ピクト図解でサステナブル2

ピクト図解でサステナブル(1)備蓄食糧で社会貢献

ピクトグラムを利用して、ビジネスモデルを分かりやすく描いたピクト図解。このピクト図解を利用して、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に即したビジネスを、分かりやすく解説していきたいと思います。題して「ピクト図解でサステナブル」

初回は、備蓄食糧が社会貢献につながる「救缶鳥プロジェクト」です。

廃棄せず義援物資にも再活用するパンの缶詰め「救缶鳥プロジェクト」

災害備蓄で問題になるのは、備蓄食糧の賞味期限。自治体や企業などでも、大量に備蓄した食糧が期限切れとなり、その処分に頭を悩ましていることと思います。

長期間保存可能なパンの缶詰めを発売し、非常食として人気を得ている株式会社パン・アキモト(栃木県那須塩原市)は、保存期限が切れる前に缶詰めを回収し、飢餓地域や被災地に義援物資として送ることで、食品ロスを回避。飢餓救済活動と同時に、商品再購買促進にもつながっています。

その名も「救缶鳥プロジェクト」。

賞味期限切れ前に回収して救援物資に活用へ

非常食として柔らかいパンを缶詰めにしたことで知られるパン・アキモトは、従来製品の保存期間が最長3年間あっても、これを過ぎると廃棄されてしまうことに胸を痛め、「救缶鳥プロジェクト」を立ち上げました。

従来製品は3年間で期限切れとなり、顧客側で廃棄処分され、食品ロスにつながっていました。もちろん回収費用は顧客側負担となります。


救缶鳥従来製品

最新商品「みどりの救缶鳥+(プラス)」では保存期間5年間に延長。また4年半経過した時点で缶詰を無償で回収、NPOなどを通じて飢餓地域や被災地に救援物資として送り届けるというものです。

みどりの救缶鳥+

さらに、従来の販売方式では売り切り方式のため、保存期限が切れて廃棄された後、改めて同社の同じ缶詰めを買ってもらえるかどうかは顧客任せとなっていました。救缶鳥プロジェクトでは、再び新たな缶詰めを購入した顧客に対して、缶詰めを無償で引き取っており、継続購買にもつながりやすくなります。

SDGsにも貢献

このプロジェクト、パン・アキモトでは「1:貧困をなくそう」「2:飢餓をゼロに」「12:つくる責任つかう責任」「17:パートナーシップで目標を達成しよう」の4つのゴールに貢献できるとしています。

みどりの救缶鳥+&SDGs

日本の食品ロス量は、年間約643万トンと推計されており、世界の食糧援助量(2017年で年間約380万トン)の1.7倍とも言われます。

「救缶鳥プロジェクト」は食品ロスを回避しつつ、食糧援助にもつながる試みです。SDGsでは経済効果、環境効果、社会効果をバランスよく達成することがポイント。本業での社会貢献は、まさにSDGs達成に向けた着実な一歩となっています。

●出典や参考文献

[1]「がんばる中小企業・小規模事業者」(中小企業庁)
パンの缶詰によるビジネスモデルで国際貢献、活動の認知による販売の拡大

[2]「みどりの救缶鳥+」プロモーションビデオ




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