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前園真聖が誓った断酒「あの事件から一滴も飲んでいません」 #3 第二の人生

元人気プロサッカー選手で、現在は解説者やタレントとしても活躍している前園真聖さん。しかし一見、順風満帆に見える前園さんにも、かつてある挫折がありました。著書『第二の人生』は、世間を騒がせた「あの事件」から、執筆当時までの思いを正直に告白したエッセイ。意外な素顔が垣間見える本書から、内容の一部をご紹介します。

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中田英寿からの嬉しい誘い

謹慎中に「大丈夫か?」という励ましの声をあちこちから頂戴しましたが、ごく普通に「ゾノ、メシに行こうよ」と最初に声をかけてくれたのはヒデです。2014年1月になって「年が明けたからそろそろいいだろう」と誘ってくれたのです。

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嬉しかったですね。もちろん「ありがとう」と返事をしました。

食事の席にはヒデの好きなワインが用意されていましたが、ワインは勧められても「いやいや、まだ無理!」と断りました。ワインは勧められても「いやいや、まだ無理!」と断りました。

彼は自分が飲みたいから用意しているだけなので、断っても全然雰囲気は壊れないからその点は気楽です。何を隠そう、ヒデに最初にお酒の楽しさを教えたのは僕ですから、ちょっぴり複雑な気分になりました。いまやヒデはワインから日本酒までお酒のエキスパートになっていますからね。

ヒデはまったく普段通りで「マーくん、やっちゃったな」という調子で、変に気を遣っている感じがまるでありません。気を遣われると逆にこっちが辛くなるので、普段通りに接してくれたのが何よりも有り難かったです。

お酒に酔った挙げ句に起こした事件を機に断酒宣言して以来、僕はアルコールを一滴も飲んでいません

「前園が一体いつお酒を解禁するのか」

そういう話題になることもあります。どこかでそういうタイミングを作ることになると思いますが、それは復帰のタイミングと同じで自分が決めることではないと思っています。

先日もあるイベントで同席したヒデが「50歳まで断酒したら?」と冗談で言っていましたけれど、2023年まで引っ張ってもきっと誰も覚えていませんよね。「前園、まだ断酒していたの?」という感じできっと話題にもならないと思います。

お酒がなくても十分楽しめる

一応九州男児ですし、泥酔して事件を起こしたため、世間的には僕はすごくお酒が好きで強いと思われているかもしれません。

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でも、正直に言うとお酒はあまり強くなく、実はビールより炭酸飲料の方がずっと美味しいと思っています。それでもずっとお酒を飲んでいたのは、仲間と楽しく盛り上がる飲み会の席が大好きだったからです。

いまでも飲み会の席には普通に顔を出しています。以前はお酒がないとそういう場に馴染めないと思い込んでいましたが、断酒後はウーロン茶やノンアルコールビールでも場に馴染めることを発見しました。昔はカラオケも多少はアルコールが入らないと歌えませんでしたが、いまはウーロン茶でも絶唱できます。

周りから「飲んでないから冷静でしょ」と言われることもありますが、別に一人素面でいるからといって、酔っ払っている人たちを醒めた目で見ているわけではありません。アルコールを一滴も飲んでいなくても、飲んで酔っ払っている人と同じテンションで盛り上がれる性格なので、決して醒めているわけではないのです。

いまでは飲み会に出かけても「ホントはウーロン茶じゃなくてウーロンハイなんじゃないの」という突っ込みも聞かなくなりました。なかには「本当に飲んでいないんですね」と、どこかつまらなそうに感想をもらす方もいます。

先日はとあるテレビのドッキリ番組で、僕らの大先輩である釜本邦茂さんがひたすら僕にお酒を勧め続けるのを、どこまで断り続けられるかという企画がありました。

釜本さんは日本サッカー協会顧問であり、元サッカー日本代表。サッカー日本代表が銅メダルを獲得したメキシコ五輪の得点王であるスーパースターです。僕もたいがいのことは逆らえないのですが、飲酒だけは最後まで断り続けました

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第二の人生 前園真聖

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