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「鼻中隔湾曲症で苦しむイラン出身のMさんの手術費募金」にご協力をお願いします

今回は鼻中隔湾曲症で苦しむイラン出身の仮放免者Mさん手術費募金への協力をお願いする記事です

1・下宿館が募金を始めるにいたった経緯

この項目では、我々下宿館がMさんの手術費を募金で集めることになった経緯をお話しします。
その前に、聞きなれない人が多いと思うので、まずは鼻中隔湾曲症という疾患の説明をします。

イラン出身のMさんは2009年に来日、その年に事故に遭ったことから鼻中隔湾曲症を患っています。

鼻中隔は左右の鼻の孔を隔てる壁で、薄い骨と軟骨で形成されています。
鼻中隔が湾曲していること自体は珍しくないそうです。しかし、Mさんの鼻中隔は事故の衝撃で湾曲したうえに、その後も変形が進み続けています。そして現在は右の鼻でほとんど呼吸ができないため、日常生活に支障をきたす状態になっています。
 
Mさんは鼻呼吸ができないことで、睡眠中、何度も目が覚めてしまいます。ときには1時間に数度目覚めることもあり、十分な睡眠がとれないことで、日々激しい頭痛に悩まされています
鼻中隔湾曲症が睡眠時無呼吸症候群の原因となっているのです。

ここまで読んで「大したことなさそう」と思った方もいるかと思います。

鼻中隔湾曲症は、軽度なら鼻づまりなどに対して点鼻薬が処方される程度で済むことも多いそうです。
進行度に関係なく完治には手術が必要で、軽症なら全身麻酔不要の日帰り手術で済む場合もあります。その場合、健康保険で3割負担の人なら数万円の支払いで済むことが多いようです。

しかし、Mさんの鼻中隔湾曲症は年数とともに進行したものです。そのため、軽度の手術に比べると、①全身麻酔が必要、②一般的な鼻中隔矯正に加えて、形成外科的な処置も必要、③手術後5日程度の入院が必要、④健康保険がないので10割負担が必要、ということで病院からは100~110万円の費用が見込まれると言われています。

なお、担当医師は、早期に対応すればもっと簡易な手術で済んだのではないかと指摘されていました。

実際に「鼻を損傷した事故の直後はさほど症状はなかった」とMさんは語っていますが、その後入管に収容されて以降症状が少しずつひどくなっていきます。
そのためMさんは、収容中に何度も不調を訴え、診療の依頼を書面で出したそうです。ところが、入管はMさんを外部の病院に連れて行かないだけでなく、入管内の医師の診察すらありませんでした。
入管がなぜ診察すらしなかったのか、理由はわかりませんが、これは完全な医療放棄という以外ありません。

結局、状態が悪化し始めた時期に治療を受けられなかったことから、Mさん手術を受けるために大金を準備しなければならなくなりました。


入管の医療放置が起こす弊害について、いくつかの実例や提案などをまとめているので、ぜひこちらも合わせて読んでください。


2・Mさんってどんな人? 難民申請編

ここからは、募金の対象であるMさんがどんな人なのかをお話しします。

以下、Mさんが日本に来た時期に、イランの軍隊が非人道行為を行っていたことを示す記事を記載します。
ひとつめはイラン革命防衛隊が平和的なデモを武力鎮圧している記事です。
http://kaze.shinshomap.info/series/rights/05.html
ふたつめはイラン政府が、少数民族、人権擁護活動家、女性を弾圧していることへの抗議記事です。
https://www.amnesty.or.jp/news/2008/0730_889.html
 
上記は意図してMさんが日本に来た年に近い記事を上げていますが、2023年現在も政府や警察、軍隊による民衆弾圧は無くなっていません。
2022年、ある女性がヒジャブのかぶり方をとがめられ、警察に拘束され死亡した事件は多くの方の記憶にあると思います。
また、それに抗議するデモを武力鎮圧した際にも多数の死傷者が出ており、それらの記事にはMさんが徴兵拒否した理由である革命防衛隊の非人道行為が散見されます。
https://jp.reuters.com/world/us/CWVZVCKACFKBFPT6WPMS2XN5IM-2023-09-15/
https://www.amnesty.or.jp/news/2022/1025_9755.html
 

難民研究フォーラムの「出身国情報(COI)・クエリ―サービス(https://refugeestudies.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/COI_IRN_231130.pdf)」には、公権力が恣意的な逮捕及び拘留を行っていることや(P44)、治安組織による市民への危害があること、刑務所内で組織的に拷問が行われていること、拘禁中の死亡例もあることなど(P52)が記載されています。
 
法務省がホームページに掲載している「イラン人権報告書(https://www.moj.go.jp/isa/content/001368776.pdf)」
にも、公権力が恣意的に市民の生命を奪っていること(P2)、平和的にデモを行う市民を、治安部隊が2020年だけで数百人殺害していること(P6)、治安部隊や刑務所職員が拷問や虐待を頻繁に行っていること(P8)、刑務所内の環境が劣悪で食料不足や医療拒否が横行しており、不審な死もあること(P11~14)などが記載されています。
 
上記の報告を踏まえると、軍組織の非人道性を指摘して徴兵拒否し、日本でその現状を公的機関に直訴しているMさんは、帰国すれば過酷な拷問にあう可能性がありますし、生命に危険が及ぶことも十分考えられます。

3・Mさんってどんな人? 家庭生活編


イランでの暮らしが経済的に厳しかったこと、徴兵拒否後に危険を察知して親戚の家に身を隠したこと、日々激しい頭痛があることなど、過去や現在の苦しい話をしつつも、Mさんが家族に向ける目線は穏やかでした。

また、子どもとのコミュニケーションがとても円滑で、激しい頭痛に悩まされながらも家庭での役割を大切にしていることも感じられました。


皆様、Mさんの鼻中隔湾曲症手術費の募金に、
ぜひご協力いただけるようお願いします。

下宿館:募金・寄付専用口座
銀行:愛知銀行
支店:津島支店(店番306)
口座番号:普通 2085476
名義:マノアケミ


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