うと、ほとんどの場合「もう一回」と言われるので、そのままもう一度演じます。

 もう一度演じる時は、同じ様に3枚のクイーンを自分の方に向けて、色違いのカードがトップになる様に入れ替えて、同じ様に少し広げてお客さんにチラっと表を見せて、伏せて置いて始めます。

 演じ終わった時にお客さんに『何か気が付きました?』等聞きながら、もう一度演じたりします。

 こうやっていると、このネタだけで結構時間を取ります。
やっていると「全部がクイーン」とか「集める時に何かやってる」とか色んな意見が出てくる中、「3枚ってところに何かがあると思う」とか「マークが変わってる」等、確信を突いた意見も出てきます。

 『そろそろ解説を聞きますか?』と言っても「もう一回だけ」ってなる事もあります。

 解説を聞くってなった時に、解説をしていきます。

 ここで僕が使っているセリフをそのまま書いてしまうと、ここを読んだ人が、みんな同じセリフになってしまうので、セリフは省いて書きます。
ちなみにこの手品と同じ原理をメインで演じている人に会った事がないので、他の演者の邪魔にはならないかと思っています。

 まず大まかな仕組みを話します。
カードを出す時に、トップから2枚目にクイーンが来る様にする事。
2枚目にあるから、交互に置いていくと5枚置いた時点でそのまま表を見せて、この時点で上の3枚がクイーンになっている事を見せます。
その5枚を持って、上の3枚だけ見せたら残りの2枚は何?ってなるので、デックに置いてから見せる事などを説明します。
この手品のポイントは、マークを覚えられると良くない点を説明し、そこで心理的なテクニックを使っていると説明します。
最初に3枚のカードを出して、表を見せずに『3枚ともクイーン』と説明していた事。
表を見せないまま『3枚のクイーン』と説明する事で、見ている人は「その3枚は本当にクイーンなのか?」と疑います。
その疑っている時に、3枚の表をチラっと見せる事で見ている人は「本当にクイーンだった」というとこまでは見るが、マークまでは見なくなる点等を説明します。
その後もマークに意識が行かない様に『クイーン』としか言わなかった点等を説明します。

 こんな感じで説明すると、手品の構造に関する関心や、心理を操る部分等、演者に対する見方が変わる事が多いです。

 ここを読んでる人で「解説したら、その後のマジックがやりにくくなるんじゃないか?」なんて思っている人も居てるかも知れませんが、そんな事はありません。
むしろやり易い雰囲気になります。
こう言った手品を幾つか持っていますが、今日のところはここまでで。

 もし、今日のお客さんは何だかシックリ来ないなぁ なんて思った時は、一度試してみてはいかがでしょうか?

読んで頂いて有難う御座います。もし、宜しければ、投げ銭のサポートよろしくお願いします!(^▽^)/