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アイデン&ティティ(2003)

アイデン&ティティ(2003、『アイデン&ティティ』製作委員会、118分) ●原作:みうらじゅん ●脚本:宮藤官九郎 ●監督:田口トモロヲ ●出演:峯田和伸、麻生久美子、中村獅童、大森南朋、マギー、コタニキンヤ、岸部四郎、三上寛、ポカスカジャン、大杉漣、平岩紙、塩見三省、あき竹城 「息の仕方を知ってるなんて奇跡だぜ」 「今の一位はビリッカスになる。時代は変わるんだ」 ハーモニカを吹く姿に歌詞の一節が台詞のように現れる。 『ボギー!俺も男だ』のハンフリー・ボガートよろし

アウェイデイズ(2009🇬🇧)

原題: AWAYDAYS(2009、イギリス、105分) ●監督:パット・ホールデン ●出演:ニッキー・ベル、リアム・ボイル、オリヴァー・リー、スティーブン・グレアム、ホリデイ・グレインジャー 「1979年11月」という字幕から始まる。 流れ出すのはウルトラヴォックスの”Young Savage”、曇り空、赤レンガの塀、走る青年。 改めて『トレインスポッティング』の影響力の粘り強さを再認識させてくれるようなオープニングから始まるイギリス映画。 ポストパンクとサッカーに

アウトレイジ(2010)

アウトレイジ/OUTRAGE(2010、「アウトレイジ」製作委員会、109分) ●脚本・編集・監督:北野武 ●出演:ビートたけし、椎名桔平、加瀬亮、三浦友和、國村隼、杉本哲太、塚本高史、中野英雄、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗 大杉漣も寺島進もいないヤクザ映画。 ヤクザたちの横ナメで始まるオープニングからしてわくわくさせるものがあるが、そもそもあの場面は何の会合なのだろうか? 劇中では何も言及されていないし明確には判明しないが、大勢(ほとんどが國村準と同年代かそれ以上

アウトレイジ ビヨンド(2012)

アウトレイジ ビヨンド/OUTRAGE BEYOND(2012、「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会、112分) ●脚本・編集・監督:北野武 ●出演:ビートたけし、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、桐谷健太、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁 『アウトレイジ』の続編。 東京湾に沈められた黒塗りの車が引き上げられるオープニング。 死んだと噂を流された大友(ビートたけし)が実は生きていて、片岡(小日向文世)の思惑によって出所させられてくるこ

アウトレイジ 最終章(2017)

アウトレイジ 最終章(2017、「アウトレイジ 最終章」製作委員会、104分) ●脚本・編集・監督:北野武 ●出演:ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、大杉漣、松重豊、白竜、名高達男、光石研、原田泰造、中村育二、津田寛治、金田時男、池内博之、塩見三省、岸部一徳 北野映画初期の沖縄シーンを彷彿とさせるようなオープニング。 『アウトレイジ』に続いて再び死を暗示する黒塗りの車の真上からタイトルバック。 『アウトレイジ ビヨンド』と同様に、西田敏行の存在感がすごい。

赤穂城断絶(1978)

赤穂城断絶(1978、東映、160分) ●監督:深作欣二 ●出演:萬屋錦之介、千葉真一、松方弘樹、西郷輝彦、渡瀬恒彦、近藤正臣、原田美枝子、森田健作、田村亮、丹波哲郎、若林豪、江波杏子、藤岡琢也、金子信雄、芦田伸介、三田佳子、岡田茉莉子、三船敏郎 江戸城松の廊下、浅野内匠頭が吉良上野介に切りつける有名なシーンから映画は始まる。 深作監督ということで忠臣蔵をヤクザ映画という解釈で作ったのかと期待したが割とまっとうな時代劇という感じだった。 言ってみれば頭をやられた報復で敵

網走番外地(1965)

網走番外地(1965、東映、93分) ●脚本・監督:石井輝男 ●出演:高倉健、南原宏治、待田京介、嵐寛寿郎、安部徹、宗方奈美、田中邦衛、風見章子、沢彰謙、杉義一、潮健児、関山耕司、ジョージ吉村、菅沼正、志摩栄、丹波哲郎 季節感無視の投稿。石井輝男監督の『網走番外地』である。 少しずつこのシリーズの鑑賞も進めていきたい。 白と黒の鮮烈なコントラスト。 吹きすさぶ雪風と無間に続くかのような真っ白な荒野、そこに点在する家、岩、船、灯台といった黒い影は全て、「在る」ということ

続・網走番外地(1965)

続・網走番外地(1965、東映、87分) ●監督:石井輝男 ●出演:高倉健、瑳峨三智子、アイ・ジョージ、嵐寛寿郎、中谷一郎、田中邦衛、三原葉子、由利徹、大坂志郎、安部徹 『続』とは言いながら舞台は網走ではなく函館~青森。 モノクロで寒々しい映像であった前作とは異なり、ダイヤモンドから波のきらめきへ転調するタイトルバックで幕を開ける今作。 さらに前作は登場人物もほとんど男しかいなかったが、三原葉子率いるストリッパー集団がゾロゾロと、さらに嵯峨三智子扮する女スリ師まで登場し

網走番外地 望郷篇(1965)

網走番外地 望郷篇(1965、東映、88分) ●監督:石井輝男 ●出演:高倉健、嵐寛寿郎、杉浦直樹、田中邦衛、待田京介、中谷一郎、砂塚秀夫、由利徹、桜町弘子、東野英治郎、安部徹 網走番外地シリーズ3作目の本作は舞台が長崎。 荒波の東映三角マークに船の汽笛を被せてのスタート。 シリーズというよりパラレルな世界観であるため、この作品での橘真一は敵対する組の頭への傷害で罪を追い、その刑期から故郷へ還ってきたという設定となっている。 ただし第1作で出ていた田中邦衛演じる大槻は

網走番外地 北海篇(1965)

網走番外地 北海篇(1965、東映、91分) ●監督:石井輝男 ●出演:高倉健、千葉真一、田中邦衛、杉浦直樹、嵐寛寿郎、大原麗子、山本麟一、藤木孝、砂塚秀夫、由利徹、安部徹、小沢栄太郎 『網走番外地』シリーズ第4弾。 今回はしっかり網走刑務所内部からスタートし、色々とひと騒動あったのちに釧路から謎の荷物を運ぶトラックと共に映画は進む。 仮出所を迎えた橘真一(高倉健)は、ムショ仲間の葉山(千葉真一)の保釈金を調達するため、とある運送会社の仕事を引き受けることになる。 王

アンビリーバブル・トゥルース(1989🇺🇸)

原題: THE UNBELIEVABLE TRUTH(1989、アメリカ、97分) (別題『ニューヨーク・ラブストーリー』) ●脚本・製作・編集・監督:ハル・ハートリー ●出演:エイドリアン・シェリー、ロバート・バーク 刑務所帰りの男(ジョシュ)と、17歳の女の子(オードリー)との恋愛物語が始まるまでの前日談的にストーリーが展開されていたが、エンディングにおいてそれは世界の終わり直前であったと示される、ハッピーなのかアンハッピーなのかわからない映画。 ジョシュがまず街にや

刺青一代(1965)

刺青一代(1965、日活、87分) ●監督:鈴木清順 ●出演:高橋英樹、花ノ本寿、山内明、伊藤弘子、和泉雅子、松尾嘉代、小松方正 背中に刺青を入れた裸の男たちというかなりインパクトのあるタイトルバックから、一人のヤクザ(高橋英樹)が敵の組の頭を刺し殺す場面へ。 傘に描かれた「大和田組」、相手の人力車に吊るされた「戸塚組」のちょうちんのショットがそれぞれ写されるだけで当然説明的台詞はなく、そのヤクザの名前も腕に彫られた「鉄」という字で紹介したという形を取っていたり、カット割

ウィル~夢をかなえる旅~(2011🇬🇧)

原題: Will(2011、イギリス、103分) ●監督:エレン・ペリー ●出演:ダミアン・ルイス、ボブ・ホスキンス、レベッカ・ステイトン、ペリー・エグルトン、アリス・クリーグ、ジェーン・マーチ、クリスチャン・キーリング、ケニー・ダルグリッシュ、ジェイミー・キャラガー、スティーヴン・ジェラード リヴァプールファンの少年ウィルがチャンピオンズリーグ決勝(04/05)の地、イスタンブールへと亡き父の思いと共にたった一人で旅に出る、というような話。 キアロスタミ監督の『トラベラ

浮草(1959)

浮草(1959、大映、119分) ●脚本・監督:小津安二郎 ●出演:中村鴈治郎、京マチ子、若尾文子、杉村春子、川口浩、野添ひとみ、浦辺粂子、笠智衆 大映製作、カラー、三重県の志摩が舞台、と小津作品の中でも異色というか新鮮な気分で観ることのできる映画。 大きな灯台をアングルを変えながら空き瓶、船、郵便ポストなどと一緒にフィックスショットで切り取っていく冒頭がとても奇麗。 灯台は常にそこにあって来るものを迎え入れる物、対して空き瓶は漂流するもの、船は行き来するもの、ポストは