[monozuku/モノヅク] 製造業のためのスキルマーケット MVP日誌vol.10(競合調査/KSFなど、プレゼンの裏側の作業)
こんにちは!
コウヘイくん(@モノヅク事務局)です。
先日、非製造業の方からスキル販売のご注文をいただき、無事に納品されました。加工物にもご満足していただけたようです。こうして販売実績ができると、購入していただくお客様にも、利用していただくワーカー様にも安心してもらえる要素が増えるので嬉しいですね。
「作って欲しいけど依頼先が分からない」、「個人では企業などには何となく頼みにくい」だけで、製造に明るくない一般の方も、製造してほしいものやタイミング、需要はちゃんとあるのだと確信いたしました。
前回はMVPにおいて、いかに人を巻き込んでいくか、という話と、主にオーナーの方へのプレゼンの話を書きました。今日はそのタイミングで同時進行していた内容を書いていきます。
競合調査
まずは競合調査。
monozuku/モノヅクのプロジェクトが立ち上がった時から 競合はすでに多くいました。しかも上場しているようなスケールが大きいサービスも。そもそも言ってしまえば、monozuku/モノヅク自体が既存サービスの特化型、バーティカルコマース、プラス、その組み合わせによるエコシステムです。
これまでもマネタイズの時やインタビュー、ヒアリングのタイミングでもたびたび既存サービスは出ていましたが、一度ちゃんと整理してみました。
手数料においては、ほぼ横並びな印象。ただ、一律にしているサービスと販売価格によって差をつけているサービスがあります。ただし、製造業者の出品は少ないようなので、われわれが参入する余地は依然としてあるようです。
KSF(成功要因)
主に上記の競合調査から導出したものです。
KSFはつまるところ、自分たちのサービスを客観視するためのものだと思います。第一歩として、既存サービスとどこが差別化できているか?課題解決やニーズは満たしているのか?それは私たちでないといけないのか?
monozuku/モノヅクは製造業特化型プラットフォームなので、現時点でそこの差別化はできています。また、”売り手=製造のプロ”が使い慣れた設備を間借りして副業する、という点も大きな差別要因です。
気になるのは、製造業従事者の副業ニーズが未知数な点。ヒアリングからは副業に興味を持つワーカーは一定程度いたものの、課題の深刻度が低いことから、飢餓感がないため実際のニーズが読みにくい。
もう一点は、既存サービスに出品者が多くない点。企業単位で考えても、製造大国日本でこういったサービスに出展しやすい規模感の中小零細企業の数は、世界的に見ても多いはず。ココナラやクラウドワークスといった既存サービスの存在を知っていながらも、具体的な内容までは知らない人が何人かいたことをヒアリングから得ているので、サービス認知の問題がある可能性。
あと、既存サービスには購買者も多くない点。オーダーで物を作るということが、一般の人にとってどれくらいのハードルなんだろう?これはかなり希望的観測が大きいですが、製造業というよくわからない世界への潜在的な需要を調べる必要がありそうです。
整理をすると、
・利用者(売り手)であるワーカーの副業課題(設備使用等)の解決と利用喚起
・買い手需要の有無と需要の喚起
の測定が必要となってきます。
価格破壊懸念
価格破壊については、何度も議論をしました。これは、私がこのサービスを思いついた時から心配していたことです。端的に言うと、タクシーとウーバーのようにならないか?という懸念です。
あらゆる事業において、新しいサービスの台頭で価格が見直されるということは普通にあることだし、誰もがそれを受け入れざるをえません。しかしながら、今回のパターン、オーナーに対する相手は、”自社の従業員”かもしれない、という心中は慮りたい。
企業が設定する機械チャージは、機械の代金はもとより、光熱費や管理費、固定資産税、保険代など実に様々なものが乗った上で設定されています。当然ながらワーカーにその支払い義務はありません。レンタルした設備で、社会貢献につながるような仕事がしたいと思っているワーカーであれば、赤字にならない程度の金額で加工を請け負うでしょうし、ただ一方で「面倒だから」という理由でろくに計算もしないで、金額的に安く加工を請け負うワーカーの存在も考えられます。
その線引きはどうするのか?
結論として、MVP実証実験中はオーナーに設備使用料を設定してもらう、というところからスタートすることになりました。
自社の設備費を基に算出していただく。もちろん、それで儲けようとすればオーナーは機械チャージと同等や、さらに上乗せをした設備使用料を設定することもできます。
しかしながら、monozuku/モノヅクは副業支援のサービスです。従業員の成長期待や福利厚生の部分を考慮したうえで、自社の赤字にならないような設定をお願いすることになりました。
もし、このスタートで先ほどの後者(ただ安く請け負うワーカー)が大多数である場合は、加工原価のレクチャーをする必要があるかもしれないし、設備使用料の設定などである程度のコントロールができます。そもそもそういった懸念があるワーカーには設備使用を許可しないと判断してもらうこともできます。
また、単純に価格破壊という観点だけで言えば、最初はそういう人も出てくるかもしれないけれど、資本主義の構造上、いずれ安定した価値金額に収れんされていくのでは?という意見もチーム内で出ました。
当時、もう少し考えて他の方法を探すか否か、悩みました。メンバーは、いつまで引っ張んの?!って思ってたかもしれませんw。
このときの学びは、スタートアップとして、新しい課題や価値に対するベンチャー思考として、まずは一歩を踏み出すことが重要だと思いました。問題が発生したら、改善点を早く見つけてブラッシュアップ。大問題なら、ある時点まで戻る、あるいは即撤退する。そのことを頭では理解できていながら、マインドが追い付かないときにどう切り替えるのか、その訓練だったのかもと、今は思います。すごく大袈裟ですけどw
3歩くらい引いてみる。
ちなみに、私は製造業従事者でもあるので、立場的に近い分 短視眼的になってしまったと思ったので、意識的にこのサービスが実現したさらに向こうをに思いを巡らせて、享受してもらえる利益を考えることが有効でした。