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ミキティーー

ミキティことモー娘。の元メンバー・藤本美貴氏が自身のYouTubeチャンネルにて、とても興味深いことを語っていた。

それは現在、立派なママタレとして活躍している彼女の元に届いた、ある相談に対する回答について。

その相談は、中学生の息子さんを持つママさんから寄せられたものなのだが、ざっくり要約すると
「息子は現在運動部に入ってる。しかし、練習で疲れてしまい、その後勉強が身に入らないため、本人から辞めたいと言われている。私もそれについて反対はしていないが、父親である旦那が“ここで辞めたら諦めグセがつく”という理由で反対している。どうするべきか?教えてミキティ。」
といった感じ。

この相談に対するミキティの回答は
「まず自分で“両立は無理かも”と考えられる息子さんの自己管理能力がすごい。私も一旦、部活はお休みしていいと思う。諦めグセと言うが、スポーツ辞めたくらいで諦めグセつくかな?本当にやりたいことなら続けられると思うし、何を大事と思うかが重要なのでは。」
といったもの。


ミキティ。さすがミキティだ。庄司がミキティーーーー!!と絶叫したくなる気持ちがよくわかる。

私もミキティの意見に同意だが、なぜ私がこの話題に強く反応したかと言うと、私が受けてきた教育もまさにこの相談者の旦那(父親)の考えと全く同じものだったからだ。


今でも思い出すのは小学生のときのこと。

所属していたバスケットボールチームを辞めたいと親に告げた。

しかし、両親はまさに「諦めグセがつくから」という理由で断固としてこれを許さなかった。

バスケチームは練習がかなりハードだったことに加え、クソコーチが平気で体罰や人格否定などを行ってくること、また入部前の説明と実態が全く異なっていたことなど、辞めたい理由を小学生なりにがんばって伝え、涙を流しながら「辞めさせてくれ」と哀願した。

しかし、どれだけ言っても両親の答えは「NO」だった。理由はやはり「諦めグセ」がつくから。

バスケチームに入りたいと言い出したのは確かに私自身だった。それも盾に「男なら一度自分が言ったことは最後までうんたらかんたら」などと言われ、結局、バスケチームは苦痛を感じながらも引退まで続けた。


さあ、そんな自分がその後どうなったか?

結果、私に身についたのは諦めグセのない“強靭な忍耐力”ではなく、ただの“惰性力”だった。

その後も部活や習い事、またバイトや仕事などにおいても、やむを得ない事情を除き、自分から“辞める”と決断して辞めたことはほとんどない。

それらはもちろんどれもこれも熱中して取り組めたものばかりではなく、毎日辞めたい辞めたいと思いながら惰性で続けたものも多かった。

要は私は何かを途中でやめるということ、特に一度所属したコミュニティを抜けるという行為に対し、極度に罪悪感や苦手意識を持つ人間となってしまった。そしてそれは幼少期の経験が影響しているのだと確信している。

別に今更親を恨むつもりもないし、親にも考えがあって、愛のムチとして私を教育してくれたのだろう。

それに“惰性力”が全くもって無駄な力であるかと言われればまあそんなこともなかったりする。が、本人が辞めたいと言っているのに“諦めグセがつくから無理矢理でも続けさせる”という教育ははっきり言って大間違いであると心から主張したい。


人間にとって継続力は大事だ。しかし、それは本当に自分が好きなことや、夢を叶えるために必要な努力を続けるための継続力である。

そうでない継続力はただの“惰性力”でしかないし、そんな余計なものよりも、すっぱり身を引く“撤退力”の方が10倍大事だと私は思う。

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