「ねじりこんにゃくと君」

春の風が窓からそよ吹く。放課後のグラウンドからは野球部の声が聞こえる。
「どうせ甲子園にいけるかもわからないのにね!」肩を叩き僕に話しかけるのは。
幼馴染のトミコだ。辛辣なやつだ。
昔から口は悪いが根はいいやつなのだ。
「たしかに。一回の大会で出られる球児は
576人。全国で活動してる野球部員は
約1433867人甲子園の土を踏める確率は
約0.4%高いとは言いづらいね」
何でも数字にしてしまう理系の僕の癖が出てしまった。
「もう!意味わかんない!ほら!ねじりこんにゃく食べなっせ!」トミコはポケットから
昆布風味のねじりこんにゃくを僕に手渡す。
-続く-

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