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消えないコウテイ

コウテイが解散した。大阪吉本所属の漫才師だ。
その出立と漫才、誰にも真似できない、唯一無二のコウテイというジャンルのお笑い。

それを2人は届けてくれた。

もうがむしゃらに一ファンとしての悲鳴をここに記しておく。

ある朝Twitterを眺めていると、目を疑う記事が飛び込んできた。

「コウテイ、解散」の文字。

幾度となく漫才師の解散のツイートを目にしてきたが、ここまで胸が苦しくなる解散は初めてだった。

憶測でしかないことで、物事を語りたくない。だから悲しいとしか言いようがなかった。

コウテイがM-1の決勝の舞台で暴れ回るのをいつか見れると思っていた。
コウテイがバラエティで好き勝手やる姿をいつか見れると思っていた。
九条の負け顔を加地さんの番組で見たかった。
下ちゃんの七変化をガキ使で見たかった。

これをどれだけネットに書き込んでも、2人には多分届かない。

コウテイがABCお笑いグランプリを2020年に掻っ攫った時の涙を俺は絶対に忘れないだろう。
いくら不仲不仲と言えど、お笑いをやるならこいつしかいないと思っていたからこそ、なせる偉業だったはずだ。

真っ赤なマオカラーのジャケットを着て、1人は長身細身の所謂関西人として言うと、シュッとした見た目、もう1人は髪の毛をガチガチに天高く逆立てて、奇面組にいてもおかしくないthe芸人の見た目。

華があって、見た目に関して言えばある一定のボーダーラインをはるかにクリアしている。

漫才を始めれば「奇天烈奇奇怪怪混沌」と表現したくなるようなかっこいい漫才。
リズムも息もぴったりで、ストーリーも展開もテンポも、どこをとっても文句なしだった。

コウテイというジャンルのお笑いが確立する前に舞台から去った2人。
その革靴の足音を俺たちは絶対に忘れてはいけない。

コウテイという漫才師を失った吉本興業が、宝を1つ無くしたような感覚に陥ってくれてればまだ俺の心は正常に保たれる。

彼らを初めて見た時の衝撃と、解散時の衝撃が相殺されて今、無の状態になっている。

寒くて体が縮こまって、脳みそもキュッと小さくなって、出さざる答えが出てしまったとそう願いたい。

不仲で、喧嘩も解散話も、実際に解散も幾度となくしてきた2人だろう。今回もそのうちの一回だと思いたい。

また春になればあったかくなり、桜を見て、出会いと別れの季節を感じてまた2人が出会うんじゃないか、そんな希望を抱きながら、コウテイの漫才を見てみることにした。

見たスギ薬局
ok釈迦地蔵
ズィーヤ
出世魚横並び泳ぎ
落ち葉のように落ちるマグロ
もうええわ
もうええんかい、もうええんやったらもうええわ

アタマからケツまでずっと意味がわからない。
笑った。
コウテイが解散した寂しさをこの瞬間だけは忘れれた。
それだけ笑いの力を生み出せる2人だった。

正直言わせてもらうが、もったいなさすぎる。
ABCも獲って、M-1の敗者復活にも何回も行って、関西のバラエティにも出て、見た目も良くて、面白くて、みんなから愛されて。

ただ、コンビの仲は恋愛に例えられるように、外野がいくら口出ししても、本人達は本人達の決断しかない。

だから俺達ができることは、コウテイという漫才師がいたこと、そしてその漫才を見て笑わせてもらったこと、この二つを消して忘れない事だ。

俺はコウテイの漫才を誰がどう言おうと肯定し続けた。
高低差のある2人がいくつもの工程を乗り越え、お笑いの皇帝になる日を待ち望んでいた。

待ってるとは言わない、でもまたいつか2人でマイクの前で暴れてくれる日が来る奇跡を願う。
死ぬまで俺の中からコウテイは消えない、ロストもreマインドもない。

だから、兄弟喧嘩でしたって言ってくれてもok釈迦地蔵だし、ズィーヤ。
その時ファンのみんなはビリケンスマイル。
ウケるか?どうだ?ごめん!スベった!

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