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1-2グループにも成長過程がある~グループワーカー感覚

 昆虫にも、卵の時期、幼虫の時期、さなぎの時期、成虫の時期があるように複数の人が集うグループにも、成長の過程がある。グループワーカーとして関わるときは、今のグループがどんな状態であるかを見極めながら、次のステージへと向かえるような段取り(準備)をする。

①始動期:グループ活動がスタートしたばかりで
 緊張感がメンバーにある状態。
②対立期:お互いの力関係が明確でなく探っている状態。
③安定期:グループの目標とそれぞれの役割が明確になる。
 ひとつの目標をクリアする。
④成長期:次の目標を立てて、自分たちで進むとき。

ボクが教わったことは、グループワーカーの働きかけとして、「グループを引っ張るとき」「グループと一緒に歩くとき」「グループの後ろからついていくとき」があるということであった。グループの自主的な運営を目指すため、とかくグループワーカーはただグループを見守り続けるということもあるが、それでは本当の役割を果たしているとは言えない。時には、強引に引っ張り、ある一定の位置まで引き上げることも必要になる。大切なことは、まず「自分たちで力を合わせたらできる!」という小さな体験である。または、誰かに助けられたという体験である。それが次の活動のエネルギーになる。グループワーカーの最終目標は、グループが自立するときなので、そのために、自分たちで選択するということを繰り返す。そして、それがワーカーの考えと違っていたとしても、みんなの総意で決めたことについて尊重してやってみる。そして、成功したときも失敗したときもそのリスクはみんなで負うのだ。この過程を「学習」というのだと思う。グループが成長し、次の目標を設定し、新しいメンバーを受け入れられる素地ができてくると、グループワーカーは後ろからその活動についていく存在になる。これが何よりグループワーカーのうれしいときだが、この時期がくるとそろそろグループが終わりに近づく時でもある。昆虫の成長の最後に死があるように、グループにも活動の終わりの時がある。これは、当初立てた目的を達成した時、メンバーが次の新しい目標を見つけた時がそれにあたる。そして、理想的な活動の場合は、次のグループ活動がスタートしたりする。どちらにせよグループ活動は永遠のものではなく、終わりがあるから次のスタートがある。そして、グループが解散したとしても良い人間関係はいつまでも残る。ボクは、もう10年以上前に関わった人たちに今でも助けられて仕事をしている。やっていた活動は、かなりゆるい活動だったが、そこに生まれていた絆とでもいう関係に今になって感謝している。

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