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免疫力を上げる「ファイトケミカル」はサラダよりスープでとるのがいい #2 コロナから身を守る最効の野菜スープ

とどまることを知らない、新型コロナウイルスの感染拡大。ワクチンが不足し、病床もひっ迫している今、自分の身は自分で守る心がまえが大切になります。そこでチェックしたいのが、熊本大学名誉教授・前田浩先生の『コロナから身を守る最効の野菜スープ』。野菜スープのすごい効能を科学的に解説するとともに、自宅でカンタンにつくれるレシピを紹介しています。みなさんの健康を願って、一部を抜粋します!

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ガン予防にもなる野菜スープ

どんな野菜がウイルスやガン予防に効果的なのでしょうか。私達の研究では、一般に緑色の濃い野菜が活性酸素の中和能力・ファイトケミカルの力が強いことが分かっています。

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すなわち、同じハクサイやキャベツでも内側の白い部分よりも外側の緑が濃いところの方が有用です。またハウス物よりも紫外線を多く受けた露地物の方が、 抗酸化力がはるかに強いことも分かっています。

ダイコンやニンジンは根よりも葉の方が50~100倍も強く、豆類では黒豆、小豆、緑豆、大豆が特に高い値を示しました。中でも有色の黒豆と小豆が最も強く、次いで緑豆、大豆の順となっています。

ごま、菜種、ナッツなどのいわゆる種子類も有能な食品です。植物の種は、もともと子孫を残すための素ですから、DNAや栄養素がびっしりと詰まっており、命そのもののようなものです。

酸素や光で損傷しないように、強力な抗酸化作用を持つ防御成分も含まれているのは当然といえば当然でしょう。

根菜ではレンコン、サトイモ、サツマイモ、ジャガイモなどが良く、切り口が褐色に変わるものがお勧めです。褐色になる理由はポリフェノールが含まれているからで、空気に触れると褐変するのです。根菜類はファイトケミカル以外に、食物繊維の含有量も多く、毎日の食卓にぜひ取り入れたい野菜です。

野菜スープに豊富に含まれる水溶性食物繊維、不溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やして免疫力を高めてくれることが分かっています。

さらに私達は、水溶性食物繊維が白血球を直接活性化することも確認しています。ファイトケミカルの力にプラスして、野菜スープは、ガンや感染症予防の強力な助っ人になるのです。

野菜は加熱して食べなさい

ガン予防やウイルス防御に良い野菜が分かったら、次はどう効率良く身体に吸収するかです。

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野菜は、当たり前ですが植物細胞でできています。この植物細胞は、細胞をくるむ膜(細胞膜)とそれをまるごとくるむ細胞壁の二重構造になっています。一番外側の細胞壁はカプセル様状で、硬い構造物。私達が少々嚙んだくらいでは容易には壊れません。

この野菜の細胞壁は生の状態ではすりつぶしてもなかなか壊れませんが、加熱するとすぐに破裂して、中の有効な成分・ファイトケミカルや食物繊維が外に出てきます。生ですりつぶすよりも、抗酸化力は10倍から100倍にもなります。

野菜ジュースやスムージーが人気ですが、ジューサーやミキサーで処理しても、実は細胞壁は大半は壊れないのです。

つまり、野菜は加熱して食べる、温野菜に限るのです。野菜の栄養成分を吸収するには煮る、炒める、蒸すなどの加熱によって、まずは細胞壁を壊してから食べることが大切です。食物繊維も加熱で水に溶けやすくなります。

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コロナから身を守る最効の野菜スープ 前田浩

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