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リーダーに求められる資質とは? (1)

この広川町で大きな挑戦に向かう決断をしてから「リーダーにはどのような資質が必要か?」という事について常に考えています。

リーダーに求められる要素は多岐にわたります。
その中でも、私が最も重要だと考えているのが「資質」です。
今回は、その資質の一つについてお話ししたいと思います。

まず一つ目は「翻訳者」としての資質です。
これは、異なる言語同士を変換するように「住民の生の声を、行政内の政策に変換する」という意味での翻訳を意味します。
住民の皆さんからは、さまざまな要望や意見をいただきますが、生の声のままでは政策になりません。

政策に転換するには、まず、生の声の裏側にある本質とは何かを見極める必要があります。
本質を見極めるには、対話を重ね、その声が発せられた背景を深く理解しなければなりません。
背景をしっかりと理解しておかないと、政策に変換した時に「ズレ」が生じる可能性があるからです。
その為にも相手の意見に耳を傾け、本心を引き出す力が求められます。
その上ではじめて、課題を解決できそうな施策のアイディアを考え、先進事例も収集しながら、政策の土台となる案を検討していくことになります。

加えて、解決策の主体を選択する力も重要です。
特に行政の不得意分野を担える企業やNPO、個人等を探し、同じ目的に向かって協力してくれるよう説得する力のことです。
限られた財源と人的資源で運営する行政にとっては、直営でやるか誰かとパートナーを組むかを考える、いわゆる「座組み」が、プロジェクトの成否を分けます。

そして、最終的に政策を実現するために必要な財源を見つけ出し、運営体制まで整えないといけません。
政策に関わる人が多くなるほど、実現までの工程は大変になりますが、これら一連の流れをしっかり踏まないと、生の声を政策に変換 =「翻訳」できないのです。

行政のリーダーの役割は「翻訳」の流れを理解したうえで、多くの声に耳を傾け、対話を重ねていくことです。
聞いたことを「翻訳」できなければ、聞きっぱなしで終わってしまうか、聞いたことを誰かに伝えて終わるだけで、課題解決にはつながりません。

私は、約20年間の行政経験の中で、多くの「翻訳」を実践してきました。
細かく整理すれば、もっと多くの「力」が必要ですが、大きく捉えた「翻訳力」を備えたリーダーがいれば、広川町はもっと住み良い町になります。
私は、これからも「翻訳力」を磨いていけるよう、精進していきます!

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