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くすぐり作品の演出と嘘はどこまで許されるか



・くすぐり作品の演出はほとんどウソ

くすぐりは演目として見せるのが難しい。くすぐるだけの光景はあまりにも地味だからだ。
女の子をくすぐりで笑わせるところまでは普通にエロとして成立するが、そこから長時間くすぐる場面が続くと飽きる。なので色々な演出を入れなければ見てる人を楽しませてられない。
だが、その演出のどれもが言ってみれば「やらせ」の類である。事実があるとすれば女の子が笑い悶えている一点くらいだろう。


・くすぐりで失禁させる

まず、くすぐりで失禁はありえない。
身体中を触られるので興奮して勃起することはあるし、くすぐりの刺激で身体は弛緩するが、失禁はしない。それが事実ならくすぐり動画での女優はほとんどが失禁してるはずだ。
実際にくすぐり動画での失禁は事前に大量に水を飲まされていたりする。
あらかじめ仕組まれた演出であり、くすぐり中に起きたハプニングというわけではないだろう。


・くすぐられて鼻水や涎を垂らす

くすぐられて顔中を自分の体液でベトベトにしてる人はいない。くすぐり動画での鼻水はこよりを使って無理やり出させてるし、涎も恐らく演出による指示だろう。鼻水を出すくらいなら相当な涙を流さないといけないが、くすぐりでそこまで泣いてる人はいない。
これはアニメやゲームや漫画の二次元の世界でもよく使われる。現実なら鼻水や涎を垂らした顔は引かれやすいが、二次元ではあまり違和感がない。女の子がくすぐられて失禁したり、涎や鼻水を垂らして笑い苦しむ表現は受け入れられやすいところが二次元キャラの強みだ。
だが、クリエイターの中にはこれらの演出を過剰に表現する人がいる。
くすぐられて笑い悶える顔というより、白目をむいて泡を吹きながら苦しむ顔を描いているのだ。オーガズムというよりも、病気を発症したかのような顔になっていることがある。これはさすがにやりすぎだろう。
過剰演出は二次元の作品に多い。現実では出来ない表現を使えるのが二次元のメリットだが、セオリーを無視しすぎた演出はどうかと思う。
くすぐられて失禁したり、鼻水や涎を垂らす演出も病気の人が苦しむかのような描き方になるなら失敗だ。そんなものは心配になる人はいても興奮する人なんていない。


・二次元はセリフで説明しすぎ、絵で説明して欲しい

これは二次元の作品全般に言えることだが、セリフで状況説明しながら喘ぎ声を出す演出はどうにかならないのだろうか。絵で説明するわけではなく、何もかもをセリフで説明するのは間違っていると思う。
例えば「私のぉ〜!◯◯にぃぃぃぃ〜!〇〇が入ってきてぇぇぇ〜、〇〇になってるぅぅぅ〜!」なんてセリフが本当にあったりするのだが、そんなので興奮できるんだろうか?実写作品でこんなセリフを吐いたら確実に萎えまくりで大ブーイングだろう。
それとも実写には興味がなくて二次元さえ見れれば良いと思う人が多いということだろうか。好きなアダルト作品を二次元だけに限定するのは視野が狭くなって面白みが減ってしまう。エロの世界を創造するなら多角的に見る人が増える方が絶対に良いものが作れると思うのだが。
絵で表現するなら余計なセリフはできるだけ抑えて欲しい。例えば腋をくすぐられて笑う女の子の絵があるとする。そこに「私の腋に〇〇が来て〇〇してるぅ〜」なんて余計なセリフを入れたら、それのせいで萎えやしないだろうか。セリフを入れるにしても最小限に留めておきべきだ。過剰演出はいい加減な印象を与えるので逆効果だ。
描き手が全てを説明するより、観賞する人の想像力に委ねた方が高い評価を得られやすい。二次元が作り物の世界だとしても、そのような世界が本当にあるかのように思わせること。リアリティや人間の動きを無視して作るのはやはり違うと思う。


・最後に

くすぐられて失禁する、くすぐられて笑い苦しんで涎や鼻水を垂らす。
これらの演出は基本的にやらせであり、実際はそんな状態になる人はいないだろう。だからこそ実写作品ではあまり使われないし、それほど需要もない。
逆に二次元の作品では失禁・涎・鼻水はくすぐりを盛り上げる演出としては有効だ。だからこそ、せめて説得力は欲しい。
過剰演出ではウソ丸出しでくどさが目立つのでダメだ。それは作り手の自己満足にしかならない。
虚構で作られた世界の話だとしても、説得力を積み重ねて、観賞してる者を納得させ、最後に爽快感を与えてくれるのであれば、嘘の設定に文句をつける者は少ないはずだ。


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