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施政方針演説

皆様、すっかりご無沙汰しておりまして申し訳ございません。
ご挨拶まわりや後片付け、就任準備等であっという間に時間が過ぎていきました。。。

5月22日(月曜)、第10代広川町長に就任いたしました。

初登庁の様子(5/22)
広川町長就任式の様子(5/22)

就任後から慌ただしい日々が続きまして、6月7日(水曜)、ついに初めての町議会定例会に出席し、施政方針を述べさせていただくとともに、8名の議員からの一般質問にもお答えしました。

今回は、これからの4年間の町政に臨む、私の考えや政策を述べた施政方針を掲載いたします。



施政方針
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令和5年度からの、町政に臨む私の基本的な考え方を述べさせていただきます。はじめに、私は、広川町が今後も持続可能なまちとなるために、必要な政策には全身全霊で取り組んでいく覚悟でございます。

今、広川町は、多くの課題を抱えながらも、大きな転換期を迎えていると認識しております。約3年にわたり、住民生活や地域経済に大きな影響を与えた新型コロナウイルス感染症は、先月、5月8日に法律上の位置付けが変わりました。これに伴い経済活動も再開されておりますが、地域における交流活動や行事も同様でございます。これからは、人々の「つながりの回復」に努めてまいりたいと考えております。ただ、感染症がなくなったわけではありません。コロナ禍では、接触を避けつつも生活の利便性を高めるべく、仕事や生活のさまざまな場面でデジタル化が急速に広がるなど、人々の意識や生活様式にも変化が生じています。これからの、コロナ禍後の新しい地域社会を展望するにあたっては、人々の意識や行動の変化に配慮しながら、感染防止とつながりの回復とを両立させる必要があります。くわえて、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発したエネルギー価格の高騰、物価の高騰は長期化の様相を呈しており、先が見通せない状況です。すでに生活者や事業者の負担や不安は大きく、その支援は喫緊の課題であります。

広川町が直面する課題は、まだ多く残っております。人口は減少に転じ、出生数の低迷も危惧されます。その背景には若い世代の転出超過や婚姻数の減少などがあり、学ぶ場や働く場を求めて転出したり、結婚や子育てにかかる経済的な不安を感じたりなど、若い世代に特徴的な要因があることにくわえ、コロナ禍における交流機会の喪失、先の見えない物価高による社会情勢の不安など、全世代的な要因も複雑に関係しているのではないかと思われます。こういった中にあっても、広川町の新しい未来を築いていくためには、新しいビジョンを掲げ、強い責任感と勇気を持って、果敢に挑戦していかなければなりません。

私は、先人が築いてこられたこの広川町を受け継ぎ、皆さんと一緒に一つ一つの政策を着実に進め、豊かな故郷を次の世代へと引き継いでいきます。
そのために、私が掲げる未来に向けたビジョンは「職・住・育」近接型のまちづくりであります。

若い世代が定住するためには、まず経済的な安定を得るための仕事に就くこと、「職」を得ることが必要です。そのうえで、手が届く住宅地や、どの世代も生活に欠かせない医療施設、商業施設、公共交通など、暮らしやすい「住環境」の整備を図り、さらに子育て支援や教育環境の充実を図って、子どもが「育つ」環境づくり、子育て世代が「育て」やすい環境づくりを進めることが必要だと考えています。
それらが整えば、若い世代が暮らし続けられる、安心して家庭を持ち子育てができる、子どもたちがその才能を開花させられる、そして賑やかになった地域に活力が生まれる、といった好循環を生みだすことができると考えております。
くわえて、少しの「遊び心」も、まちづくりには必要です。豊かさとは、経済的な指標だけで測れるものではなく、友人や家族と幸せを感じながら過ごす時間も重要な要素です。本当の豊かさを考えるうえで提唱されている、人々の「幸福感」、いわゆる「ウェルビーイング」の考え方も、まちづくりに取り組むうえでは大切になっています。例えば、公園づくりにおいては、子どもたちが伸び伸びと遊べる機能だけでなく、さまざまなイベントができるスペースを設けて、大人も楽しめる工夫も付け加えることで、多くの方が「幸福」を感じることにつながります。まちに「遊び」の要素を取り入れると、地域の魅力はさらに高まり、定住の促進や賑わいづくりに効果が期待できるのです。

このように、「職・住・育プラス遊」の近接型によるまちづくりを進めることにより、どの世代も暮らしやすく、未来に希望が持てる地域の実現に、全力で取り組んでまいります。
未来に向けたビジョンの実現に向けて、これからの4年間が、基礎作りになると考えております。私は、まず「5本の柱」を立てるところから始めます。

1つ目は、足元の物価高騰に対する支援であります。
非課税世帯に対する臨時特別給付金など、国や県が講じる施策を迅速に実行しつつ、町独自の支援についても講じてまいります。

2つ目は、仕事づくりです。
この町の資源である農業の魅力を生かし、新規就農を促したり、ブランド化を進めて新たな価値を生み出したりと、創業支援や小規模事業者支援とも絡めて、仕事づくりを後押ししてまいります。くわえて、企業誘致のための産業用地確保についても検討を進めてまいります。国道3号広川八女バイパスの早期実現をはじめ、主要道路の整備促進を要望しつつ、産業用地や道の駅の整備構想に取り組みたいと考えております。

3つ目は、安全安心なインフラ整備であります。
先ほどの道路整備もその一部ですが、近年は国内各地で頻発する災害に対し、その発生をできる限り防止し、あるいは被害を軽減するべく、国や県とも連携を図りながら、道路や河川整備に取り組んでまいります。くわえて、生活を支える地域公共交通の計画づくりにも着手します。そのなかで、デマンドタクシーや路線バスの利便性向上についても検討してまいります。

4つ目は、「子ども・子育て政策」であります。
国においても、「子ども・子育て政策」を最重要政策と掲げ、本年4月には「こども家庭庁」が発足しました。そして、間もなく、「子ども・子育て政策」を体系的に示した骨太方針を示すとしています。町としてもこの動きと軌を一にして、出来うる限りの支援に取り組んでまいります。ただ、恒久的な政策としていくためには、必ず財源が必要となります。そのため、個人版及び企業版のふるさと納税を強化し、収入の拡大を図ったうえで、子ども子育て政策に最優先に投資してまいります。特に、子育て世代に対する経済的な負担軽減、学校施設の改善や公園整備などに優先的に取り組んでまいります。

5つ目は、人材育成であります。
あらゆる政策を並べ立てても、それを実行するのは「人」であります。組織は「人」で成り立つものであり、政策を担う「人」のやる気と能力が伴わなければ、未来ビジョンも絵に描いた餅で終わります。しかし、人員が限られる中で、住民ニーズの多様化はさらに進み、日々の業務に追われ、職員の負担感が増していることも現実であります。そのために、私は「チームで仕事をする組織」への変革を図ります。一つの課や係だけがチームではなく、役場全体を一つのチームとしてまとめ、メンバー全員が同じ方向に向かって、それぞれの力を発揮できる組織を作りたいと考えております。まずは、管理職に対するマネジメント力の研修や、メンバーの特性を引き出すコーチング研修などを計画していきますが、いずれにしましても、私自身、トップ自らが積極的に学び、ともに汗を流し、このチームに全力で貢献する姿を示していきたいと考えております。新しいまちづくりに期待する、多くの町民の皆さんの負託に応えるためにも、率先垂範を旨として、一歩一歩着実に進めてまいります。

結びに、新たな時代を築く、新しいリーダーとして、皆さんから信頼していただくために、私は多くの町民の方との対話を進め、生活者目線、当事者目線の行政運営に努めてまいります。特に町議会議員の皆さんとは、地方自治を進める車の両輪として、しっかりとした信頼関係のもと、真摯に議論を進めながら、政策をより良い形へと磨き上げ、より良いまちづくりに繋げたいと願っております。
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広川町の更なる発展に向けて、しっかり頑張っていきます!
今後とも、ご支援のほどよろしくお願いします!

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