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ep.4トンネルの先の自由の中庭

ep.4 “トンネルの向こうの自由の中庭”🕍 🌈GERUTAMA+七色の自分史🌈
〜自由という名のカオス期〜

虹の魔女の弟子になってから私の日常の思考はより芸術や人間の魂のアリカへと傾倒していった。風変わり過ぎる思考回路により当然中学校ではクラスに馴染めず、かと言って不良というわけでもないのに授業中はずっとノートに絵を描いている始末。数学の先生や体育会系の先生に眼をつけられ毎日のように注意を受けていたが、頭の中ではずっと未だ見ぬ理想郷を夢見て空想の世界にふけいっていた。
高校生になってもまた苦手な数学と体育をやらなくてはならないのが嫌で嫌でしょうがなくなり、虹の魔女に数学も体育も無くて絵画や芸術を学べる学校は無いものかと相談したら、とアッサリと紹介された。それが『文化学院』だった。
大正デモクラシー期に誕生した大正新教育を先導し[個性の教育]を建学の精神とし、教育者としては素人の日本を代表する芸術家たちが教鞭をとってきたアバンギャルドな歴史をもつ、象徴的なアーチ状の門と建築、開放感溢れる中庭が本当に美しい学校だった。
アーチの先は、長年大切に語り継がれてきた芸術と自由の精神によって、正しく芸術家にとってアジール(聖地)のような中庭があり、学年もクラスも教師も学生も境界線が無い。ただひたすらに芸術を愛する者が自然と集っている。卒業生も中退生も自由に中庭で遊んだり、ごろごろ空を眺めて昼寝したり、当直の先生がそろそろ帰りなさい〜っと優しく諫めてくるまで夕刻時まで中庭に入り浸り、沢山のことを語り合った。中でも校長のハッチは学院のマスコット的な存在で、ひょっこり中庭に現れては学院の学生たちを褒めてくれたり挨拶ついでにハグしてくれたり本当に可愛がっていた。そんな堅苦しさを一切感じない自由な関係性に強く心惹かれた。
私が孤立と退屈で死にそうだった小中学生の頃の代償を全て取り戻せるようなネバーランド(冒険の世界があった)がそこにあった。🌙✨アーチの内側と外側とでは世界は全く違って見えた。

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