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陽炎座(1981)SEIJUN RETURNS in 4K

陽炎座(1981、シネマ・プラセット、139分) ●原作:泉鏡花 ●監督:鈴木清順 ●出演:松田優作、大楠道代、中村嘉葎雄、楠田枝里子、原田芳雄、加賀まりこ、大友柳太朗、麿赤児 DVD(デラックス版)も持ってるくらい大好きな作品だけど、繰り返し観たことはなく、今回初見以来10数年ぶりに観た。(SEIJUN RETURNS in 4K) TAISHO 1926 TOKYO のクレジットから始まるタイトルバックは流れる水の映像。 「だしぬけに失礼でございますが」の台詞、な

枯れ葉(2023🇫🇮)

原題: KUOLLEET LEHDET(2023、フィンランド=ドイツ、81分) ●脚本・監督:アキ・カウリスマキ ●出演:アルマ・ポウスティ、ユッシ・バタネン、ヤンネ・フーティアイネン、ヌップ・コイブ、アンナ・カルヤライネン、カイサ・カルヤライネン アキ・カウリスマキは最高のアーティストでありながら、最高のマッサージ師だと思う。 つまり、余計なサービスは一切せず、こちらが押してほしいツボだけを見事に押してくれる。 クリエイターに対して「観ていて安心できる」というのが褒

河内カルメン(1966)

河内カルメン(1966、日活、89分) ●原作:今東光 ●監督:鈴木清順 ●出演:野川由美子、和田浩治、川地民夫、宮城千賀子、佐野浅夫 日活マークにほら貝の音がかぶさり映画はスタート。 主演の露子(野川由美子)の初登場はまず自転車こぎながらのお尻のショットから。 彼女の肉体の魅力というのを強調するような出だし。 この野川由美子が現代的な顔立ちというか表情豊かで本当に美人で可愛い。(野川由美子を検索すると中条あやみに似ているというページがある。確かに系統は似てる。)

関東テキヤ一家(1969)

関東テキヤ一家(1969、東映、92分) ●監督:鈴木則文 ●出演:菅原文太、待田京介、寺島達夫、桜町弘子、南利明、河津清三郎、天津敏、渡辺文雄、嵐寛寿郎、大木実 浅草のテキヤ、菊水一家の国分勝(菅原文太)を主人公にした映画。 ほぼ任侠ものと言っていいがヤクザではなくあくまで商売人という立ち位置がテキヤであり、そういった台詞が何度か出てくるし、二度と抜かないよう親分に封印の白い紐をドスに結われたりしている。 ただし見た目はほぼヤクザ。 序盤は男だらけのむさ苦しい画面の

北の果ての小さな村で(2017🇫🇷)

原題: UNE ANNÉE POLAIRE(2017、フランス、94分) ●脚本・撮影・監督:サミュエル・コラルデ ●出演:アンダース・ヴィーデゴー、アサー・ボアセン グリーンランドの小さな村、チニツキラークへ教師としてやってきたデンマーク人の青年が体験する、異なる文化を持つ村での暮らしについて描いた半分ドキュメンタリー的な映画。 価値観の違いに戸惑いいらだちながらも徐々に慣れていく姿が描かれていて、特別大きなドラマは用意されていない。 グリーンランド語を覚える必要はな

逆噴射家族(1984)

逆噴射家族(1984、ディレクターズ・カンパニー=国際放映=ATG、106分)●原案:小林よしのり ●監督:石井聰互 ●出演:小林克也、倍賞美津子、有薗芳記、工藤夕貴、植木等 念願のマイホームを郊外に購入した一家が家の中で戦い合うという常軌を逸した作品。 床下に白アリを発見したところから家主・勝国(小林克也)の精神は次第におかしくなっていく。 それから勝国の父(植木等)がやってきてそのまま居着いてしまうところから平和だった家庭がクレージーな状態へと向かっていく。 白ア

恐怖女子高校 女暴力教室(1972)

恐怖女子高校 女暴力教室(1972、東映、79分) ●監督:鈴木則文 ●出演:杉本美樹、三浦夏子、須藤リカ、碧川ジュン、丘ナオミ、衣麻遼子、一の瀬レナ、司京子、穂積かや、川奈良子、東映子、松代薫、金子信雄、名和宏、松井康子、大泉滉、由利徹、女屋実和子、成瀬正孝、岡八郎、蓑和田良太、三原葉子、一の瀬健、那須伸太朗、京町一代、中村錦司、榊浩子、有島淳平、池玲子 まずはタイトル。 『恐怖女子高校 女暴力教室』 恐怖=暴力 女子=女 高校=教室 同じタイプの言葉を二度重ね。串

銀河鉄道の夜(1985)

銀河鉄道の夜(1985、朝日新聞社=テレビ朝日=日本ヘラルドグループ、107分) ●原作:宮沢賢治 ●原案:ますむらひろし ●脚本・監督:杉井ギサブロー ●声の出演:田中真弓、坂本千夏、堀絢子、納谷悟朗、金田龍之介、常田富士男、一城みゆ希、島村佳江、槐柳二、八代駿、新村礼子、大塚周夫、菊地英博、渕崎ゆり子、中原香織、梶哲也、青野武、倉崎青児、仁内建之 宮沢賢治の原作の雰囲気をかなり忠実に映画化している。 ジョバンニやカンパネルラたちが猫の姿になっているが、特別違和感は覚え

くたばれ!ユナイテッド ―サッカー万歳!―(2009🇬🇧)

原題: THE DAMNED UNITED(2009、イギリス、97分) ●原作:デイヴィッド・ピース ●監督:トム・フーパー ●出演:マイケル・シーン、ティモシー・スポール、ジム・ブロードベント、コルム・ミーニイ、モーリス・ローヴ、スティーヴン・グレアム、ピーター・マクドナルド、ヘンリー・グッドマン、デヴィッド・ローパー、マーク・ベイズリー、ブライアン・マッカーディー 1970年代にダービーやリーズの監督を務め、後にノッティンガム・フォレストでヨーロッパ・チャンピオンズ・

沓掛時次郎 遊侠一匹(1966)

沓掛時次郎 遊侠一匹(1966、東映、90分) ●原作:長谷川伸 ●監督:加藤泰 ●出演:中村錦之助、渥美清、弓恵子、三原葉子、高松錦之助、那須伸太郎、志賀勝、結城哲也、中村時之介、小田部通麿、池内淳子、中村信二郎、東千代之介、堀正夫、尾形伸之介、阿波地大輔、江木健二、岡崎二朗、村居京之輔、飯沼慧、中村芳子、明石潮、阿部九州男、清川虹子 主人公、沓掛時次郎の股旅ものということで、佐原~鴻巣・熊谷~高崎あたりが舞台となる。 ものすごいローアングルからの幕開け。 空と人物し

首(2023)

首(2023、KADOKAWA、130分) ●脚本・編集・監督:北野武 ●出演:ビートたけし、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、木村祐一、遠藤憲一、勝村政信、寺島進、桐谷健太、浅野忠信、大森南朋、六平直政、大竹まこと、津田寛治、荒川良々、寛一郎、副島淳、小林薫、岸部一徳 とりあえず面白かったところや印象に残ったことを記していこう。 冒頭、場面転換でワイプが使われていて黒澤明のパロディか!?と思ったけど、以降は使われず最初だけだったのは謎。 中盤、焼けた村を呆然と眺める場面の参

クラークス(1994🇺🇸)

原題: Clerks.(1994、アメリカ、93分) ●脚本・監督:ケヴィン・スミス ●出演:ブライアン・オハローラン、ジェフ・アンダーソン、マリリン・ギリオッティ、リサ・スプーノアー、ジェイソン・ミューズ、ケヴィン・スミス クイックストップというコンビニで、同僚が欠勤となりシフトの穴を埋めるため朝から呼び出された店員ダンテの一日を描くコメディ。 この(設定では21歳だが見えない)ダンテと、隣のレンタルビデオ店で働くランダルや彼らのどうしようもない友人、変な客たちとの会話

クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~(2021🇬🇧)

原題: CREATION STORIES(2021、イギリス、109分) ●製作総指揮:ダニー・ボイル ●脚本:アーヴィン・ウェルシュ、ディーン・キャヴァナー ●監督:ニック・モラン ●出演:ユエン・ブレムナー、スーキー・ウォーターハウス、ジェイソン・フレミング、トーマス・ターグーズ、マイケル・ソーチャ、メル・レイド レオ・フラナガン、ジェイソン・アイザックス プライマル・スクリームの"Rocks"から幕を開けるこの映画は音楽レーベル「クリエイション」を立ち上げたアラン・マ

牯嶺街少年殺人事件(1991🇹🇼)

原題: A BRIGHTER SUMMER DAY(1991、台湾、236分) ●脚本・監督:エドワード・ヤン ●出演:チャン・チェン、リサ・ヤン、ワン・チーザン 1959年と1960年の夏の台北を舞台としたエドワード・ヤン監督による約4時間もの大作。 これほどの長さだと映画鑑賞というより、映画体験という感覚が正しい。 『リリィ・シュシュのすべて』を観たときのような窒息するような苦しさというほどではなかったが、確かにこの映画の良さを味わうにはこの長さは必要だなというのは