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古い雑誌には何かしらの発見がある

『アサヒカメラ』1965年8月号

先日、都営地下鉄に乗っていた時のことだ。座った私の前に二人の男性が立った。楽しそうに話し込んでいる。年配の男性と若い男の子。親子には見えない。趣味で知り合った関係か。
古いカメラについて年配の男性が若い男の子に語っている。

私はカメラのことはさっぱり分からないが、会話の中に、オリンパスとかミノルタとか聞き覚えのあるワードが出てくる。
年配者が語る。「あの頃のカメラは今と違って、ナニナニがダメで苦労した。だけど、今とは違う感覚の写真が撮れた。要は、センスなんだよ、センス、これだけは簡単に学べない」
それに、若い男の子が目を輝かせて聞いているのがなんとも印象的だった。

家に帰って、この二人ならこんな雑誌にきっと興味をもってくれるに違いない、そう思ったのだ。

『アサヒカメラ』1965年8月号

この号は、なんと、サム・ハスキンスの『カウボーイ・ケイト』を特集。私は、日本がこの写真家を初めて評価したのが1990年代に入ってからの渋谷系ムーブメントからだとばかり思っていたのだが。なんと、1965年にすでに評価されていたという。そればかりか、本誌でとり上げるのは、これで、三度目だと解説に書かれている。1963年(5人の女たち)同年1965年(夏を写そう)というから、早くからこの才能に着目していたことが分かる。これら写真集は高価ではあるけれど、この雑誌なら安く買えるなという発見がひとつ。あと、もうひとつ発見があったのだけれど、それは、次にこの雑誌にふれるときまで。


『アサヒカメラ』1965年8月号 サムハスキンス カウボーイ・ケイトより

古書ベリッシマ (stores.jp)

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