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CADと土木の親和性

土木昔話。

20年前は、平面図は信じるな!現場は横断図と縦断図から想像するんだ!なんて言われてものです。設計から上がってきた平面図と縦横断図の整合性が取れてないのは当たり前。平面図が実寸で作図されていない。むしろ手書きで寸法値だけが変更されてる。土木業界にはこんな悪夢のような図面がありふれていました。

図面が改善されてきた10年

中の人の体感ですが、10年くらい前から正確な図面が作られるようになってきたように思えます。正直な話、土木ってCADのリテラシーが極端に低かったんですよね。でもこの10年で、学校でCADをちゃんと学んだ人材が現場に出るようになったのと、土木での技術革新が大きな原因かと思います。

BIM(CIM)の恩恵

土木の技術革新の中で、一昔前はCIMと呼ばれていた土木のBIM(以降BIM)を含む情報化施工の役割は大きいです。企画・設計・施工・維持管理まで一貫して「情報」を活用しようと言うのがBIMの本質です。「情報」を活用するという考え方は、製造分野では1960年代後半には完成していたのですが、土木に浸透するようになるまで半世紀掛かりました。

土木BIMのために様々な技術革新が起きたことが、CADの作図精度が高まった直接的な理由だと思っています。
具体的にはGPS測量機や自動追尾トータルステーション、ドローンや3Dスキャナが、BIMから派生したi-Constructionにより広く普及し、i-Constructionで必要とされる高い精度の3Dデータが土木図面の精度を高めていきました。

CAD図面で現場を管理できる時代

本来、土木が相手にする地形とCAD図面は相性の良いものです。
私達は緯度経度を使うことで、地球上のすべての場所を数値化できます。緯度経度は平面直角座標に変換できるので、地球上のすべての位置をCAD図面上に表すことができるのです。
座標のレベルまで正確にCADで作図すればCADと現場がリンクします。つまり、CADの位置情報をそのまま現地に落とし込むことができるのです。
これは20年前も可能でしたが、当時はほんの一握りの人だけが業務に活用していた程度でした。
BIMが普及したことで、CAD図面で現場を管理することが一般的になりつつあります。