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 ラストキャット(18話)

蝉の声が聞こえる夜


  蝉のが夜になっても鳴き止まない 、そんな夜に鳴き声と言うよりも“叫び声”が聞こえた…。
 最初は“お盛んなネコ…?”と感じていた私に、沙羅と栞里が声を揃えて「あっ、ミミの声!!」と…。
「本当だ、ミミだね!」と祥太が言うと少し慌てて私が玄関へ…。
 声の持ち主はミミで慌てて玄関を開けると“ゴンっ”とミミが頭をぶつけ「ごめん、ミミ…」と私が謝ると、ミミがニャオ語で「気付くの遅っ…!」と憤慨していた…。
 その怒りはどこに向いているのか、 その時はまだ気付かなかった…。

見守る恋猫

 その日を境にミミは「ただいま~」と言う代わりなのかも知れないが玄関前で必ず“叫ぶ”様になり、小さな変化に、「“家族の一員”だから玄関から帰ってくるのはあたり前だよ。」と沙羅が言う言葉に、私は「そうだな…」と言いながら“いつもと変わらないミミ”だと思いたくて、そう自分に信じたかった。
 ミミが家に帰る時に叫ぶ様になってから、シマが少し離れて心配そうに見守っている事に気付いたのは窓越しに見ていた祥太だった。
 


現実


 言葉ではなく“心配している”態度や気持ちは“人もミミの種族”も同じでシマの心配していた事が、この日私や家族の目の前で起きた。
 いつもと変わらない様に帰ってきたミミを玄関を開けて迎え入れると、私は「鳴き声に気付くの早くなったろ!」と話した。
 玄関の小上がりゆっくりと上がり、“ゴンっ”と壁にぶつかる姿を見て嫌な予感を否定したい私は試す様に、「ミミ…!」と呼んだ。
ミミは声のする方向から“少しズレている”方を見て歩き出し、再び壁に「ゴン!」と……!!
 “”目が見えていない””

 …………………… 続 …………………… 

 

 


 
 
 
 



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