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卒業設計を振り返って

 卒業設計を終えて自分が考えたことや反省、これからのことを初投稿ながらに書いていこうと思う。

卒業設計について 

 卒業設計のテーマは「Drone Nest」。将来実現するであろうドローンを用いた施工によって変化する都市風景を構想した。ICD/ITKE Research Pavilion 2016-2017を参考に都市のビル群をつなぎ、そのネットワークが新たな避難経路やエネルギー網、空中庭園として機能することで、都市の安全性や利便性、公共性を向上させることを目指した。

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卒業設計を振り返って

 自分の卒業設計の始まりは、デジタルと建築の間を探求したいという思いからだった。昔から情報技術に興味があって、非物質的なデジタル空間と物質的な建築空間とが区別なく存在する新たな空間の創造を目指していた。パラメトリックデザインによる形態操作や拡張現実、プロジェクションマッピングなどのテクノロジーに触れていく中で、ドローンを用いたデジタルファブリケーションが探求していたテーマの実現に最も相性がいいと感じた。

 ドローンを用いたデジタルファブリケーションは、空中における施工とデジタル空間にある建築をそのまま出力することが可能。この手法は、無重力的な空間表現やデジタル空間を直接表現できる可能性を示唆している。つまり、地面から生えるようにしてできる従来の建築とは異なり、既存建築や樹木、洞窟などの上部に構築される建築の在り方を可能にし、さらにはそれがデジタル空間の情報をもとに人を介さずに作られることで、図面表記に縛られない建築表現が可能になるということ。これにより、デジタルと建築の間の空間を作れないかと考えた。

 卒業設計では、上記の考えに基づいて手法を構築して、できた建築が都市に広がることでどういった効果があるかを考察していった。いろいろあってこれに沿って考え始めたのが提出1か月前だったのも影響して、手法の構築がなければそもそも建築が変化すると言えないのではないかということで、手法の構築を熱心にしていたら提出1週間前。そこで一気にまとめきったら、建築についての論が浅くなってしまった。

 講評会では、構造の実現可能性や、作った建築がどう役立つのかを問われた。よく考えてみれば、社会的な考察をあまりしていなかったなと反省している。

反省点
・手法の構築が大部分を占めてしまった
・建築スケールでの考えが抜けていた
・ドローンの施工の様子がうまく表現できなかった(鳥が巣を作るような表現をしたかった)
・デジタルと建築の間の空間の実現には至らなかった
・デジタルファブリケーションについての知識不足
・社会的意義をあまり考えていなかった

 今後は、まず卒業設計でやり残した建築スケールで考えてみたり、デジタルファブリケーションの勉強をやる必要がある。そのあとは、デジタルと建築の間の探求を続け、漠然とした目指している空間の具体化とか、今回扱ったドローンを用いたデジタルファブリケーションを深掘りをしたいと思う。


まだ見ぬ建築を目指して

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