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数字を目標にするのと、数字にとりつかれるのとは違う

あるときこんなことを質問されたことがある。

その人は最近離婚した人で男性だった。
離婚理由の一つに収入の違いがあったらしい。
奥さんは自分で起業していたので結構な稼ぎがあったが、旦那さんは奥さんに比べたらそんなに多くなかったらしい。
結婚当初は「そんなこと気にしないから」と奥さんは言っていたが、時間が経つにつれ稼ぎの違いでケンカするようになったらしい。

稼ぎに関係のない小さなケンカの後で「稼いでないくせに…。」とぽそっと言われたりするのが耐えれなくなり、結局そう言うことが積み重なって離婚に至ったようだった。

その人は離婚後も自分の稼ぎを気にしていたらしく
「年収いくらくらい稼いだら女の人に認めてもらえると思う?」
と聞いてきた。

私は正直年収いくらなら一人前だとかそういう概念がなかったので
「これは、私の考えだけど…」
と思うことを正直に答えた。

「正直言って、お金はその時に必要なだけあればいいと思ってる。ある程度不自由なく生活できて、たまに少しぜいたくして…ってそれくらいで私は十分だと思うよ。

たださ、数値は絶対的なものだから人間てのはよくそこに価値を見出しちゃうよね
誰がどう見ても多い、少ないが分かるものだからさ。
客観性があるからそこに価値を置くと数値が良ければ自分の自信につながっていくもんね。周りの人も認めてくれるしね。
勉強でいくと偏差値なんかはそうなんじゃない?

けどさ、「絶対的なもの=魅力」じゃないと思うよ。

前にこんなドキュメント見たんだけど、日本で開業医をしていたお医者さんがアフリカの人たちを助けたいからって日本の開業医をやめてアフリカに行ったのね。
そうすると、稼ぎなんて日本で医者やってた時の三分の一くらいに減っちゃうのよ。
じゃあ、数値だけ見ると稼ぎの少ないアフリカのお医者さんになったその人は魅力ないかっていうとそうじゃないでしょ?
確かに「日本で大人しく稼いでたらいいのに…」っていう人も中にはいるかもしれないけど、困ってる人を助けたいっていう気持ちと、アフリカに渡ったっていうその決断力に魅力感じる人もいるわけで。
私なんかは後者の方だけどさ。
それ見たとき「かっこいいなぁ、この人」って思ったもん。そのお医者んさんの奥さんもそうだったみたいでアフリカまでついて行ったみたいだよ。

だからと言って数字を気にしてることが悪いって言ってるわけでもないんだよ。
数値をある程度の目標にして、「そこまで頑張ろう!」とか思うのはやる気をだしたり、向上心を育てる上ではむしろいいことだと思うしね。
だけどこの数字を取れなかったら自分はダメなんだ、とかポンコツなんだとか思う必要はないんじゃないかな。
数値を目標にするのは悪くないけど、数値に取りつかれると大変なことになると思うよ。

仕事でいくと、結局その人の魅力になってくるのは稼いだ金額だけでは決してないと思うから。
やってる内容と、その取り組み方じゃないかなと思うんだけどね。

だからさ、前の奥さんにどんなふうに言われたか分かんないけど、年収いくらじゃないとダメとかは思わなくてもいいんじゃないかなぁ…。」

そういうと彼は「それ聞いて少し気が楽になった」と言ってくれた。

私がこんな風に思うようになったのは「こうでないとダメ!」ともともと強く思う性格だったから。
昔はよく、数字に限らず目標を達成できなかったら「自分はダメなんだ…」とひどく落ち込んだりして、「どうせ出来ないし…」と自己肯定感を自ら下げてしまって悪循環になったりしていた。

だから、「目標」はあくまで「出来たらいい目安」としてとらえる事がわたしには大切だった。

達成できなかったら確かにくやしいんだけど、頑張った自分を誉めるのも忘れずに。


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