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人口減少と就職とつなぐ人

兵庫県養父市に来ています。今年で3年目になる養父インターンシップという仕組みのファシリテーターとして参加しています。養父市にある企業と大学生(今年は高校生も)をつなぐ企画です。

7月には、受入れ企業向けの研修もやりました。企業の方々も、若手の人材との接点を求めていて、真剣な表情で話を聞いてくれました。

1.地方企業の状況(主に鳥取を中心に)

採用に関しては、ここ2-3年でそもそもの接点が減っている企業が増えていると聞いてます。自治体が主催する就職イベントなどへの大学生の来場者が減少していること、大手サイトを通じて募集をかけてもつながらないことなども聞いています。

そのような手段を取れる企業はまだ接点が0なわけではないですが、それを取れないところはどうしてよいのかわからないというのが現状です。

もともと地方の企業は、つながり採用をしてきた部分(今でいうリファラル採用?)があり、お互いの個人情報や周辺環境の情報の流動が大きかったころは機能していました。現在はなかなかそういう情報が企業内で回らなくなったり、一方で個人は外の情報を取りやすく、移動もしやすくなりと、対外との流動性があがりました。

そうなってくると、ハローワークでまず採用してみようということになります。地方では人材会社も生きていくのは難しいのであまりサービスがない。また、企業としても毎年採用するわけでもないので、人事専用の部署を置くということも難しい。そんなのが最近の地方企業の状況です。

2.地方の大学生・高校生の状況(主に鳥取を中心に)

鳥取の場合は、鳥取県在住大学生の大半が鳥取県以外の出身者(8割)なので、多くの学生は、大手求人サイトで企業を探して就職します。鳥取県で大手サイトに掲載できる企業は限られます(掲載補助金などもでてサポートはされています)。

大学生の手元に鳥取の企業の情報が届く確率は低いです。鳥取県出身の大学生は、ふるさと鳥取県定住機構さんが運営する情報サイトで探すことができます。多くの地方自治体が、外郭団体などを活用して就職サイトを作っています。

高校生に関しては、就職担当の先生がいて1社受けるという方法だそうです。これはどこもそうみたいで、高校の影響力が大きい状況です。企業は高校に求人票を出して、学校が生徒に紹介したりします。職場体験のようなものをしたりする場合もあるそうです。

なかなか少ない機会で決めるので、高校、大学共に就職後の辞める確率はなかなか下がってきません。


3.地方行政がいう人口減少

R-SICでお会いした田鹿さんも書かれていますが、人口減少だから地域に残ってくれみたいな話になってしまうと、若者にとってはピンと来ない。むしろ重いんじゃないかと僕は思っています。

結果としてそういう形でPRを続ければ、東京の方が選択肢も可能性も多いので、出ていくのはわかる話です。人口減少の責任を次の世代におわせるみたいな話では難しいかなと。どうしても課題が見えやすいので、課題から入ってしまうけど、楽しい雰囲気がないと人は集まらないんじゃないかなと思うのです。

4.自分が関わる地方の方とやりたいこと

僕が鳥取に残ったのは、面白い社会人に出会えたことであり、「学生人材バンク」というチャレンジに対して、面白いねと背中を押してもらったことが大きいです。

また、昨年、鳥取の中の複数の経営者にお話しをする機会が多かったのですが、様々な業種でも思いをもって事業を行っている企業の代表者や従業員さんが多いことがわかりました。

養父市のインターンシップのファシリテーターをさせてもらうことで、ここでも面白い事業や、視点をもって働いている企業がいることがわかりました。

そういう、働く人の思いとか暮らし方も含めて高校生・大学生に情報を丁寧に届けたい。めっちゃ面白いから、まずは会ってほしい。そして、高校生・大学生のやりたい事、好きなことなども含めて丁寧にマッチングしていけたら良いなと思っています。

twitterもやっています。ちょいちょい呟いています。


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