マガジンのカバー画像

居眠り猫と主治医 連載恋愛小説

30
運営しているクリエイター

記事一覧

居眠り猫と主治医 ⒈不養生猫 連載恋愛小説 全33話予定 目次 リンク有

あらすじ 愛鳥のかかりつけ医を求め、動物病院ジプシーぎみの守屋文乃。動物の扱いが異様に上…

藤家 秋
4週間前
131

居眠り猫と主治医 ⒉初診 連載恋愛小説

することもないので両手で頬杖をつき、彼の事務作業をぼうっと観察する。 しばらくすると、眉…

藤家 秋
4週間前
63

居眠り猫と主治医 ⒊河川敷フリマ 連載恋愛小説

河川敷でのフリマイベントにて団体出店が決まり、文乃はためこんでいた小鳥雑貨を放出すること…

藤家 秋
3週間前
50

居眠り猫と主治医 ⒋オトナのお子様ランチ 連載恋愛小説

いくら倒れそうなほど眠かったからといってアレは非常識極まりなかったと、あとから冷や汗もの…

藤家 秋
3週間前
69

居眠り猫と主治医 ⒌ 野鳥観察ハイク 連載恋愛小説

「登山…ですか。私運動はあんまり…」 この頃、クリニック交流会はバージョンアップしており…

藤家 秋
3週間前
46

居眠り猫と主治医 ⒍ 濡れネズミ 連載恋愛小説

初挑戦のハイキングをクリアできたと意気揚々と下山していたら、ふもと目前で視界がグラつき、…

藤家 秋
3週間前
52

居眠り猫と主治医 ⒎オカンの腕前 連載恋愛小説 

夏目祐の部屋は、なんというか殺風景だった。 分厚い専門書のようなものが目に入る以外、とくに特徴がない。 多忙で、寝に帰ってきているだけなのかもしれない。 「さっさと脱いで」 「あ…はい。お先にいただきます」 さすがに緊張するなと思いながら、人んちのシャワーを借りる。 湯舟につかったわけではなかったが、ほっと一息つけた。 入れ替わりに浴室に入った彼は、いつも以上に仏頂面で完全に嫌われたなと文乃は思った。 「なんでドライヤー使わなかった?」 「時間かかるので」 先生を待たせて

居眠り猫と主治医 ⒏猫の抱き枕 連載恋愛小説 

だしぬけに腕が伸びてきて、文乃の額に手のひらを押しあてる。 「気分は?」 「あ、大丈夫です…

藤家 秋
3週間前
51

居眠り猫と主治医 ⒐ゴッドハンド 連載恋愛小説

半月後のサラの健診日。診察室に入って、文乃はぎょっとする。 「何その反応」 「え…今日は院…

藤家 秋
3週間前
51

居眠り猫と主治医 ⒑自覚する猫 連載恋愛小説

あのときと同じように向かいあっているのに、感情が180度変わってしまい動揺が抑えられない。 …

藤家 秋
2週間前
50

居眠り猫と主治医 ⒒獣医の休息 連載恋愛小説

迎えにいくと言われ困惑していると、本当に駅前に現れた。 数時間前に会ったばかりなのに、今…

藤家 秋
2週間前
57

居眠り猫と主治医 ⒓ セカンド猫 連載恋愛小説

キッチンは素通りしたので、ごはんはお預けかと、文乃はちょっとがっかりした。 半裸のままで…

藤家 秋
2週間前
54

居眠り猫と主治医 ⒔ 桜の甘酒 連載恋愛小説

お酒で飛んだ記憶が、ある日まるっと戻ってきて、はじめて病院以外で祐と言葉を交わしたのは、…

藤家 秋
2週間前
68

居眠り猫と主治医 ⒕投げやり猫 連載恋愛小説

「で、なにがいいですか。お礼」 話の内容はどうでもよく、この人の空気感が居心地良くてずっとしゃべっていたくなる。 「ふたりで会うとか?」 「えーサラ抜きはちょっと…。あ、うそです。いいですね、デート」 何をおごろうかなあと思案しているうちに、まぶたが待ったなしで重くなる。いい具合の肩が手近にあったから、文乃は安心して目を閉じた。 *** 「ああー!患者さんに手え出すの御法度ですよ、夏目センセ。文乃ちゃん、激カワだけどもー」 里佳子の大声で目が覚めた。 「ハイ、ごめんな