世界を終わらせて【13】
その日の夜は久しぶりに一人になれた気がした。実際には、一人になりたくなかったのかもしれない。
インドから帰ってきてから人といる時間を増やした。ありがたい話で、周りの人間は話を聞いてくれる人が多かった。
音楽をかけながらここ最近のことを思い出した。そして、誘われた団体に入ることも。
ちょうどいい感じの曲が流れてきた。
「歩き出さないで変わる景色はない」
なんとなく背中を押された気がする。まぁ、団体での活動なんて途中でいなくなることもできるだろう。
そう思い、ミカちゃんにLINEだけ送っておいた。この行動の裏には、別の意図もあった。
他の国にも興味がある。”インドだけ”でもあれだけ楽しかった。あれだけのトキメキがあったのだから、他の国にもたくさんのトキメキがあるはず。
もっと知らない景色を見たいという欲求がどんどんと出てくる。
だけど、これを共有できる仲間が周りにはいなかった。今までの友達もいたが、夜遊びの話しかしなかった。
その話は好きだが、最近そういった遊びをしていないので、ついていけないことが多い。
どうせならもっとワクワクするような話を聴ける環境が欲しかった。
すると、「ミカ」という文字がスマホに浮かんだ。
「じゃあ明日詳しく話すね。夜電話していい?」
「いいよー、よろしくー」
簡素な会話だが、スマホの向こうのミカちゃんはさぞかし喜んでいるのだろう。そう考えるとなぜか笑えた。
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